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ハイドン 交響曲第30番『ハレルヤ』/フィッシャー&AHハイドンPO

2009年09月03日 19時25分11秒 | ハイドン
 30番は久々のニックネーム付きで、この「ハレルヤ」という名は、第1楽章にグレゴリオ聖歌の素材を使っているためそうなったようです。全3楽章で構成され、全曲がメヌエットで幕切れしてしまう構成をとっているのはめずらしいですが、どの楽章も4~5分程度、演奏時間は約13分。この時期(エステルハージ家の副楽長期)でこれに前後する作品の中では、かなりコンパクトな仕上がりといえましょう。
 全曲中では、やはり華やかで祝典的な雰囲気を持つ第1楽章が印象的です。冒頭からトランペットが活躍し、ちょっとモーツァルト風な天馬空を行く的な晴れやかなムードがいいですね。例によって第二主題が転調して短調になって翳りが見えてきたあたりで、さっと長調にもどる進行はなかなか素敵です。なお、肝心のグレゴリオ聖歌の素材というのは私には識別できませんでした。

 第2楽章はアンダンテ、しずしずと歩くようなテーマをフルートやオーボエがあれこれと話しかけるように装飾していく様は、公園を散歩している寡黙な夫と、それにあれこれ話しかけるちとおっせかいな奥方みたいな熟年夫婦のユーモラスな光景をイメージさせます。中間部で入るバロック風なフルートも良いアクセントというかワンポイントになって、このちょっととりとめない楽章をうまく引き締めてます。
 第3楽章はメヌエットです。ただしリズムはあまりきつくなく、ごくごくなだらかな感じでホルンのひなびて落ち着いた音色がいかにもドイツの田舎風な雰囲気をかも出しています。トリオはふたつありますが、最初の方はヴァイオリンとフルートを重ねたやはり穏やかな感じのもの。後の方は短調に転じてけっこうシャープなリズムを持っているのが印象的ですが、いずれにしてもメヌエット-トリオの対照はあまり際だっていない感じ、なにしろ、これがフィナーレになっちゃう訳ですから、座りを良くしたのかな?。
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