昨年末は最後までごたごた些事雑事に追われてあっという間に大晦日、夕方になってちょっとは正月らしく数の子なんか買ってなどと思って近くの平和堂さんのスーパーにでかけました。
適度に買い物を済ませてレジでおカネを支払っておりましたら、レジの向かいの台で一人のオッサンが何やらゴソゴソしております。最近ときおり目にするオジサンです。年のころはGGIぐらいか、あるいは70前後、やせて背がGGIよりは高く1メートル70センチ以上はありそう、髪は白髪まじりでボサボサ、口元も白髪まじりの無精ひげ、細面の頬はやせこけてくぼんでいます・・・
何が入っているのか紙袋を三つ、そして手にはお店で用意している荷造りや包装用に使う紙製の幅の広いガムテープ、そのガムテープをちぎっては着ている衣服にベタベタ貼りつけようとしています・・・
このオジサンの着ている服、ジャンパーもズボンもボロボロ、あちこちが裂けていたり破れていたり、ほころんでいたり・・・・この傷口を塞ごうとしきりにガムテープをあっちこっちに貼ろうとしてしているのです。でも、ゴワゴワした紙製のガムテープはなかなか服地になじまず、ちゃんと思うようには付着しません、とても苦労しているようです。足もとを見てみますと、靴ではなくゴム製のサンダルのようなもの・・・。まあ、言葉はよくないのですが、この人物、その様子はまるで全身ガムテープ男、はっきり申し上げてルンペン同然、紙袋をいくつも持っているからホームレスなのかもしれないなあ・・・
しきりにガムテープをちぎっては貼り付けて修復しようとしているこの人物の姿を目にして、店員さんは少し迷惑そうな表情を浮かべながらも知らん顔、他のお客さんもみんな、見て見ぬふりと言うのでせうか、われ関せず、近くに寄って来ないでよという表情・・・
GGIは、オッチャン、この寒いのにそんな恰好で大丈夫かいなあと少し気になって眺めていたのですが、買ったものをポリ袋に詰めているうちにこの人物どこかへ姿を消していました
次いでGGI、いつもの習慣で、最近店の隙っこにできた休憩コーナーへと向かいました。テーブルとイス、壁に沿って長いテーブル、それに小さな子供の遊び場など結構広いスペース、そこに備えられている自動販売機でコーヒーを飲むためです。
コインを投げ込んで待つこと数十秒、熱いコーヒーが入った紙コップを販売機から取り出そうとしましたらうしろの方で物音がしました。振りかえりましたら先ほど目にした人物でした。休憩コーナーの椅子に座ってテーブルにおいた紙袋を何やらゴソゴソしています。
GGI、しばらくこの人物の様子を眺めていましたが、この寒いのに大丈夫かなあと心配になって、ちょっと声をかけてみることにしました
オッチャン、どこから来たの?
すぐ近くや・・・
オジサン、そんな恰好で寒うないか、寒いやろ、大丈夫かあ、他に着るもの、ないんかあ?
するとオジサン、袋をゴソゴソして、もう一着ジャンパーを取り出して見せてくれました。でも、いま着ているジャンパーと大差なく見事にボロボロ
オッチャン、こんなの、アカンわ、あのなあ・・・
・・・・そんなこと言われても・・・
そのときGGIのオツムが突然閃きました。GGIは5年に一度はわれながら感心するぐらい閃くことがあるのです。そうや、わが庵の押入れにあんまり使っていないジャンパーがあったなあ、それにズボンもまだまだ使えるのがひとつやふたつどこかにあるはずや!
オッチャンン、そんなジャンパーあかん、あのなあオレ、すぐ近くに住んでいるのや、今から家に帰ってジャンパー、持ってきたる、それにそのズボンもあかんからズボンも持って来るから、待っとき。すぐ戻ってくるから、10分以内に必ず戻ってくるからそこで待っててや、どっかへ行ったらあかんでぇ!
