香川県宇多津町 久保食品の久保隆則です。
◎「凝固剤のこと」
現在よく使用されている豆腐用凝固剤は、硫酸カルシウム・塩化マグネシウム・
グルコノデルタラクトン・粗製海水塩化マグネシウム・乳化にがり があります。
粗製海水塩化マグネシウムとは、「天然にがり、海水にがり」のことです。
塩作りの方法は、天日干しで作る天日塩・釜炊き塩・イオン交換透析法があり、
その副産物としてにがりが得られます。私共が使用しているのは「天日塩」の
にがりで、海水には60種類以上のミネラルがバランスよく残っていますので、
現代病であるミネラル欠乏症の一助にもなります。
乳化にがりとは「にがり」を乳化剤でコーティングしたもので、合成添加物です。
技術がなくても「にがり豆腐」が簡単に早く作れることで大手メーカー中心に
導入していますが、グリセリン脂肪酸エステルや原料のわからない植物油脂が
添加された乳化にがりを使用し、それが消泡剤無添加の「にがり豆腐」として
販売されるのには違和感を感じます。今後、乳化にがりを使用した製品がさら
に増えると思いますが、消費者に分かるような表示義務が必要と考えます。
◎「消泡剤のこと」
現在一般的な豆腐の製造に使用されている消泡剤は、高酸化油系消泡剤・
グリセリン脂肪酸エステル・シリコーン樹脂系消泡剤 があります。
消泡剤がなかった時代の豆腐屋さんは、大豆サポニンの作用で煮沸中に出る泡を
「どう抑えるか」が最大の課題でした。そのため各々が創意工夫をしていましたが、
瞬時に泡を消してくれる便利な消泡剤の出現で広く使用されるようになりました。
消泡剤の開発で大量生産がはじまり、どこで買っても無機質な味の豆腐が全国で
出回りはじめたのもこの頃です。
私共では30年位前から消泡剤の代わりに「米糠」で泡を抑えながら、ゆっくりと
時間をかけて炊き上げる方法を取っています。また、煮沸後の泡はすくいとる
ことを続けています。この方法をやり始めた頃は、炊いている釜から吹きこぼれたり、
泡が飛んできて火傷をしたりと大変でしたが、完成して出来上がった豆腐に美味しさ
があったので救われました。抑泡に米糠を使用することは先人の知恵として昔の文献
にも出ており、私はそれを再現したまででして、納豆にごはん、きなこにごはんが
合うように、米と大豆は栄養的にもお互いが補い合って味の向上にもなる。正に
一石二鳥を先人から学び、受け継いできました。
近代化は結構なことですが、味づくりにおいて何か大切な事を置き忘れたように思います。
◎「凝固剤のこと」
現在よく使用されている豆腐用凝固剤は、硫酸カルシウム・塩化マグネシウム・
グルコノデルタラクトン・粗製海水塩化マグネシウム・乳化にがり があります。
粗製海水塩化マグネシウムとは、「天然にがり、海水にがり」のことです。
塩作りの方法は、天日干しで作る天日塩・釜炊き塩・イオン交換透析法があり、
その副産物としてにがりが得られます。私共が使用しているのは「天日塩」の
にがりで、海水には60種類以上のミネラルがバランスよく残っていますので、
現代病であるミネラル欠乏症の一助にもなります。
乳化にがりとは「にがり」を乳化剤でコーティングしたもので、合成添加物です。
技術がなくても「にがり豆腐」が簡単に早く作れることで大手メーカー中心に
導入していますが、グリセリン脂肪酸エステルや原料のわからない植物油脂が
添加された乳化にがりを使用し、それが消泡剤無添加の「にがり豆腐」として
販売されるのには違和感を感じます。今後、乳化にがりを使用した製品がさら
に増えると思いますが、消費者に分かるような表示義務が必要と考えます。
◎「消泡剤のこと」
現在一般的な豆腐の製造に使用されている消泡剤は、高酸化油系消泡剤・
グリセリン脂肪酸エステル・シリコーン樹脂系消泡剤 があります。
消泡剤がなかった時代の豆腐屋さんは、大豆サポニンの作用で煮沸中に出る泡を
「どう抑えるか」が最大の課題でした。そのため各々が創意工夫をしていましたが、
瞬時に泡を消してくれる便利な消泡剤の出現で広く使用されるようになりました。
消泡剤の開発で大量生産がはじまり、どこで買っても無機質な味の豆腐が全国で
出回りはじめたのもこの頃です。
私共では30年位前から消泡剤の代わりに「米糠」で泡を抑えながら、ゆっくりと
時間をかけて炊き上げる方法を取っています。また、煮沸後の泡はすくいとる
ことを続けています。この方法をやり始めた頃は、炊いている釜から吹きこぼれたり、
泡が飛んできて火傷をしたりと大変でしたが、完成して出来上がった豆腐に美味しさ
があったので救われました。抑泡に米糠を使用することは先人の知恵として昔の文献
にも出ており、私はそれを再現したまででして、納豆にごはん、きなこにごはんが
合うように、米と大豆は栄養的にもお互いが補い合って味の向上にもなる。正に
一石二鳥を先人から学び、受け継いできました。
近代化は結構なことですが、味づくりにおいて何か大切な事を置き忘れたように思います。
※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知らせ』2018年12月号より転載しました。