こちらはチャールズ・マッケラスがスコティッシュ室内管というあまりメジャーとはいえないオケを振って97年頃に完成させた全集。ただし、2枚組ではなく3枚組で大学祝典序曲やハイドン変奏曲が収録されている他、めずらしい第1番第2楽章の初期稿と思われるヴァージョンなども入っています(そのかわり何故か悲劇的序曲が入っていません)。また、初演当時の演奏スタイル再現ということ話題になったアルバムでもあり、どの曲も低めのピッチにヴァイオリンは両翼配置、リピートの励行などがされていて、聴いていると「おやっ」と思うことしきりの演奏といえます。
聴いてみると驚くのが、従来のオケに比べて弦の少なさからくるよるオーケストラ・バランスの違いでしょうか。なにしろこのところマーキュリー・リヴィング・プレゼンスによるドラティの演奏ばかり聴いていましたから、比較的遠くのポイントからホールトーンを丸ごと収めたようなテラークの録音とは、そもそも会社のよる録音ポリシーの違いも大きいともいえますが、いずれにしても弦がリスナーに向かって壁のようにそそり立つようなバランスではなく、うっすらとベールのように木管を包みこんでいるような感じで、ちょっと聴くと実在感が乏しい録音なのですが、反面、なるほど初演の頃はこの程度の規模で、割と低カロリーに演奏していたんだなと感心する部分もあります。
そういうコンセプトを反映しているのか、演奏そのものも非常に早めのテンポでフットワークも軽く進むブラームスという感じ。ただ、このところ良く聴いているドラティあたりのストレートさシャープさに比べると、リズムの切れやフレーズの歌い方といった点でも、ある意味中庸の極致という感じで、角がなくすーすー流れていくのはいいけれど、もうちょっととっかかりみたいな欲しいと思わないでもないです。ある意味で古典派的なスタイルでもって再現されたブラームスといったところなんでしょうね。
聴いてみると驚くのが、従来のオケに比べて弦の少なさからくるよるオーケストラ・バランスの違いでしょうか。なにしろこのところマーキュリー・リヴィング・プレゼンスによるドラティの演奏ばかり聴いていましたから、比較的遠くのポイントからホールトーンを丸ごと収めたようなテラークの録音とは、そもそも会社のよる録音ポリシーの違いも大きいともいえますが、いずれにしても弦がリスナーに向かって壁のようにそそり立つようなバランスではなく、うっすらとベールのように木管を包みこんでいるような感じで、ちょっと聴くと実在感が乏しい録音なのですが、反面、なるほど初演の頃はこの程度の規模で、割と低カロリーに演奏していたんだなと感心する部分もあります。
そういうコンセプトを反映しているのか、演奏そのものも非常に早めのテンポでフットワークも軽く進むブラームスという感じ。ただ、このところ良く聴いているドラティあたりのストレートさシャープさに比べると、リズムの切れやフレーズの歌い方といった点でも、ある意味中庸の極致という感じで、角がなくすーすー流れていくのはいいけれど、もうちょっととっかかりみたいな欲しいと思わないでもないです。ある意味で古典派的なスタイルでもって再現されたブラームスといったところなんでしょうね。