このスーパーの玄関からわが庵の玄関までは220歩、片道1分は無理としても2分で十分、だから行き帰りに5分たらず、庵内家宅捜索に5分、計10分という計算です
GGIは右手に買い物に入ったポリ袋、左手にコーヒーがまだ熱いコーヒーが入っている紙コップ、急いで帰還、家宅捜索の結果すぐにジャンパーと裾丈が少し長すぎてあまり使っていないズボンを発見、ジャンパーとズボンを手にして急いでスーパーに戻りました。
外からガラス越しに休憩コーナーにほうに目をやりましたらオッサンの姿がみえません、あれっ!あれだけ言っておいたのにどっかへ行ってしまったのかなあ、と急いで店に入り休憩コーナーに向かいました。そうしましたら、外からは見えない一番隅っこの席で紙袋に両手をやり、独りぼんやりうつむいていました
オッチャン、ほら持ってきたぞ、ジャンパーとズボン!
ズボンまで持って来てくれはったんですかぁ・・・お世話かけます・・・
サイズがあうかどうか・・・まあ、オジサン、やせてるからこのズボン入るやろ、ちょっと着てみてよ
このオジサン、どうするのかとみておりました、いままで着ていたガムテープだらけのジャンパーとズボンは脱がないまま、その上にGGIが庵からもってきたジャンパーとズボンを身につけました
ああ、これで暖かくなった、これはええわ、これでバリッとした!ええ大晦日になった!ほんまにお世話かけます・・・
すこし着ぶくれの感はいたしますが、たしかに外見は、これでバリッとまではいかないまでも、なんとか恰好がついています。でも足もとがゴムのサンダルではなあ・・・
オジサン、足元、冷えるやろ、靴、持ってないの?
靴、もってるけど、遠くにいくときだけ履いていくのや・・・
なるほど、でも近くから来たと言うのに紙袋をいくつも抱えているのは解せません
そうかあ、でもなあ、こんな格好していて風邪ひいて肺炎にでもなったらエライことやで、オッチャン、住むところあるんかあ・・・
家、あることある・・・・(ほんとかなあ・・・どうもはっきりいたしませぬ)
GGIがあれこれ話しかけているうちに、この人物、すこしずつ口をきくようになりました
オッチャン、家、帰ったら暖房あるのかあ、どうしてるんや・・・
ないことはないけど、電気もガスも高いしなあ・・・ほとんど使わん
そんなら帰ったらどうしてるんや?この寒いのに・・・
思いっきり厚着して布団にもぐってる・・・
ところでオッチャン、あんなあ、生活保護いうのがあるの、知ってやろ?
生活保護かあ・・・そんなんがあることは知ってるけどなあ・・・
でももらってないやろ、生活保護もらったほうがええで、もらったほうが
生活保護、わかってるけどなあ・・・そやけどお役所へ行かなあかんやろ、役所へ行ったらいろいろ調べられたりうるさいこと言われたりするやろ、それが嫌なんや・・・
それは、むかしはいろいろウルサイこと言ったりしたけど、いまは以前よりはマシになってる、一回、市役所へ行き、行かなあかん。市役所どこにあるか知ってるやろ、皇子山の・・・電車賃ちょっといるけど・・・
知ってることは知ってる、行くなら自転車で行く・・・でもなあ、あいつら、生活保護申請ししようと思うても、できるだけもらえんようにしよるからなあ・・・
そやけど行かなあかん、市役所行って、誰かに生活保護はどこですかって聞いたら誰でも教えてくれる、市役所行ってゴチャゴチャうるさいこと言われたりしたら、オレがいっしょに行ったる、市役所、知っているヤツ、いくらでもいるから・・・
そうですかあ・・・それはありがたい・・・でもなあ・・・
何いうてんや、市役所、行きや、絶対いかなあかんでぇ・・・それにオジサン、年金どうなってるのや、今までどこかに勤めていたことあるやろ
年金、おたくはどのくらいもらってはる?
