こちらは「ガス人間第一号」のサントラ盤。担当したのは宮内國郎だが、彼の名前を聞いても音楽をその即座に浮かばない人でも、好き者ならこのサントラを聞けばあっと驚くこと請け合いである。何故かといえば、ここでの音楽のかなり部分がその後のテレビ・シリーズ「ウルトラQ」や「ウルトラマン」で流用されるからだ。なにしろメインタイトルは「ウルトラQ」の例えば「ゴメスを倒せ」その他て゜主に怪獣が誕生するシーンで数多く使用され、「藤千代とガス人間」も怪獣の末路で表現するシーンで多用されたものであり、ともかくテレビで「ウルトラQ」に親しんだ人は、オリジナルのこちらの方に違和感を覚えるほどに、テレビで慣れしたんでしまっているはずだからだ。実際、私も昭和40年代の中盤頃だったか、はじめてこれを観た時は「えっ、なんでここにウルトラQの音楽が出てくるの?」と驚愕したものだった。もっとも「ビルマの竪琴」を観た時も、「なんでここにゴジラの死ぬシーンの音楽が出てくるんだ」と思ったものだけど(笑)。
ちなみに音楽そのものの仕上がりだが、宮内という人はどちらかというとクラシック系ではなく、ポピュラー系の人らしく、この作品も比較的小規模なオーケストラ(金管の咆哮や木管のグロテスクな表情、弦のミステリアスな動きなどはストラヴィンスキー的である)、キャバレー・シーンでかかるジャズ風なもの(イージー・リスニング風ではあるが)、能楽と様々な音楽をそつなくまとめている。まぁ、そういう意味で変身人間シリーズとして佐藤勝の音楽に近い感触がある。ちなみに佐藤勝が怪奇ムードを盛り上げるためにミュージック・ソウを使ったように、宮内はここで電気アコーディオンのモジュレーションがかかった音色を多用して、尋常ならざるドラマの雰囲気を演出しているが、劇中の「情鬼」の音楽は完全な能楽作品のように聴こえるが、これは映画のためにわざわざ作ったオリジナル作品なのだろうか?、ともあれ一種独特のスタティックな風情があって、これまた印象深い。
ちなみに音楽そのものの仕上がりだが、宮内という人はどちらかというとクラシック系ではなく、ポピュラー系の人らしく、この作品も比較的小規模なオーケストラ(金管の咆哮や木管のグロテスクな表情、弦のミステリアスな動きなどはストラヴィンスキー的である)、キャバレー・シーンでかかるジャズ風なもの(イージー・リスニング風ではあるが)、能楽と様々な音楽をそつなくまとめている。まぁ、そういう意味で変身人間シリーズとして佐藤勝の音楽に近い感触がある。ちなみに佐藤勝が怪奇ムードを盛り上げるためにミュージック・ソウを使ったように、宮内はここで電気アコーディオンのモジュレーションがかかった音色を多用して、尋常ならざるドラマの雰囲気を演出しているが、劇中の「情鬼」の音楽は完全な能楽作品のように聴こえるが、これは映画のためにわざわざ作ったオリジナル作品なのだろうか?、ともあれ一種独特のスタティックな風情があって、これまた印象深い。