■ 仮に建築を「人体を取り囲む環境を秩序づける装置」とでも定義すれば日傘も衣服もその範疇に含まれることになる。
具体例を書く。登山をしてテントを張ってシュラフの中で寝るということを考えてみる。テントは雨風を防ぐ機能は備えているが、断熱性能は備えていない。で、シュラフに断熱性能を分担させていると捉えることができる。この場合テントはもちろんシュラフも建築というわけだ。
雨漏りする部屋で傘を差しているというマンガの図、この場合傘は建築の基本である雨を防ぐという機能を補っている。
寒い季節に室内で厚着をする。これもシュラフと同様に建築の断熱性能を補うという行為とみなすことができる。 先の定義に拠れば衣服も建築なのだ!?。
だが衣服を建築と捉えることには違和感がある。ということは先の定義は建築の概念を広げすぎているということなのだろう。
建築は「空間」を秩序づける装置とでも定義すべきであろう。この場合には人体の「近傍の環境」を秩序づける衣服は建築からは除外されることになる。ではパラソルは? これは建築とみなして差し支えないだろう。パラソルは名前の通り直射日光を遮り、空間を秩序づけるという建築の定義に合致しているのだから・・・。最もプリミティブな建築といえるだろう。
この稿つづく・・・。