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GEORGE COLEMAN QUINTET / I Could Write A Book

2005年11月28日 23時32分10秒 | JAZZ
 ジョージ・コールマンといえば、H.ハンコック、T.ウィリアムス、R.カーター、そしてW.ショーターを擁する黄金時代のマイルス・バンドが確立する直前に、ショーターの前任として在籍していた人だが、その後約30年ほとんど名前も聞くことなく、引退してしまったのかと思ったら、HiFiオーディオ・レーベルであるテラークから、こんな作品を出していた。
 
 コールマンは、マイルス・バンドでは後任のショーターよりずっとオーソドックスなタイプの人だったと思う。どちらかといえば「旧来のジャズ枠内でのプレイ」していたかのような人だったが、その枠というか限界故に私はショーター在籍時の作品より、彼が在籍していた頃の「フォア&モア」だとか、「マイ・ファニー・バレンタイン」の方が好きだったので、コールマンの30年後のプレイには興味があったのだが、いゃぁ、この人変わってない。マイルス時代のバリバリと吹きまくるモード的なところも健在なのだけれど、それよりおらくは彼の本質なのであろう、キャノンボールっぽさというか、要するにチャーリー・パーカー的な歌いまくるソロになっているのがいい。多分、年月が経って先祖返りしたんだろうが、実に味わい深いプレイで、しばらく聴き惚れてしまった。リチャード・ロジャースという、アメリカのスタンダードな作曲家の中では、もっともメロディックな人の作品ばかりを選んで演奏しているというのも、彼の資質にマッチしていると思うし、とにかく老齢とは思えないほどよく歌い、バーサタイルに吹きまくっているがうれしい。

 この作品はジャズ史に残るだとか、某雑誌の金賞とるだとか、そういう仰々しさはまったくない。おそらくジャズ史では忘れ去られる運命にある作品だろう。だが、このごくまっとうなオーソドックスなジャズ作品は、仕事に疲れた夜にふと聴いてみると、なんともいえなく味わいがある。帰りにフト寄った酒場かなにかで、こんなのが聞けたらサイコーだろうな....そんなことを思わせる作品である。今時、めずらしい無欲なジャズ作品というべきか。(00/07/03)
コメント
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