病室日記～中日

３／１７　（木曜日）　　深 夜 　 ～～～
遠くの病室から、なにやら　「　うおーっ！　 ウオ～ 　」　と低い叫び声が流れている。
ヒゲは、夜糞を終えて、再びうつらうつらと。

朝早くから、ＰＣ持ってナースがやって来る。
「　お名前は？　」　に答えさせて、手首の認識票のバーコードをピッする。
１２年前とは、病院のシステムが様変わり。
両足の甲の脈打つ所（？）に、黒マジックで大きく　『　×　』　印を。
まるで、八丈島還りの渡世人に成ったみたいだ。　笑
お次は脱がされ、Ｔ字帯なる物を付けさせられる。
田園で、男の還暦祝いに付けさせられる赤いフンドシの、白い奴か？
ヒゲが、祝いでは付けて無いのをいい事に、わざわざ病院でセレモニーするとは！

朝一の検査、バタバタと運ばれる。
天井の照明がクルクル回ると、ドラマのワンシーンみたいだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

検査室に入ると、此処でもＩＤのチェック。
やがてドクターが左手首に麻酔を。
更に、手首を何かで固定されている様だ。　右手も直ぐに点滴を。
もう昔の実験の、解剖前の両手を拡がされたカエルの心境だ。　
ドウニデモしてくれと、目を閉じる。　
左手首の動脈に、グキッと差し込まれる。　　イテッ！
そして、釣り糸みたいなのが、血管を駆け巡る？
時折ＣＴに入って造影剤が流れて、体や頭が熱くなる。
Ｄｒ.達が、いろいろ検討している声が聞こえてくる、ちょっと不安になる。
やがて終え、左手首に圧バンドみたいなのが、動脈の差し込み点に巻き付けられる。
「　片山さん!　」　の声で目を開けると、毛井先生が　・・・１２年前の、ヒゲの執刀医の先生だ。
思わず微笑んでしまった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
病室に戻ると、点滴やらで動けない。
今までは、ベッドの両脇から四人ががりで　「　せーの、ホイ　」　と移動していたが。
今度は、何か　『　下敷き　』　のデカいので、体の下から掬い取られる様だ。
先程が、鯉為らぬカエルなら、今度は夜店の金魚すくいの金魚か？
其れからしばらく時間が流れ、毛井先生から検査結果の報告。
難しい画像判断で、人工血管の接合部辺りから血が漏れて、そこが瘤に成って声帯の神経を
切っている様だ。
来月手術で、ステントでソコを補強してどうか？と云う事に。　怖い話しになった。

アット云う間に夕食の時間。　
豚のアチャラ煮と汁もの。　ノッペ汁と極小のだごの組み合わせで面白い。
市内の郷土料理店でも、器を工夫すれば使える献立だ。
トイメンの兄ちゃんは、今夜も絶食みたい。　こちらで食べてるのが気の毒だ。

ヒゲの相棒が、なかなか人気ものだ！
ドクターやナースが、「　これって？　あれですか？　」　クルクル指を回す。
アイパッドの事だ。　熊本では、まだ珍しい様で　・・・


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