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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

The Beatles (Long Card Box With Bonus DVD)

2009年09月22日 16時17分20秒 | Beatles
 こちらは現在、日本でも大ベストセラーを記録中のビートルズの全作品(14作品)をステレオ・ヴァージョンで収めたボックス・セット(ザ・ビートルズ・ボックス)である。大昔の既発音源を単に整音処理して、丸ごとセットしてた価格も3万円はしようかという代物が、この不況下で軽々と大ベストセラーにしまうビートルズは、解散して40年経った今も化け物アーティストであり続けていることを実感してしまう。今回のビートルズのリマスター音源としては、先日取り上げたモノラル音源を収めたボックスも同時に発売されているが、あれはあくまでもマニア向けの限定盤だから(もちろん分売もされない)、これからのビートルズは初期、中期、後期に関わらず、ここに収録された音が基準になって行くことになるのだろう。

 さて、今回はセットにボーナス・ディスクとして入っている各アルバムのミニ・ドキュメンタリーを収録したDVDを観てみた(ちなみにこのドキュメンタリーはそれぞれのアルバムにも収録されている模様)。ミニ・ドキュメンタリーというから、リミックスのプロセスでも公開されているのかと思ったら、そういうもんではなく(当たり前か-笑)、全部12枚あるビートルズのオリジナル・アルバムについて、アルバム収録された曲はもちろんだが、メンバーや関係者の証言を流しつつ、当時の動画や静止画をシンクロさせながら5分程度にまとめている。ちょうど「アンソロジー」のダイジェスト版のような体裁だが、おそらくあれで集めた豊富な素材や製作に注ぎ込んだ予算の大きさがものをいっているのだろう。短いとはいえ、映像処理や音源の扱いなど、ビートルズに相応しい無茶苦茶リッチな仕上がりになっている。

 ちなみに私の購入したのは輸入盤なので、日本語の字幕がついていないのだが、英字幕にしておけば、ここに出てくる位の証言ならば、こちらの頭に既に入っているビートルズに関する知識でなんとなく補完できてしまうのが、なんだか当方の哀しきファン気質を感じさせて、何故だかとても可笑しい....などと、どうでもいいことを書いたついでに、せっかくだから、ここからはしばらくは今回でたモノとステレオ音源の比較でもしつつ、ビートルズの音楽を今一度クロノジカルに眺めていきたいと思う。なにせ6万円の買い物である、HMVじゃこのボックスセットを「一生ものの家具」みたいな言い方しているけれど、家具なら飾っておくだけじゃなく、使わないともったいないもんね。
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エイリアン4 完全版 A.E.(JP.ジュネ 監督作品)

2009年09月22日 11時51分47秒 | MOVIE
 「エイリアン3」が閉鎖空間に紛れ込んだ一匹のエイリアンと人間の対決を暗鬱で重厚なトーンで描いていた点で、「エイリアン」の設定に近いものがあったが、この「エイリアン4」では、沢山のエイリアンが人間に襲いかかって来るシチュエーションを割とあっけらかんと描いている点で「エイリアン2」的な世界に近いといえるかもしれない。
 で、いろいろと問題点はあったとしても、「エイリアン3」で描かれた世界というのは、実は個人的に好きであり、愛着も感じるのだが、こと「エイリアン4」については、初めて観た時からどうも馴染めないものを感じて仕方がない。クローンで甦るリプリーというのはSF映画だから問題ないとしても、敵だか見方だか良く分からない正体不明のキャラとして設定されているのは必然性を感じないし、あのラストに出てくる人間とエイリアンの中間体のようなクリーチャーの造形は興ざめもいいところ。挙げ句に人間らしく憐れみを誘うようなラストに至っては失笑してしまうのだ。

 もっともこの作品、これで3回目か4回目くらいだが、観る度に見直してきたのは確かだ。今回もそうである。これまでの3作とは違う「ダークコメディ」的な乾いた笑いなどは、何度か観てきてそのおもしろさが分かってきたような気がするし、随所に現れるアニメ的な動きを取り入れたアクションなど、「マトリックス」に先んじていたところがないでもないと感心したりもする。また、その世界観にせよ、ドラマ的な展開にしても、観ていてブレや狂いがなくきっちりと出来上がっている完成度があるのは特筆ものだと思う。少なくともその点は「エイリアン3」に比べても数段良い。ボーナス・ディスクのメイキングを観ていると分かるのだが、この作品では前回の地獄のようなプロセスに制作陣も懲りたのか、撮影前にほぼ完璧な脚本が出来上がっており、フランスから来たJP.ジュネはいわば職人監督に徹して演出するという分業が円滑に進んだらしいから、原案の世界観やストーリーはほぼ当初の狙い通りになったということでもあるのだろう。そう思うと、つくづくあのラストの展開が惜しまれるところだ。
 あと、この完全版についてだが、基本的なところは全く変更はなく、頭と最後にちょっとオマケがついた程度である、もっともこのオマケ自体は、けっこう作品のトーンや広がりを補強する秀逸な追加シーンで観ていて楽しいのだが、前述のとおり作品自体はあれでほぼ完成しているので、別段これがあったからどうのこうのというものでもないと思う。

 ちなみに出演陣ではウィノナ・ライダーがやはり目立つ、リプリーが設定上ああなってしまい、そもそも年齢が年齢なので、私はてっきりここでリプリー的な役柄がこの作品でウィノナ・ライダーに移譲され、この後は彼女がメインでエイリアンと対決するのかと思っていたら(少なくもそういう含みがあるラストだったと思う)、その後彼女は一切エイリアン・シリーズにかかわっていないから、断ち切れになってしまったのだろうか。もっとも次は「エイリアンvsプレデター」だから、彼女に出番はなかったろうし、そもそも彼女はその頃、既にハリウッドであまりに大物になりすぎたということもあるかもしれない。
 という訳で、ひょんなことから購入したこのエイリアン箱だが、メイキングも含め4作連続で観ながら改めて感じたのは、やはり一作目がとんでもない傑作だったということ。そして、この一作目のネタで、これだけのシリーズを作り上げてしまうハリウッドは、やはり凄いところだな....というのが偽らざる印象であった。
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