オレか、おれはちゃんとまともなところに勤めていてのは十数年に過ぎんから厚生年金は少ない、国民年金なんかしれてる、それでも年金あるのとないのとでは大違いや、オジサン、何年ぐらい働いていいたんや
二十数年は勤めていたかなあ・・・、でも年金って65歳からやろ?もらえるの。ボク、まだ65歳になっていないんですわ・・・
これは意外でありました、GGIよりかなり若いのです。
二十数年も働いていたら厚生年金、それならオレなんかよりずっとぎょうさんもらえる、年金貰ったらなんとか暮らしていけるはずや、65になっていないって、オジサンいくつなの、えっ、62歳なの・・・そうかあ・・・でもなあ、おじさんの年なら60歳からでももらえるはずと思うけどなあ
貰えるかもしれんけど早くからもらうと損するとか聞いてるけど・・・
そりゃあ、少しは損するかもしれんけどたいした差はない、そんなこと考えんと年金貰う手続きしたほうがええ、年金事務所行ったらいいえのや、年金事務所のある場所しってるか?
以前は職安の近くにあったように思うけどなあ・・・
ちがう、ちがう、今はNHKのちかく、石場の駅の近くにNHKあるやろ、NHKの斜め向かい、びわ湖の方にちょっと行ったところや、行ったら簡単に分る、あのなあ、生活保護のことで市役所行ったら、かならず年金はどうなっていますか、って聞かれるから・・・年金もらえるなら生活保護がアカンということなるかもしれん、そやから一度年金事務所にもいかなアカン・・・・
そうかあ・・・
オジサン、ところで今日この店で何買ったの?
豆腐が半額やったので買うた、それにパンと・・・
俺も半額の豆腐買うたけどなあ・・・でもそれだけ?なんか肉か魚なんかも買わんと
ギョーザも買うつもりや・・・
などなど、いろいろこのオジサンと話しをいたしました。この人物、果たして今後どうなることやら・・・・生活保護のことで果たして市役所に行くかどうか、かなりあやしいなあ・・・まあ、そのうちこのスーパーでまた出会うことがあるだろうから、そのときにまた、ということにしてGGIは庵に帰ってきました
帰り着いて、やれやれと夕飯を食してから一休みしておりましたら、あっ、しまった・・・この大晦日に、明日は新年というのに、豆腐とパンとギョーザだけではなあ、侘しいよなあ、侘し過ぎるようなあ・・・千円か二千円、何か食べ物買ってプレゼントするんやったなあ、ほんまにバカの知恵はあとからやなあ・・・と反省・・・
その後、知人の車で三井寺さんを午前零時ごろ表敬して帰宅したら午前1時過ぎ、そのあと久しぶり脳内超テレパシー電話を神さまにかけてみることにしました
もしもし神さまですか?お久しぶりです、あけましておめでとうございます、GGIでございます、今日はちょっとお話が・・・
GGIか、大晦日の仕事を持ちこして私はいま忙しのだ、いつものどうでもいい話ならゴメンだぞ、
分っております、神さま、あのですねえ、GGIは昨日の大みそか、実はちょっぴり功徳を施してしまったのですが・・・
なに、オマエが功徳!信じられんなあ、GGIよ、神さまをだましたりしたらバチがあたるぞ、それでいったいどんな功徳なんだ、言ってみなさい
神さま、あのですねえ、実は昨日の夕方、いつも行くスーパーで、ある人物と出あってしまいカクカクシカジカしてカクカクシカジカがカクカクシカジカして、それでまあチョッピリ功徳なんかを・・・それで神さま、お聞きしたいのですが、こんなことぐらいではバチが当たったりはしませんよねえ?
そういうことか、何、最後に食べ物を買ってプレゼントするのを忘れていたというのか、おまえのやることはいつもながら中途半端だなあ
えっ、中途半端とおっしゃるのですか、それならどうしたらよかったとおっしゃるのですか?
あのなあGGIよ、中途半端な功徳はなんにも功徳を施さないよりもよっぽど質が悪い、中途半端な功徳は誰か他人に期待をいだかせるだけで結局は失望させるだけだからだ、そのことをお前は少しも分かってない!
