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ジョー・サンプル/インビテイション

2005年06月02日 11時27分49秒 | JAZZ-Fusion
  ジョー・サンプルの1993年の作品です。私は彼が在籍していたクルセイダーズの作品はほとんど聴いていませんし、ソロ作品も同様で、このアルバムもジョー・サンプルというよりは、トミー・リュピーマのプロデュース作品の線で購入してきたような記憶があります。結果的に私はこの作品を大いに気に入り、彼の作品もさかのぼって「Spellbound」や「Ahses To Ashes」を購入したり、その後出た新作をぼちぼち購入したりするようになった訳ですから、私の「ジョー・サンプル発見の一枚」ということになるかもしれません。

 さて、この作品、ジャズ的形容をすると「ウィズ・オーケストラ物」ということになるんでしょう。サンプルにベースにセシル・マクビー、ドラムスにヴィクター・ルイス、そしてパーカスにレニー・カストロを加えた、ビアノ・トリオ+1のフォーマットに、オケがバックに陣取るという内容で、選曲は大半がスタンダード・ナンバーであり、後でわかったことではあるのですが、前後の諸作に比べ、こりアルバムはほとんど例外的に「正統派ジャズ」を狙ったものだったようです。とはいえ、リビューマのプロデュースですから、通り一遍の物量作戦による「ウィズ・オーケストラ物」ではなく、いかにも彼のブロデュースらしい、よく作り込まれ、オシャレで、センスの良い、GRP的な瀟洒さに満ち満ちた仕上がりになっています。

 曲はどれも非常に完成度の高いアレンジがなされていますが、私の好きな「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」などピアノとオケの絡み具合に実にセンスが良く、まさに、極上のイージー・リスニング・ジャズというか、今風にいえばスムース・ジャズを楽しませてくれますし、バカラックの「ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」では往年のシアリング・サウンドをモダンに再現、「降っても晴れても」ではちょっとギル・エヴァンス風なアレンジに接近したりと、編曲も多彩です。ちなみに担当したのはディル・オーヘラーという人ですが、なかなか作品のコンセプトをわきまえたセンスのよいオーケストラ編曲をしています。

 それにしても、ジョー・サンプルって人、聴く前はあの風貌からして、かなりアーシーで、精力的なピアノ弾く人なのかなとも思ってたんですが、まるでイメージが異なりました。極めてメロディックで洗練されたフレーズ、特に高域で転がすようにフレーズを繰り出すあたりや、フレーズのしめくくりをコードでおさえていくあたりは独特なポップさすら感じます。これ以降、彼の作品は数枚聴いてますが、アルバムの企画は違っても、このキャラは基本的に不変なようで、その後作品も同じように楽しませてもらってます。そろそろ「ウィズ・オーケストラ物」も、もう一枚どうでしょうかね~。

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