砂上の楼閣～再建へ

１／２３　（金曜日）　
血糖値の検査とやらで、耳たぶをホッチキスみたいにガチャンとヤられる。
ここまでは、まあ辛抱出来るが、その後指で血を絞り出す作業は苦手だ。
結果は、１００チョイぐらいだから良しとしよう。
内のバァさん（母親）なんて、４００と云う天文学的数値だったから。（笑）

さて、明日は退院予定日。
大腸ポリープ切除による下血さえ無ければ、我が家に戻れる。
ヒゲも随分な回数の入院を繰り返してきた。
今までの辛い入院生活での楽しみは、ほんのささいな事だった。
早くこのベッドを抜け出して、我が家に還り、ペットの猫に逢いたいナと。
老猫になってからは、飛び起きて玄関までお迎えはなかったけど。
しかし、明日、ドアを開けても、もう猫トンは居ないのだ。
息が少し苦しくなる。
　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　≪　カァちゃんが留守した時、玄関の方を見つめ待っていたトン　≫

１／２４　（土曜日）　１１時５０分。
退院の段取りも、さすがにカァちゃんは慣れたモノです。
ヒゲを車椅子に乗せて部屋を出ます。
土曜日の病院は、患者さんも少ない。
デイルームでは、おじさん達が集っておしゃべり。

我が家の玄関まで数分。　ドアを開けて歩み始める。
左足は、残念ながら引きずり状態まで劣化している。
腹筋も、長い期間の咳き込みで、こわったみたいになっている。
体力もほとんど尽きかけています。
無理もない。
一ヶ月に渡る鬼門で、今までのリハビリの財産は霧散してしまっている。
引き潮に積み上げた砂浜のお城は、満ち潮により無残に跡形もなく　・・・　。
明日からは、また一歩づつリハビリで積み上げて行くさ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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