田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

マッチ物語②

2019-09-25 21:45:35 | ヒゲの毒舌
さて、 “ 赤ぐろいマッチ ” を使っていたヒゲ少年。
やがて、熊本市にも、宣伝用マッチを出す店が現れました。
表面はツヤツヤして、おしゃれなデザインです。
      「 すっげえ~!  」
田舎町熊本の小学生にも、街の発展ぶりが実感された瞬間でした。


それから後は、見向きもされなくなった日の丸マッチです。
しかし、年に一度だけ主役として、登場する日がありました。
                  
進駐軍さまの手で、日本人の頭にDDTの粉が振り掛けられてから暫く経った頃。
その時代は、あちこちに共同便所が在りました。
ヒゲが暮らしていた熊本市鷹匠町(元・田園ビル在の旧町名)の飲み屋横丁にも、
ありました。
時折、バキュームカーなるモノが来て、便所から排せつ物を汲み取って行きます。
            
ヒゲ達の排せつ物は、農家の肥溜め(こえだめ)に移され、発酵させます。
発酵させた肥やしを畑に撒いて、肥料にするんです。
なんて、地球に優しいリサイクル生活!
              

世界各国がこんな日常生活を送っていたなら、いたいけな少女が国連で怒りのスピーチを
することもなかったでしょうけど。
食べた後の排せつ物を、肥やしにして畑に還し、その畑の収穫物を再び頂く。
理想的な日本の暮らし方ですが、ひとつだけリスクがありました。
寄生虫です。
          
生で野菜を食べる習慣がある日本人には、止むを得ないことでした。
今、寄生虫というと、生サバの生食によるアニサキスぐらいでしょう。
その頃はと云えば、サナダ虫を親分に、ギョウ虫・カイ虫・・・と、正に百花繚乱!?(笑)
そんな恐ろしい多士済々な害虫を、早期に発見して駆除する為に、
検便制度(?)があったのでした。

で、便の提出が求められます。
排せつした便をマッチ棒ですくい、マッチ箱に入れます。
名前を書いた紙を箱に貼り付けて、学校に持って行くのでした。
ところが、流行(はやり)の宣伝用マッチは、 “アメリカーナ辞典” みたいな薄型です。
ウンチを入れるには、浅過ぎてどうしようもありません。

一方、昔からの赤ぐろマッチは、 “ 広辞苑 ” を思わせるようなボディーです。
つまり、容積がタップリ。
                 
ひとすくいしたウンチを、スッポリ収納するのに充分です。 (笑)
こうして、日の丸マッチ箱は、学校の検便日にはモテモテの人気者になったので御座いました。 

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コメント (2)
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