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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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RETURN TO FOREVER / Light as a Feather

2005年11月24日 13時53分47秒 | JAZZ-Fusion
 前作に続くリターン・トゥ・フォーエバーの第2作(73年発表)。こちらは名義の上でもリターン・トゥ・フォーエバー名義となっているが、バンド・メンバー等に異動はなく音楽的にもほぼ延長線上にある。ただし、前作のような混沌とした浮遊感のようなものは、前作の「ラ・フィエスタ」で開陳したスポーティーなスピード感にとって代わられているという感じだし、全体にポップなまとまりのようなものを指向しているのも随所に感じられる。

 なにしろ1,2,4曲目という約半数のナンバーがフローラ・ブリムのヴォーカルをフィーチャーした作品なのである。これらの曲では、前作でかなり前面に押し出されたいてエレピは、ほぼヴォーカルの背後に回っているし、前作のような曖昧模糊したムードというよりは、よりまっとうなジャズ的なフレージングになっているのは注目される。ジョー・ファレルのフルートやサックスなど、まるでAORのようなフレーズを吹いたりしているのだ。
 また、名曲として知られる3曲目「Captain Marvel」はこのアルバムでのバンドの様変わりを象徴するようなスピード感溢れる作品。もっとも、その後このバンドが残していく作品群のスピード感らに比べれば大したことはないが、それでもこのテクニカルさ、チック・コリア流の鞭がしなるような敏捷さなど、このバンドのその後を明らかに予見していたと思う。
 ラストの「スペイン」は問答無用の名曲。前作の「ラ・フィエスタ」に双頭するおおとりに控えたハイライト曲だが、冒頭にアランフェス協奏曲を持ってくるなど、大衆受けする趣向はあるし、「ラ・フィエスタ」のようなくどくど旋回していくような構成ではなく、スペイン情緒溢れる旋律を生かした、比較的ストレートな構成でコンパクトにまとまっている点もわかりやすいため、名曲然としてたたずまいはこちらの方が上という感じもするが、いかがだろうか。
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