透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ブックレビュー 2021.02

2021-03-01 | A ブックレビュー



 春、3月が始まった。2月の読了本は8冊。

『生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像』武村政春(講談社ブルーバックス2017年)
『巨大ウイルスと第4のドメイン 生命進化論のパラダイムシフト』武村政春(講談社ブルーバックス2015年) 
細胞というミクロな世界の驚きの出来事。今年はウイルス関連本を読みたい。問題はなかなか細胞用語が覚えられないこと。


『コミュニティと都市の未来7 新しい共生の作法』吉原直樹(ちくま新書2019年)
難しくて理解できなかった。途中から字面だけを追っただけ。読了本とは言えない。ただ、第二章「都市をどうみるか 漱石・鴎外・須賀敦子の視座」の「鴎外の「上からの視点」」、「漱石の「内からの視点」」はよく理解できないながらもおもしろい論考だと思った。

タイトルだけ見て面白そうと思って買い求めたが、やはり目次を確認することと、内容を少し読んでみることは必要だ。


『東京裏返し 社会学的街歩きガイド』吉見俊哉(集英社新書2020年)
著者の吉見さんがラジオ深夜便でこの本のことについて語っているのを聞いて、買い求めた。**「成長」の時代から「成熟」の時代への歴史の大転換**(24頁)の状況下における都市再生論。実現出来そうな具体的提言まで示されていて、興味深く読んだ。


『脳は、なぜあなたをだますのか 知覚心理学入門』妹尾武治(ちくま新書2016年)
付箋の枚数が一番多い。鳩がピカソとモネの絵を見分ける実験、人は自分の顔を実際より良く記憶していることを示す実験、空腹時と食事直後で判断が変わることを示す実験、「お好きなだけ」「4個まで」「12個まで」 条件によって変わる売り上げ・・・。
「へ~、そうなのか」ビックリな実験、おもしろい実験。
アンカリング効果 注意資源 二重課題


『濹東綺譚』永井荷風(岩波文庫1991年改版41刷)
起伏に富んだ今の小説を読み慣れてしまうと、物足りなく感じてしまうと思う。昭和、それも戦前の男女の情交が静かに描かれている。


「『2001年宇宙の旅』講義」巽 孝之(平凡社新書2001年!)
実にマニアなSF講義。


『箱男』安部公房(新潮文庫1982年)
昨年5月に文庫本の大半を処分した。その時残したのが夏目漱石と北 杜夫、そして安部公房だった。他の作家を読みたくなったらまた買い求めればよい、と割り切った。**ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは?**カバー裏面の紹介文より


弥生、3月。今月はどんな本と出合うだろう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。