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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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木住野佳子/ユア・ソー・ビューティフル

2005年06月17日 22時50分02秒 | JAZZ-Piano Trio
 最近オーディオ雑誌読んでいると、非常に出てくる機会が多いので、試しに購入してみました。邦人によるジャズ・ピアノ・トリオで、音楽的にはビル・エヴァンスにちなんだ曲ばかりを演奏しているんですが、実際聴いてみると、ああもオーディオ雑誌に紹介されるというのも、納得できる名録音です。

 この録音なんでもモンスター・マシーンという2chのアナログ・テープ・レコーダーにライブの如く一気に収録されたみたいで、それをK2で処理しているというのが効いてます。タイコなんかもう鮮度が違うって感じで、ロウ・タムがドンと鳴るあたりの音圧は凄いし、ピアノもフラットそのもの、うちのB&Wなんかじゃなくて、JBLなんかで鳴らしたら、その生々しさに仰天するんじゃないかと思うくらいです。

 さて肝心の演奏ですが、木住野佳子って初めて聴く人ですけど、ビル・エバンスの愛奏曲をやっている割には、あまりエバンス臭くなく、むしろチック・コリアとマッコイ・タイナーの影響が強いって感じがします。ソロなど真ん中から高い方を駆け上がっていくように進行し、そのピークでまるでトリルのようにころころと音を回すさまところとか、インプロの途中で原曲のフックみたいなところをさりげなく入れるあたりのセンスはかなりそれ的だし、両手一杯に使って割とパワフルな感じで曲を隈取っていくあたりマッコイ風。

 ただし、この人かなりの秀才みたいな感じだから、このアルバムではひょっとすると、意図的にエバンス臭さを消している可能性もありますけど....。テーマはあんましいじらず割とストレート、前述のとおりインプロ部分でも割と王道路線ですから、割とまっとうなピアノ・トリオとして充分に楽しめます(この人GRPでワールドワイドにデビュウしているところからして、きっと新世代のデビッド・ベノワみたいな路線で売ってるんでしょうね)。

 そんな訳でオーディオ・ファンにお薦めしときましょう。ジャズ的には中の上ってところですが、オーディオ的には上出来です。(1999年6月30日)


※ 途中「うちのB&Wなんかじゃなくて、JBLなんかで鳴らしたら」なんてフレーズが出てくることからも分かるとおり、未だ自宅でB&WのMatrix801Sを使っていた頃の文章です。そういえば、スピーカーをJBLに替えてから、このアルバム聴いてないような気がします。もう自宅のJBLもすっかりこの部屋に馴染んでますけど、それで聴くとどんな音がするんだろう?....忘れないようにメモ替わりにここにアップロードすることにしました。
コメント (1)
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