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マクラフリン with シャクティ/ハンドフル・オブ・ビューティ

2005年11月21日 15時11分29秒 | JAZZ-Fusion
 76年に発表されたマクラフリンとシャクティの共演第2作。前作は即興性を重視したライブ・ハフォーマンスを収めていたが、本作はスタジオ録音ということで、曲はどれも比較的コンパクトだし、曲毎に盛り込むべき内容を明確に絞り込んだような内容になっている。おそらくライブで即興的に現れた「使える部分」をバラしてこのアルパムにしたのだと思うが、おそらく両者にとって共演した鮮度がまだ充分に保たれている時期だったのだろう。いずれの曲も、スタジオ録音らしいととのった仕上がりにはなっているが、優等生なバランスにだしてしまうことなく、かなり高いテンションが保たれているのは素晴らしい。

 特に1曲の「歓喜の舞踏」は、冒頭の声のよる掛け合いの後、いきなり怒濤のテンションでインタープレイが繰り広げられ、筆舌に尽くしがたいスリリングさがあるし、3曲目の「インディア」や5曲目「イシス」といった長い曲では、静と動を対比しつつ、次第に緊張感を増していく構成をとっており、派手ではないが緊密なインタープレイは聴くほどに味わいがあって素晴らしい。こういう部分はある意味、マハビシュヌ・オーケストラのコアな部分を凝縮している趣もあり、全体に前作ほどあからさまにインド音楽っぽいところもやや薄れ、その後のスーパー・ギター・トリオなどとも共通する、ジャズの境界線線上に位置するような、マクラフリン流のアコースティック・ミュージックの青写真が、そろそろ出来上がりつつあることも感じさせたりする。

 ついでに書けばこのアルバム、録音も素晴らしい音。前作はライブ録音ということもあり、全体に音の厚みが感じられず全般に貧相な音という印象だったが、こちらは各種打楽器の腰のある低音がビビッドに収録され、しかも高SN比で音の粒立ちも素晴らしく立体的にHiFi感抜群。こういう録音なら是非、SACDで聴いてみたいものだ。
コメント
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