昨日の朝、と申しましてもお昼に近い今でありますが、庵の中からなんとなくわがサザーンガーデンに目をやりましたら、スズメ君たちが何羽も舞い降りておりていました
今日の写真はそのスズメ君たちを撮ったものです。今度は確かに写っております。三度目の正直です。写真中央やや下方に二羽、頭を枯草の間からのぞかせています。右下のほうにも一羽はっきり写っております、判然とはしませぬが、もっとたくさん写っているはずです。どうかクリックして、思いっきり大きくして、尽力のうえ、ご覧くださいませ
ようやくスズメ君たちの群れに遭遇することができましたので、いろいろ話を聞いてみることにしました
スズメ君たちよ、君たちヒトの気配をちょっと感じただけで、どうして一斉に飛び立って逃げていくのや?
誰かと思ったらGGIか、ボクたちに何かイチャモンつけるわけ?
いや、そういうわけやない、ほかの鳥は君たちみたいに素早く逃げたりしないから、何が訳があるんじゃないかと思ったのや
GGIはヒマですねえ、もっとマシなこと考えたらどうですか。でもせっかくのご質問ですので誠意をもって答えることにします、ボクたちがさっさといっせいに逃げることにしているのは、まあ最近の流行語で言えば、集団的自衛権の行使ということなのです
集団的自衛権だと?それ、どういう意味や
GGIはオツム悪いなあ、新聞読んでいればわかるはず。あのねえ、人間というのはこの地球でいちばん危険な生き物ということがGGIは分かってないんじゃない?人間がいなかったら、この地球は平和に満ち満ちた地上の楽園なのに、GGIなどアホな人間のおかげで台無し。このような危険な敵にたいしては一致団結して、集団的自衛権の下に、われわれの身を守らなければないのです
それはちょっと誇大妄想や、それなら他の鳥だってサッサと逃げてもおかしくないのに、君たちみたいにサッサと逃げたりはしないやないか、それでは答にならんぞ
じゃあ、ボクたちスズメが人間を見たらすぐに逃げ出すことにしている本当の理由をはっきりGGIに教えてあげます。その理由は、あの強欲なバアさんです
強欲なバアさん?いったい何のことや
GGIはモノを知らんなあ、あの悪魔のようなバアさんですよ、むかし強欲のバアさんありけり、善良なスズメの舌を切りけりというわけや
何や、舌切りスズメの話か、あんなもの作り話やないか
いや、作り話なんかではありません、あの話は史的事実に基づいたものです
史的事実やなんて、スズメのくせに偉そうな口きくなあ
あのバアさんに舌を切られてしまってからは、舌が短くなってしまったので、ボクたちスズメは「チュンチュン」としか鳴くことができなくなってしまったのです、舌を切られる前はもっともっと美声で鳴くことができたのです
へえ~、ほんとかあ?君たち、舌を切られる前はチュンチュなんかという鳴き声ではなかったというのか、これは初耳も初耳や、それならどんな声でそれまで鳴いていたのや?
そんな昔のことに答える必要はありません。とにかくです、あの「舌切り事件」がボクたちスズメにとって大きなトラウマになっているのです。ですから、舌切り事件以後、人間が近寄ってきたらサッサと逃げるというDNAがボクたちの遺伝子に深く入り込み今日に至っているのです。
ふ~ん、でもなあ、あの話では、最後は、君たちはあのオバアさんに復讐してことになっているやないか、それにオバアさん、最後はお爺さんに諭されているやないか、それでも君たちはオバアさんを許さないというわけか
いや許してはいるのですよ、ボクたちスズメは寛大です。だから私たちスズメは許す、しかし忘れない、切り取られた舌は戻ってこない、ボクたちはもはやチュンチュンなんていう情けない鳴き声しか発することができない・・・だから、危険きわまる生き物、人間との不可逆的な最終合意に達するということは現状では考えられません
でもなあ、そんなこと言うれど、親切な人間もいるのや、たとえばなあ、小林一茶さんという俳人はこんな句を残してはるんや
我れと来て遊べや親のない雀
この句の意味は「親のない子すずめよ、私も親のないさびしさは、おまえと同じだ。こっちへ来て、さあいっしょに遊ぼうじゃないか」という意味や。
GGIは何をアホなこと言っているのですか。この句は一茶さんと言う人の勝手な都合で作ったものですよ、何にもスズメの立場に配慮していません。
スズメの立場ってどういうことや?
あのねえ、まずおかしいのはスズメの立場から言えば人間と遊ばなくてはならない理由なんてどことにもありません。親のないスズメはゴマンといますが誰も人間と遊びたいなどと思ってはいません。それに、スズメのなかには親のないスズメのことを想って遊んでやるスズメはいくらでもいるのです。
ふ~ん、君はなかなか屁理屈こねるのが上手やなあ・・・
ヘリクツなんかではありません。それに、それに遊ぶとしてもいったい何をして遊ぶというのですか!麻雀でもするというのですか、冗談じゃないですよ、一茶さんというヒト、自分が寂しいものだからか、舌切スズメの話を忘れて、スズメに相手にてもらって自分が癒されたいだけじゃないですか
君はボロクソいうなあ・・・
いや悪口をいっているのではありません。でも、この一茶さんの句、自分の都合であることを隠して、自分はヒューマニズムあふれる人間であり、スズメにまで情をかけてやる心優しき人間であるということを言いたいに過ぎないのです、
そうかあ・・・じゃあ一茶さんの句に「雀の子そこのけそこにけお馬が通る」といのがあるけど、この句はどう思うのや
論外です、よけいなお世話ですよ!お馬さんは人間よりずっと賢いですから、ボクたちを踏んづけたりしませんよ。お馬さんのお目め見たらわかるでしょう、GGIの目ん玉なんかよりずっと澄み切った知的は目をしているのが・・・
スズメ君たちとの対話は終わりそうもありませんので、今日はこのへんで失礼させえていただきます
グッドナイト・グッドラック!