じゃあ、どうしたらよかったのですか、神さま・・・
あのなあ、ジャンパーやズボンや食べ物を与えるだけではダメ、ほんとうに功徳を施すつもりならその人物を庵に連れ帰って、まず風呂に入らせて体をきれいに洗わせ、もちろん洗髪もささせて、それから上からまで、下着も、新しいものに着替えさせるんだ、それから温かい食事をたっぷり食べさせて、お酒も適度に飲ませて、ついでにせめて暖かい部屋で一泊ぐらいはさせやるんだ、そこまでして初めて功徳を施したと言えるのだ、わかったか!
そうですよねえ、そうでうよねえ・・・実はボクもそうじゃないかなあと思っていたんですよ・・・さすが神さまですねえ、見直しました
何を調子のいいことをいっておる、神さまに「見直した」などとは、何事だ、そこまでちゃんと功徳を施してはじめてまともな大きなバチが当たるというものなのだ、おまえが今日やったことなんてバチのうちには入らん、わかったか!
神さま、でも、おっしゃるようにちゃんとした功徳を施したら、どうして大きなバチがあたることになるのですか?
そんなことも分らんのか、自分がちゃんとした功徳をほどこしたと意識することほど思い上がったことはないのだ。思い上がりは大きなバチに値するのだ、あのなあGGIよ、よく聞きなさい、真の功徳と言うのは、自分では施した意識はまったくないけれど、結果的に功徳を施したことになってしまっていた場合のことを言うのだ。わかったか?
そうですよねえ、そうでうよねえ、さすが神さまですね。実はボクもそうじゃないかなあと思っていたのです、神さま、明晰なる説教をお聞きいたしましたので、今夜はGGI、ぐっすり寝むれそうです、ありがとうございました、神さま、おやすみなさい
さっさと寝なさい、私はまだ年越しの残業があるのだ・・・
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ
今日の写真は大晦日の三井寺金堂です。三井の晩鐘、鐘突き1回1000円也、甘酒タダ。鐘のほうは遠慮、タダ甘酒だけを二杯飲みました。よろしければクリックしてご覧くださり、功徳についてお考えくださいませ
グッドナイト・グッドラック!
適度に買い物を済ませてレジでおカネを支払っておりましたら、レジの向かいの台で一人のオッサンが何やらゴソゴソしております。最近ときおり目にするオジサンです。年のころはGGIぐらいか、あるいは70前後、やせて背がGGIよりは高く1メートル70センチ以上はありそう、髪は白髪まじりでボサボサ、口元も白髪まじりの無精ひげ、細面の頬はやせこけてくぼんでいます・・・
何が入っているのか紙袋を三つ、そして手にはお店で用意している荷造りや包装用に使う紙製の幅の広いガムテープ、そのガムテープをちぎっては着ている衣服にベタベタ貼りつけようとしています・・・
このオジサンの着ている服、ジャンパーもズボンもボロボロ、あちこちが裂けていたり破れていたり、ほころんでいたり・・・・この傷口を塞ごうとしきりにガムテープをあっちこっちに貼ろうとしてしているのです。でも、ゴワゴワした紙製のガムテープはなかなか服地になじまず、ちゃんと思うようには付着しません、とても苦労しているようです。足もとを見てみますと、靴ではなくゴム製のサンダルのようなもの・・・。まあ、言葉はよくないのですが、この人物、その様子はまるで全身ガムテープ男、はっきり申し上げてルンペン同然、紙袋をいくつも持っているからホームレスなのかもしれないなあ・・・
しきりにガムテープをちぎっては貼り付けて修復しようとしているこの人物の姿を目にして、店員さんは少し迷惑そうな表情を浮かべながらも知らん顔、他のお客さんもみんな、見て見ぬふりと言うのでせうか、われ関せず、近くに寄って来ないでよという表情・・・
GGIは、オッチャン、この寒いのにそんな恰好で大丈夫かいなあと少し気になって眺めていたのですが、買ったものをポリ袋に詰めているうちにこの人物どこかへ姿を消していました
次いでGGI、いつもの習慣で、最近店の隙っこにできた休憩コーナーへと向かいました。テーブルとイス、壁に沿って長いテーブル、それに小さな子供の遊び場など結構広いスペース、そこに備えられている自動販売機でコーヒーを飲むためです。
コインを投げ込んで待つこと数十秒、熱いコーヒーが入った紙コップを販売機から取り出そうとしましたらうしろの方で物音がしました。振りかえりましたら先ほど目にした人物でした。休憩コーナーの椅子に座ってテーブルにおいた紙袋を何やらゴソゴソしています。
GGI、しばらくこの人物の様子を眺めていましたが、この寒いのに大丈夫かなあと心配になって、ちょっと声をかけてみることにしました
オッチャン、どこから来たの?
