透明タペストリー

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「2001年 宇宙の旅」を観た

2019-06-11 | E 週末には映画を観よう

 「2001年 宇宙の旅」は1968年に制作されたSF映画。この映画はテレビでも放送された。この映画をいつ、どこで初めて観たのか、記憶にない。だが、1978年(昭和53年)に映画館で再上映されたということだから、その年に映画館で観ていると思われる。この映画をDVDで8日(土)の早朝観た。

映像が美しい。どのシーンも構図がバッチリ決まっているし、とにかく美しい。モノリスの出現をきっかけに猿人が骨を道具(武器)として使い始め、ある時その骨を空中に放り投げると、次の瞬間骨が軍事衛星に変わるシーン(*)。宇宙ステーションの回転に合わせて回転しながら近づく宇宙船。月面上をまっすぐ飛行する小型宇宙船を遠方から捉えた無音のシーン。惑星直列、そこにモノリスが浮かぶシーン。終盤に出てくるボーマン船長が時空を超絶スピードで旅するシーン。

*人類の400万年の進化の過程をこの一瞬で表現している。

この映画については解釈が一通りに定まらない。私は人類の進化に関与しているモノリスによって、人類よりはるかに進化している知的生命体、いや創造主・神の存在を暗示していると思う。ちなみに今読んでいる『3001年 終局への旅』に次のような件がある。
**このモノリスこそ、あとにつづく無数の神々のさきがけであったのだ。**(75頁、下線は私が引いた)**四百万年まえ、モノリスがアフリカに現れたとき、われわれ人類の祖先に何かが起こったというのは、こんにちでは定説だ。ここは前歴史時代のターニング・ポイントだよ。はじめて道具が現れた――武器が現れた――宗教が現れた・・・これが偶然の一致のわけがない。モノリスがわれわれに何かをしたのだ。**(182頁)

この映画終盤の展開の解釈を助ける次のような件もある。**ボーマンはどうやらビッグ・ブラザーに呑みこまれたが、彼の人格らしいものは生き残ったようだ。**(183頁)ビッグ・ブラザーはモノリスのことだ。

映画終盤の美しい映像シーンは未来へ未来へと時空が流れて行き、それがいつの間にか太古の世界につながって行く。このシーンには仏教の輪廻思想に通じるという指摘があると記憶しているが、私もそのように解釈できると思う。



『3001年 終局への旅』を読み終えたら『失われた宇宙の旅 2001』アーサー・C・クラーク/ハヤカワ文庫を再読しよう。『2001年 宇宙の旅』の映画化のエピソードが綴られている。




 


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