透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

中秋の名月

2020-10-01 | A 読書日記

 今宵は中秋の名月。東の山の端から大きな月が昇る様を見ていた。



今読んでいる『巨人たちの星』ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)に次のような件(くだり)がある。少し長くなるが、この三部作のポイントのひとつの説明だし、月が出てくるから引用する。

**「われわれ地球人は、きみたちの文明が今からおよそ二千五百万年前までミネルヴァで栄えていたことを知っている。きみたちの祖先は多種多様な地球生物をミネルヴァに運んだ。遺伝子操作によって環境改造を図るためだったとわれわれは理解している。これに失敗して、きみたちの祖先は惑星ミネルヴァを捨ててジャイスターに移住した。後に残された地球動物から進化したのがルナリアンだ。ルナリアンは五万年前、惑星戦争でミネルヴァを破壊し、自分たちも滅び去った。ミネルバの衛星であった月は、太陽に引き寄せられる途中で地球に捕獲されたのだが、その時、月面に取り残されていたルナリアンの生存者が地球に渡った。このルナリアンの子孫が現在のわれわれ地球人だ。(後略)**(132、3頁)

破壊された惑星ミネルヴァはどうなったのか・・・。これについてはプロローグに出ている。

**惑星を形作っていた物質の大部分は太陽系辺境の楕円軌道に投げ出されて冥王星となり、残りの破片は木星の潮汐効果によって拡散し、小惑星帯を形成した。**(7頁)

このSFでは月が地球に捕獲されたとする説が採られ、上掲した件にその記述にあるが、この「捕獲説」については先日読んだ『月はすごい』佐伯和の人(中公新書)に出ている。他人説とも言われるこの説の他に「兄弟説」「ジャイアントインパクト説」「親子説」の説明がある。

捕獲説については**地球が月をうまく重力で捕獲することはかなり難しいようだ。重力が小さいと月は少し軌道を曲げられるだけで通りすぎてしまうし、重力が強いといったん捕まえてもそのうち月は地球に落下してしまう。**(38頁)

地球の衛星が月ひとつでよかったと思う。仮にふたつあれば、名月を愛でる習慣はどうなっていただろう。

月見そばには玉子がふたつか・・・。


 


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