すぐ近くや・・・
オジサン、そんな恰好で寒うないか、寒いやろ、大丈夫かあ、他に着るもの、ないんかあ?
するとオジサン、袋をゴソゴソして、もう一着ジャンパーを取り出して見せてくれました。でも、いま着ているジャンパーと大差なく見事にボロボロ
オッチャン、こんなの、アカンわ、あのなあ・・・
・・・・そんなこと言われても・・・
そのときGGIのオツムが突然閃きました。GGIは5年に一度はわれながら感心するぐらい閃くことがあるのです。そうや、わが庵の押入れにあんまり使っていないジャンパーがあったなあ、それにズボンもまだまだ使えるのがひとつやふたつどこかにあるはずや!
オッチャンン、そんなジャンパーあかん、あのなあオレ、すぐ近くに住んでいるのや、今から家に帰ってジャンパー、持ってきたる、それにそのズボンもあかんからズボンも持って来るから、待っとき。すぐ戻ってくるから、10分以内に必ず戻ってくるからそこで待っててや、どっかへ行ったらあかんでぇ!
このスーパーの玄関からわが庵の玄関までは220歩、片道1分は無理としても2分で十分、だから行き帰りに5分たらず、庵内家宅捜索に5分、計10分という計算です
GGIは右手に買い物に入ったポリ袋、左手にコーヒーがまだ熱いコーヒーが入っている紙コップ、急いで帰還、家宅捜索の結果すぐにジャンパーと裾丈が少し長すぎてあまり使っていないズボンを発見、ジャンパーとズボンを手にして急いでスーパーに戻りました。
外からガラス越しに休憩コーナーにほうに目をやりましたらオッサンの姿がみえません、あれっ!あれだけ言っておいたのにどっかへ行ってしまったのかなあ、と急いで店に入り休憩コーナーに向かいました。そうしましたら、外からは見えない一番隅っこの席で紙袋に両手をやり、独りぼんやりうつむいていました
オッチャン、ほら持ってきたぞ、ジャンパーとズボン!
ズボンまで持って来てくれはったんですかぁ・・・お世話かけます・・・
サイズがあうかどうか・・・まあ、オジサン、やせてるからこのズボン入るやろ、ちょっと着てみてよ
このオジサン、どうするのかとみておりました、いままで着ていたガムテープだらけのジャンパーとズボンは脱がないまま、その上にGGIが庵からもってきたジャンパーとズボンを身につけました
ああ、これで暖かくなった、これはええわ、これでバリッとした!ええ大晦日になった!ほんまにお世話かけます・・・
すこし着ぶくれの感はいたしますが、たしかに外見は、これでバリッとまではいかないまでも、なんとか恰好がついています。でも足もとがゴムのサンダルではなあ・・・
オジサン、足元、冷えるやろ、靴、持ってないの?
靴、もってるけど、遠くにいくときだけ履いていくのや・・・
なるほど、でも近くから来たと言うのに紙袋をいくつも抱えているのは解せません
そうかあ、でもなあ、こんな格好していて風邪ひいて肺炎にでもなったらエライことやで、オッチャン、住むところあるんかあ・・・
家、あることある・・・・(ほんとかなあ・・・どうもはっきりいたしませぬ)
GGIがあれこれ話しかけているうちに、この人物、すこしずつ口をきくようになりました
オッチャン、家、帰ったら暖房あるのかあ、どうしてるんや・・・
ないことはないけど、電気もガスも高いしなあ・・・ほとんど使わん
そんなら帰ったらどうしてるんや?この寒いのに・・・
思いっきり厚着して布団にもぐってる・・・
ところでオッチャン、あんなあ、生活保護いうのがあるの、知ってやろ?
