透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

牛鼻(うしばな)に棲む鶴と亀

2012-03-13 | F 建築に棲む生き物たち


棲息地:松本市里山辺の蔵  観察日 120311

 「藤森照信展 諏訪の記憶とフジモリ建築」のカタログに収録されている「路上観察学会 座談会in茅野」で、藤森さんはこの部分には名前はないとした上で、「蔵ワッペン」みたいなものだと発言しているが、この部分には牛鼻という名前がついている。 

日本の建築文化の凄いところは事細かに名前がついていることだ。従ってこれだけの飾りに名前がついていないということなど、まずあり得ない。彰国社の「建築大辞典」にも確かこの名前は載っていたと思う。この辞典は手元にないので、今確認することはできないが。

この牛鼻には家紋や水、寿という文字を鏝絵でつくることが多いが、この写真のような縁起のいい生きものも少なくない。 


 
山形村にて


256 なぜ火の見櫓の仕様が違うのか

2012-03-13 | A 火の見櫓っておもしろい

 
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 松本市寿北、牛伏川(ごふくがわ)の両岸に立っている2基の火の見櫓。両者は500mと離れてはいない。上は火の見櫓というよりも火の見梯子とでもいった方がいいような簡便なもの。吊るされている半鐘を見れば、電柱や火の見櫓が傾いていることが分かる。

上瀬黒公民館の北隣に立っている火の見櫓は背が高い。周囲の様子やブレースが4段入っていることからもそのことが分かる。横架材間を2mとみると、この火の見櫓の高さはざっと12m。

このように2基の火の見櫓の様子というか仕様に違いが出るのはなぜだろう・・・。

機能の差に因るのかもしれない。梯子状の簡便な火の見櫓は、単に火災の発生や鎮火をそれ程広くない範囲の住民に知らせるためのものであり、背の高い火の見櫓は見張り台から火災の状況を把握し続けるためのものでもある、ということではないかと思われる。より広い範囲の住民に火災を知らせるためでもあるだろう。

このようにもっともらしく推測してはみたが、本当のところはどうなんだろう・・・。


 メモ 上瀬黒公民館の北隣の火の見櫓は既に紹介している。過去ログ