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田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

未知への好奇心

2013-11-11 15:09:22 | ヒゲの盤上の世界
NHK将棋杯、最近は若手の方が多く、ヒゲみたいなオールドファンには、少々寂しい気が。
そんな中、先日は、森雞二九段が登場した。
その元気な指し手に、懐かしさが込み上げてきたものです。

昭和40年代の或る日、ヒゲは高校の数学クラブの部室に。
まだ、誰も来ていませんでした。
トタン屋根の粗末な造りの部屋に、やがて同級生のK田君がやって来ます。
暫くの後、「 今日は、誰も来ないようだなぁ? 二人だけで指しても、つまらないネ。 」 と。
「 じゃあ、クマダイ(熊大)にでも、出かけてみようか!? 」
二人は部屋を出て、野球部が練習している運動場の横を通り過ぎて行きました。
そこの土手に植えてある木々の隙間を抜けるのが、熊大への近道でした。
何しろ、S黌高校と熊本大学とは、直ぐ近くの地理的関係でしたから。
勿論、ヒゲ達の目的は、数学ではありません。 (汗・汗)

やがて、将棋部の看板が掛けられた木造の部屋に着きました。
部屋では、部長が将棋本を拡げて、並べておりました。
ヒゲを見つけると、即、手招きです。
良い相手が来たと、言わんばかりに!

色白二人の対局は、次の様に進みました。
▲ 7六歩  △ 3四歩    ▲ 2六歩  △ 8四歩    ▲ 2五歩  △ 8五歩
▲ 7八金  △ 3二金    ▲ 2四歩  △ 同 歩    ▲ 同 飛  △ 2三歩
▲ 3四飛!
                 

そう! お互い、暗黙の了解の内に、この局面を目指していたのです。
時は、大山五冠王時代。
熊本のアマ将棋界は、当然ながらほとんどが、大山四間飛車戦法でした。
そんなワンパターンの将棋定跡には、飽き足らない変わった男たちが居りました。
                          

  ・・・  △ 8八角成   ▲ 同銀   △ 2五角    ▲ 3二飛車成 △ 同銀  
▲ 3八銀  △ 3三銀    ▲ 1六歩

                  

さて、この局面が基本図です。
変わった男のひとりは、熊本大学・理学部・数学科の学生。
正確な居飛車定跡の手順に惹かれるのも、解る気がします。
高校生ヒゲが招かれるのは、この横歩取り定跡も指すからです。
何しろ振り飛車全盛期ですので、横歩取りみたいな戦法に付き合うアマ棋士は、余りいませんでした。
お互いをスパークリング・パートナーにして、感覚を磨いていたのです。

△ 2四歩  ▲ 3ー金!!
                  

うわーっ、お、重い!
なんて云う不思議な手でしょうか。
そして、コレが知らないと指せない手。
若き日(!)の森雞二九段が見付けた手です。
これからは、未知の世界。
一手一手慎重に進めます。
  ・・・  △ 3四角    ▲ 2一金  △ 1二香    ▲ 1一角!  ・・・

こんなレアな道行は、熊本では目の前の相手としか出現しません。
まるでドクターXで、生体肝移植をこなしてみたいと。
二人がかりで症例を積み上げて、新しい手術のスキル・アップを目指しているようです。
これから、中・終盤戦に向かうのですが、振り飛車とは大違いの横歩取り戦。
貴重な実戦ですので、味わいながら指し手を進めたのでした。

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コメント (2)
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