生活保護かあ・・・そんなんがあることは知ってるけどなあ・・・
でももらってないやろ、生活保護もらったほうがええで、もらったほうが
生活保護、わかってるけどなあ・・・そやけどお役所へ行かなあかんやろ、役所へ行ったらいろいろ調べられたりうるさいこと言われたりするやろ、それが嫌なんや・・・
それは、むかしはいろいろウルサイこと言ったりしたけど、いまは以前よりはマシになってる、一回、市役所へ行き、行かなあかん。市役所どこにあるか知ってるやろ、皇子山の・・・電車賃ちょっといるけど・・・
知ってることは知ってる、行くなら自転車で行く・・・でもなあ、あいつら、生活保護申請ししようと思うても、できるだけもらえんようにしよるからなあ・・・
そやけど行かなあかん、市役所行って、誰かに生活保護はどこですかって聞いたら誰でも教えてくれる、市役所行ってゴチャゴチャうるさいこと言われたりしたら、オレがいっしょに行ったる、市役所、知っているヤツ、いくらでもいるから・・・
そうですかあ・・・それはありがたい・・・でもなあ・・・
何いうてんや、市役所、行きや、絶対いかなあかんでぇ・・・それにオジサン、年金どうなってるのや、今までどこかに勤めていたことあるやろ
年金、おたくはどのくらいもらってはる?
オレか、おれはちゃんとまともなところに勤めていてのは十数年に過ぎんから厚生年金は少ない、国民年金なんかしれてる、それでも年金あるのとないのとでは大違いや、オジサン、何年ぐらい働いていいたんや
二十数年は勤めていたかなあ・・・、でも年金って65歳からやろ?もらえるの。ボク、まだ65歳になっていないんですわ・・・
これは意外でありました、GGIよりかなり若いのです。
二十数年も働いていたら厚生年金、それならオレなんかよりずっとぎょうさんもらえる、年金貰ったらなんとか暮らしていけるはずや、65になっていないって、オジサンいくつなの、えっ、62歳なの・・・そうかあ・・・でもなあ、おじさんの年なら60歳からでももらえるはずと思うけどなあ
貰えるかもしれんけど早くからもらうと損するとか聞いてるけど・・・
そりゃあ、少しは損するかもしれんけどたいした差はない、そんなこと考えんと年金貰う手続きしたほうがええ、年金事務所行ったらいいえのや、年金事務所のある場所しってるか?
以前は職安の近くにあったように思うけどなあ・・・
ちがう、ちがう、今はNHKのちかく、石場の駅の近くにNHKあるやろ、NHKの斜め向かい、びわ湖の方にちょっと行ったところや、行ったら簡単に分る、あのなあ、生活保護のことで市役所行ったら、かならず年金はどうなっていますか、って聞かれるから・・・年金もらえるなら生活保護がアカンということなるかもしれん、そやから一度年金事務所にもいかなアカン・・・・
そうかあ・・・
オジサン、ところで今日この店で何買ったの?
