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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ウィンナ・ワルツ集/セル&クリーブランドO <SACD>

2008年01月02日 23時05分18秒 | クラシック(一般)
 なにしろこの年末年始はAV関係にかかりっきりで、ほとんど音楽を聴いていないもので、普通の年ならそこら中に散乱しているシュトラウス関連のCDがほとんどラックから出ていない。とはいえ、せっかくの正月だから、ちょっとした空いた時間にシュトラウスを聴きたくなる事実で、とりあえず、手近なところに置いてあるSACDを聴いているところだ。ライナーもしかり、このセルとクリーブランドによるアルバムもそういった1枚である。選曲は ワルツ「美しく青きドナウ」、ピチカート・ポルカ、「うわごと」、「春の声」、「オーストリアの村つばめ」、 常動曲、「こうもり」序曲の7曲で、スタンダードな選曲といえばその通りだが、ある意味、カラヤンと共通するセンスというか、戦前~戦後を通じて活躍した世代の特有の選曲基準を感じさせなくもない。例えば「皇帝円舞曲」や「ウィーンの森」は入れずに、「うわごと」が入っているあたりがそうだ。

 演奏の方は、セルとクリーブランドらしく、例によってさっぱりとしたクリーンなものである。先日のライナーのところで「セルが振ったワルツ集は、あまりに締め上げすぎて息苦しいところがないでもなかったが」とやや否定的に書いたが、何度か聴いていると、ぱっと聴いた時のイメージほど、杓子定規でも乾いた演奏でもないことが分かり、こういうシュトラウスもけっこう悪くないなと思う。セルの演奏というのは、一聴するとやたらテンポが早くせかせかしているように聴こえ、しばらく聴き込むと意外とそうでもなく、単にこねくり回さない歌い回しとか、楽器のリリース音が短かく聴こえる録音といった点がそう感じせることが分かってきたりするものだが、この演奏もそういう感じである。カラヤンの18番である「うわごと」もドラマチックさではカラヤンにはかなわないが、幻想的な序奏部から主部のワルツにさらりと移行する手際の良さとか、ワルツ部分の楚々とした美しさなど、カラヤンとは違った質素な美しさを味あわせてくれる。また、これもカラヤンの18番中の18番だが「こうもり」もいい。この曲はまさに緩急自在なダイナミクスが楽しい曲なのだけれど、艶っぽさのようなところはないにしても、このコンビの室内楽的なストイックさを十分に楽しませてくれる好演奏である。

 ちなみにこのSACDだが、SACDの割に録音はいまひとつだ。ほとんどSACDを聴いてる感じしないほどにナローで乾いた音質なのは、マスターテープに収録された情報量の限界、あるいは劣化かもしれないが、なんか放送録音みたいな感じなのである。どっかで聞いた話だが、当時、セルとクリーブランドの録音にはあまりCBSは金をかけていなかったようで、彼らのつくるレコードは当時からオーディオ的な評価はあまり高くなかったらしい。セルとクリーブランドの演奏がこんなにも末長い価値が生まれるとは、当時は考えていなかったのだろう。残念な話である。
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EG D5050H (DVDプレイヤー)

2008年01月02日 11時22分06秒 | PC+AUDIO
 私はCDに比べるとDVDの所有量は微々たるものである。昔、映画に耽溺していた時期があって、短期間に1000本からの映画を観まくったりもしたが、映画のDVDというのはよほど気に入ったもの以外は、ほとんどレンタルで済ませてしまうので(そのレンタルすら大していないのが-笑)、ごくわずかなものである。一方、音楽のDVDも大して持っている訳ではないのだが、洋楽や台湾ポップスを愛好しているせいで、日本ではリージョン・コードが合わず、通常なら観ることのできないものや、PAL方式で記録されているものなどもごくごく僅かだが持っていたりくる。最近のDVDプレイヤーは高性能になったので、安物でもPAL方式は普通にプレイできたりする場合が多いのだが、リージョン違いについてはそうもいかない。なにしろエリア毎にそういう規制をかけることで、どこかの権益を確保するような建前でスタートしたメディアだから、まぁ、面倒臭いが仕方ないところではある。

 ところが、どんな世界にも「抜け道」というのはあるものだ。例えば、今あるプレイヤーのリージョン規制を解除する方法なんていうのは、PCのドライブはもちろん、市販のDVDプレイヤーでも、機種によっては解除する方法がどこからか漏れたり、誰かが探し当てたりして、ネットに広まっていたりする。私はそういう方法を実際に試したことはないが、そんなことをせずとも、街の激安ショップやネットで探すと世界に流通するどんなDVDでも観れてしまうDVDプレイヤーが売っている。いわゆるリージョン・フリーというヤツである。前記のような建前がある以上、こういうプレイヤーは国内の大手が売ることはできないので、まるで隙間産業のように聞いたこともないメーカーが中国発の商品を多少日本向けにローカライズして売っている訳だが、そういう商品なのでとにかく「怪しい機能満載」なのが特徴である(笑)。私が昨日購入したエバーグリーン社のD5050HというDVDプレイヤーはまさにそういう製品である。とにかくDivXやMP3関係の再生はもちろんだが、本体についてUSBやSDカードスロットに繋げたメディアにあるファイルを再生できたり、ついでにMP3のエンコードもできたりするらしい。しかもHDMI端子装備で7980円だというのだら、「おいおい、大丈夫かよ、コレ」的怪しさが満開な製品である。

 という訳で東芝のDVDプレイヤーを購入して数日しか経っていないのにもう次のDVDプレイヤーを購入してしまった訳だが、今年は我ながら久しぶりの「年末年始特有の物欲解放」に突入してしまっていると思う。実は購入した商品これだけではなく、まだ届いていないのだがまだいろいろなものを通販で申し込んであったりするのだ。さて、コレだが反応が遅い点が気になるが、特におかしなところもなく、ごくごく普通のDVDプレイヤーとして楽しめた。「なーんだ、コレ買うんだったら、東芝のはいらなかったかな」とも思いながら、昨夜から本日にかけていろいろなソースを楽しんでいたところ、PALディスクを入れて再生したとたん画面がおかしくなって、そのままイカれてしまった。さすがは激安中国製という他はない(まぁ、さすがに昨夜購入したばかりなので、問答無用で新品と交換してくれましたけど)。ともあれ、これで液晶テレビにあるHDMI端子3つは全て埋まったことになる。HDMI端子など全く使う予定なかったんだけどなぁ....まさに想定外の事態である。
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