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JEFF BECK / Wired

2005年11月13日 23時38分21秒 | ROCK-POP
 これまた実に久しぶりに効いたアルバム、20年ぶりくらいになるだろうか?。ジェフ・ベックはかのヤードバーズを皮切りに、ジェフ・ベック・グループやベック・ボガード&アピスなどの骨太なロック路線が続けてきたのだけれど、ライバルのクラプトンやペイジが同じ頃出していた作品に比べると、どうも全般に渋すぎるというか通向きというべきなのか、ともかく今ひとつに決めてに欠くというのが、大方な評価だったと思う。ところが、そんなジェフ・ベックが、すこしばかりフュージョン風への音楽へとモデル・チェンジした「ブロウ・バイ・ブロウ」は大ヒットしたのだから、世の中わからない。フュージョン風にスムースで心地よいポップなサウンドに乗って、ベック本人は以前とほとんどかわらないスタンスで、ロック的フレーズをガシガシ弾く、このミスマッチングなところが、逆にベックのロック的なるものを浮き彫りすることなったということなんだろうけど、確かにこうした音は新鮮だった。

 この「ワイアード」は、前述の「ブロウ・バイ・ブロウ」に続く76年リリースのアルバムで、プロデュースは前作と同じジョージ・マーティンだが、ナラダ・マイケル・ウォルデンとヤン・ハマーが加入して、スピード感とテクニカルなフュージョン色が強くなっているのがミソ....というのが、実はこれまでの印象だったが、久しぶりに聴いてみたところ、思ったほどフュージョン色は強くないなという印象を改めてもった。4割方のソロをハマーが弾いているし、ナラダも例の手数でやっているから、そういうところはもちろんあるにしても、今回聴くとむしろ目立っているのはマックス・ミドルトンのファンキーなクラビネット、彼がアレンジしたに違いないブラスのアレンジだとか、そういうところだったりする。要するにマックス・ミドルトンがある面音楽を仕切っていたともいえる訳で、意外とジェフ・ベック・グループあたりの音は温存していたのだなという感じなのである。そんな訳で、発表当時、当時感じた「スムースなサウンドと炸裂するベックのギター」みたいな図式は、今回けっこう訂正されることになった。うーん、こうなると「ブロウ・バイ・ブロウ」も、久しぶりに聴いてみたい気分だ。マクラフリンに続いて、今度はジェフ・ベックでも集中的に聴いてみるか(笑)。 
コメント (2)
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