豆腐が半額やったので買うた、それにパンと・・・
俺も半額の豆腐買うたけどなあ・・・でもそれだけ?なんか肉か魚なんかも買わんと
ギョーザも買うつもりや・・・
などなど、いろいろこのオジサンと話しをいたしました。この人物、果たして今後どうなることやら・・・・生活保護のことで果たして市役所に行くかどうか、かなりあやしいなあ・・・まあ、そのうちこのスーパーでまた出会うことがあるだろうから、そのときにまた、ということにしてGGIは庵に帰ってきました
帰り着いて、やれやれと夕飯を食してから一休みしておりましたら、あっ、しまった・・・この大晦日に、明日は新年というのに、豆腐とパンとギョーザだけではなあ、侘しいよなあ、侘し過ぎるようなあ・・・千円か二千円、何か食べ物買ってプレゼントするんやったなあ、ほんまにバカの知恵はあとからやなあ・・・と反省・・・
その後、知人の車で三井寺さんを午前零時ごろ表敬して帰宅したら午前1時過ぎ、そのあと久しぶり脳内超テレパシー電話を神さまにかけてみることにしました
もしもし神さまですか?お久しぶりです、あけましておめでとうございます、GGIでございます、今日はちょっとお話が・・・
GGIか、大晦日の仕事を持ちこして私はいま忙しのだ、いつものどうでもいい話ならゴメンだぞ、
分っております、神さま、あのですねえ、GGIは昨日の大みそか、実はちょっぴり功徳を施してしまったのですが・・・
なに、オマエが功徳!信じられんなあ、GGIよ、神さまをだましたりしたらバチがあたるぞ、それでいったいどんな功徳なんだ、言ってみなさい
神さま、あのですねえ、実は昨日の夕方、いつも行くスーパーで、ある人物と出あってしまいカクカクシカジカしてカクカクシカジカがカクカクシカジカして、それでまあチョッピリ功徳なんかを・・・それで神さま、お聞きしたいのですが、こんなことぐらいではバチが当たったりはしませんよねえ?
そういうことか、何、最後に食べ物を買ってプレゼントするのを忘れていたというのか、おまえのやることはいつもながら中途半端だなあ
えっ、中途半端とおっしゃるのですか、それならどうしたらよかったとおっしゃるのですか?
あのなあGGIよ、中途半端な功徳はなんにも功徳を施さないよりもよっぽど質が悪い、中途半端な功徳は誰か他人に期待をいだかせるだけで結局は失望させるだけだからだ、そのことをお前は少しも分かってない!
じゃあ、どうしたらよかったのですか、神さま・・・
あのなあ、ジャンパーやズボンや食べ物を与えるだけではダメ、ほんとうに功徳を施すつもりならその人物を庵に連れ帰って、まず風呂に入らせて体をきれいに洗わせ、もちろん洗髪もささせて、それから上からまで、下着も、新しいものに着替えさせるんだ、それから温かい食事をたっぷり食べさせて、お酒も適度に飲ませて、ついでにせめて暖かい部屋で一泊ぐらいはさせやるんだ、そこまでして初めて功徳を施したと言えるのだ、わかったか!
そうですよねえ、そうでうよねえ・・・実はボクもそうじゃないかなあと思っていたんですよ・・・さすが神さまですねえ、見直しました
何を調子のいいことをいっておる、神さまに「見直した」などとは、何事だ、そこまでちゃんと功徳を施してはじめてまともな大きなバチが当たるというものなのだ、おまえが今日やったことなんてバチのうちには入らん、わかったか!
神さま、でも、おっしゃるようにちゃんとした功徳を施したら、どうして大きなバチがあたることになるのですか?
そんなことも分らんのか、自分がちゃんとした功徳をほどこしたと意識することほど思い上がったことはないのだ。思い上がりは大きなバチに値するのだ、あのなあGGIよ、よく聞きなさい、真の功徳と言うのは、自分では施した意識はまったくないけれど、結果的に功徳を施したことになってしまっていた場合のことを言うのだ。わかったか?
そうですよねえ、そうでうよねえ、さすが神さまですね。実はボクもそうじゃないかなあと思っていたのです、神さま、明晰なる説教をお聞きいたしましたので、今夜はGGI、ぐっすり寝むれそうです、ありがとうございました、神さま、おやすみなさい
さっさと寝なさい、私はまだ年越しの残業があるのだ・・・
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ
今日の写真は大晦日の三井寺金堂です。三井の晩鐘、鐘突き1回1000円也、甘酒タダ。鐘のほうは遠慮、タダ甘酒だけを二杯飲みました。よろしければクリックしてご覧くださり、功徳についてお考えくださいませ
グッドナイト・グッドラック!