UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

氷雨降る冬の午後、ドイツ歌曲「冬の旅」を聴きに行くなんて慣れないことをしてしまった・・・

2016-02-22 02:38:53 | 日記

昨日の日記に、冷たい雨が降るなか、やんごとなき用事のために外出したと記しましたが、実はクラシック音楽などにはほとんど縁無き衆生であるGGI、湖都の郊外にある教会で行われた小さな音楽会に赴いたのでありました。

ドイツ歌曲(リート)「冬の旅」、これはヴィルヘルム・ミュラーの詩による連作歌曲集であり、全24曲をドイツの女性歌手が歌うのであります。ピアノの伴奏もドイツ人。GGIはドイツ歌曲なる高尚なるものにとりたてて関心があるわけではないのですが、若干の義理があったからであります、まあ表敬訪問というところであります

この音楽会の一週間ほど前、ドイツ語に堪能、クラシックにも強い某知人に、「ちょっとなあ、あの《冬の旅》、GGIは苦手なんですよ、カクカクシカジカで」と申しましたら、その知人曰く「あのねえ、このコンサート、全24曲を歌うとプログラムに書いてあるぞ!これはたいへん、ただ聞いているだけでもGGIには難行苦行まちがいなし、でも義理があるのだから行かないといけません」・・・

 まったくアッチャ―であります、かようなしだいでGGI、「途中」までしか行かないという言うヘンなバスに見切りをつけ、雨に降られながら、かのヴォーリズ氏の手になる、音楽界の会場である古い教会へと向かいました。

 教会につきましたら義理の相手である某牧師がのたまいました。「GGIさん、いいところへ来ました、受付をやってください、予約制ですから、誰か来たら予約者の一覧表と照らし合わせて名前をちゃんと確認してから入場料一金2500円なりを間違いなく確保すること。次いで、全曲の歌詞が書かれているプログラムを手渡し、ここにズラリと並べてある7種類のCDを一枚でも多くみなさんに売りつけてること、CDは休憩時間と終了後にしっかし売ってください。CDは一枚3000円、取りはぐれないようにすること。CDの売り上げは全部出演者に渡します。一部はシリア難民のために寄付するそうですからせっせと売りつけるように!」

GGIはこのようなおカネなる面妖なるものを扱う仕事は大の苦手であります。ドイツ語堪能の知人に手つだってもらったのですが、この知人もこの類の作業はまったく苦手、というわけでいささか混乱気味でありましたが、なんとか任務を果たしたことにたいしました、おカネの計算、少々合わなかったみたいだけれど、まあいいか・・・

聴衆は狭い会堂にぎっしり、約60人、GGI、この雨の降りしきる寒い午後、よくこんなに集まったものだと感心いたしました、しかも、いらっしゃったみなさんの平均年齢、かなり高いようでありました

コンサートの感想?GGIは感想を述べるようなキョーヨーは持ち合わせておりませんので、まあ結構であったと申しあげておきませう・・・・

ただ、アイリカ・クリカシャ-ルとおっしゃる、体格のよいこの女性の歌姫、声量タップリ、受け取ったおカネのお守り役をしておりましたGGI、礼拝室の外の応接間で聞いていたのですが、それでも礼拝堂と応接間を仕切っているガラスの窓越しにビンビン声が響いてまいりました。感心しましたのは、歌っているときの姿勢がとても良いことでありました。それに近ごろのタレント的の歌い手さんとは異なり、大げさな身振り手振をしたり、大げさな表情をすることは一切なく、淡々と歌い継いでいく様子はとてもグッドでありました。

今日の写真は「冬の旅」を独唱するドイツの歌姫を撮ったものです。いつもながらピンボケでありますがよろしければクリックしてご覧くださいませ。

この「冬の旅」、そのなか一曲「菩提樹」は日本でも良く知られており、みなさんの中にも学校で習ったことがあるとおっしゃる方も少なくないでありませう。でも他の曲となると、GGIと同様、ほとんど知らないよとおっしゃる方もおられることでありませう

GGI、ほとんどの曲を知らないのに、最初にあの「冬の旅」は苦手である云々と書きましたのには若干の訳があるのでございます。

実は半世紀ほど前に亡くなりましたGGIのファザー、生前こよなく「冬の旅」を愛しており、座敷などでひとりでよく歌っていたのです。当然ながら、わがファザーの声がまだガキでありましたGGIの耳に届くのであります。今でも耳にするとすぐに「あっ、冬の旅」だと思いだしてしまうのは最初の曲です。

「おやすみ」(Gute Nacht)と題された曲です。何とも物悲しい、ウツウツとするような曲でありました(当時ガキであったGGIはそう感じたのでありました)。ですから、わがファザーが歌っているのを耳にいたしますと、ガキンチョGGIはそのたびに「あんな暗いだけの歌、どこがいいんだ・・・それを繰り返し歌ったして、気が知れんなあ・・・」と思ったものでありました。それ以来、「冬の旅」に由来する若干のトラウマがGGIの心のうちに生じたのでありました。

この「おやすみ」の歌詞の冒頭部分は、会場で配れらた資料に記されていた日本語訳によれあば次のようなものであります

僕はよそ者としてやって来て
またよそ者とし去っていく
五月はたくさん花束で
僕をもてなしてくれたものだった
あの子は愛していると言ってくれたし
母親が結婚話まで持ちだした
今ではあたりは物悲しく
道は雪で覆われてしまっている・・・

要するにであります、GGIは恥ずかしながら今まで知らなかったのでありますが、「冬の旅」というのは別れてしまった女性のことを歌ったものなのであります。道理で物悲しくて暗いはずであります

ドイツ語堪能の某知人、二階の席で聴いていたのですが、コンサートが終わってからGGIに申しました

「あのねえ、GGIよ、《冬の旅》は別れてしまった女性のことを想う男性の気持ちをうたったもの,だからふつうは男性の歌い手が歌うものなのです。ところが今日は女性が歌っていたのでしょう。だからこの歌姫の声に耳を傾けているうちに、なんだか別れてしまった女性、その女性がこの歌を歌っているような気がしてきて、若干鬼気迫るというか、こわ~いというか・・・」

知人の言葉を聞きまして、まことに音楽の感じ方は人様々であることよなあとGGIは感じいったのでありました・・・GGIなんか、曲の合間、みなさんが静かに次の曲をまっているあいだに窓の外から響いてくる雨音も悪くないなあ、などと思ったしていたのでありました。

グッドナイト・グッドラック!

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