透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

雨の休日に読む「池辺の棲家」 

2007-10-08 | A 読書日記



 ブログの背景を秋色に替えてみました。写真のマットとしては無彩色、グレーの方が好ましいと思いますが、ま、いいでしょう。お気に入りに登録してときどきお邪魔しているブログのいくつかが、テンプレートを最近替えているのを見て、私も替えよう、と思いました。

さて、今回は加藤幸子(ゆきこ)さん。カバーの折り返しに載っているプロフィールによると、1936年、札幌生まれ。83年には「夢の壁」で芥川賞受賞、91年「尾崎翠の感覚世界」で芸術選奨文部大臣賞、02年には「長江」で毎日芸術賞を受賞している、とのことですがこの作家の作品を読むのは初めてです。

桜庭一樹さんのコピー「女の人生の黄昏は、かくも色あざやかに静ひつであるのか。」 これで手にしました。この作家、名前から男性と思ってしまいますが、若い女性ですよね。週刊ブックレビューにもゲスト出演したことがあります。私の興味からは、かなり離れた世界を描いている方で、全く読んだことがありません。

加藤幸子さん、衒いのない静かな文章を書く方です。今日は体育の日、でも雨模様。予定していた屋外作業もウォーキングもできません。こんな日は読書に限ります。今日こそどこか落ち着くところで、ゆっくり『池辺の棲家』を読みたいと思います。

今日はこの小説を読むのに相応しい雨の休日です。


 


「フラガール」

2007-10-07 | E 週末には映画を観よう

■ 映画館で観たかった「フラガール」。が、叶わなかった。昨晩テレビで観た。ストーリー: http://www.hula-girl.jp/story.html

炭鉱の町の人達は松雪泰子演ずるフラダンスの先生、平山まどかに冷たい。先生は娘達の指導を途中で投げ出して町を去ろうとする。娘達が駅まで先生を追いかけてくる。フラダンスの手の動きは手話と同様に意味があるそうだが、電車の中の先生に向かって隣りのホームから蒼井優が必死に手を動かし訴える・・・。

この映画には感動シーンがいくつもあったが、目頭があつくなったのは、このシーンだった。先生が東京に帰ってしまう・・・、蒼井優の悲しそうな表情。

プロのダンサーとして舞台に立つという目標に向かってひたむきに努力する娘達。生きることの大切な姿勢をフラガール達が示してくれた、黒澤明の映画「生きる」の志村喬と同様に。


 


「前方後円」?

2007-10-06 | A 読書日記

   

 『ねじれた伊勢神宮』宮崎興二/祥伝社文庫については既に書いたかも知れない。「かたち」が支配する日本史の謎 というサブタイトルで分かるように「かたち」には意味があるという視点から日本の遺構のさまざまな謎に挑むという試みをまとめたもの。

この本には前方後円墳が取り上げられている。そう、中学で習う前が□、後ろが○という意味の古墳。この名前が初めて現れるのは江戸時代、蒲生君平の「山陵志」ということだが、歴史に疎い私はこの書を知らない。

松本清張がこの「前方後円」という捉え方に疑問を呈し、前後ではなく左右に並んでいるのだという説を唱えたということも紹介されている。

以前この本を読んだとき、「前方後円」と判断する根拠も知ることなくただそのように憶えたことを思い出し、清張の「定説」を疑う探究心に感心させられた。

そのときから清張説を読んでみたいと思っていたが、今日書店で見つけた。

『遊古疑考』河出文庫。松本清張はこの文庫の「前方後円」墳の謎と題する章で自説を展開している。明日、読みたい。

さて「フラガール」!


そのカードでは・・・

2007-10-05 | A あれこれ



 先日のこと。

コンビニでカードリーダーにスイカをかざしてしまいました。これには店員さんもびっくり。

「あの・・・、そのカードでは・・・」

そう指摘されてもしばらく気が付きませんでした。

老人力自慢ではありません。この頃少し「お疲れモード」


 


「センセイの鞄」

2007-10-03 | A 読書日記



 川上弘美の『センセイの鞄』が新潮文庫に収録されました。文春文庫には既に3年前に収められています。どちらも上品な装丁。解説者が違います。文春文庫の木田 元さんはセンセイのモデルでは?と噂になったとか・・・。二人の対談を雑誌で読んだ?、という曖昧な記憶があります。

私は単行本(平凡社)で読んで文春文庫で再読しましたが、新潮文庫ファンとしてはどうしようかなと迷うところ。 また読みたくなったらそのときは新潮文庫を購入することにします。

『パレード』も文庫(新潮文庫)になりました。単行本(平凡社)には絵本のような雰囲気が漂っています。センセイとツキコさんのもうひとつの物語。こちらは文庫本も迷うことなく購入する予定です。

この作家の本は新潮社、講談社はもちろん、岩波書店(「なんとなくな日々」)、日本経済新聞社(「此処彼処」)、中央公論新社(「光ってみえるもの、あれは」)、平凡社などあちこちの出版社から出ています。

特定の出版社に限定している作家もいます。人気作家だからいろんな出版社から依頼があるんでしょうか。その辺の事情を知りたいと思うのですが・・・。


目撃者

2007-10-02 | A あれこれ



 先日出かけた横須賀美術館の写真。人が写っていますがこれだけ小さいと特定することはできません。ところが・・・。



松本清張の小説、タイトルも詳しい内容も忘れました。

不倫関係にある男女が週末旅行に出かけます。どこかの温泉だったように思います。二人が泊まった旅館が火事になります。宿泊客は屋外に避難して燃え盛る旅館を呆然と見ています。その様子がテレビ中継されるのです。偶然画面に映し出される二人。その映像を「ある人」が偶々目にしたのです・・・。

秘密旅行のはずがテレビで流れてしまう・・・。いかにも清張らしい展開です。

ブログにもよく写真が載りますが、これと同様のことが起こる可能性があります。上の写真で点景の人がもっと大写しになっていて、カップルが特定できたとしたら・・・。

ホテルのロビーなどで撮った写真をアップしてはいけません・・・。