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田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

しばり

2022-10-05 17:18:05 | 田園ものがたり
時折、カァちゃんがデパ地下で順才を買ってくると嬉しくなる。
生モズクやオクラと組み合わせての酢肴で、日本酒がさらに美味になるのです。
そのジュンサイの中に、かたつむりの目が飛び出したような芽を見つけると、
喜びもチョッピリ増すから不思議なモンで。 😁
  

しかし、この順才には、昔の辛い記憶が戻ってくるのも否めない。
ビル建設後の西銀座通り田園 ・・・ 或る日、調理場を通った時でした。
奇妙なモノを発見した。 😲 
金ザルに小さな枯れ葉(?!)が、並べられているのです。
ヒゲ 「 こら、何や? 」
新・料理長 
   「 ハイ、順才が仕入れてあったので、直ぐに赤出しに使えるように、
     煮込んでノロを全部外して用意してます。 」
ヒゲは、初めて見ました!
葉っぱだけになったジュンサイの芯を ・・・ (⌒-⌒; ) 😱 
天を仰ぎながら、黙ってやり過ごすしかありませんでした。
             

西銀座通りでの新店舗計画時には、繁盛間違えなしの確信があったヒゲ。
独りでこなせる筈はなく、人材探しに骨を折りました。
先ずは、知り合いを頼っての料理長探しでした。
頭を下げての“三顧の礼”で、迎えるしか手立てがなかったのです。
で、その時の料理長候補が、注文を付けた。
「 厨房内の事は、全て私の好きな様にやらせてくださいますよね? 」
微妙な条件だが、丸のみするしかなかったのでした。
この縛り(しばり)で、熊本で京料理の食文化を伝える機会が殆ど失われた。
なんてことでしょう。
勿体ない話ですが、しょうがなかったと言うしかありません。
                   
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刺し身③〜クラッシュ・ランディングを避けて

2022-09-21 15:13:56 | 田園ものがたり
さてと、調理場6名でやっていた栄通り・田園の仕事。
それを、ヒゲ独りでこなす事になった。
考えられないような『荒業』で、なんとか閉店と云う墜落は免れます。
なにしろ客は少ないのに、料理人5名の人件費は重過ぎる。
           
まるで、敵船が視えたから、急きょ重い銃装備品を外して東京に向かった
ドーリットル攻撃隊みたいですね。
            
               ≪ Wikipediaより ≫
先ずは、超低空飛行ながら、生き残るスベを模索する。
その頃は、正月以外には休日がないのが水商売では当たり前でした。
ロングランで営業を続ける為には、ヒゲの体力維持が最大のモチーフ。
店の営業に、『穴を開けない』ことが絶対の条件です。

幸いな事に、ヒゲは京都での料理旅館での勤めの経験がありました。
旅館ですから、早い時間の朝食から夜営業の終わり迄の非常に長い勤務。
上手〜く体調を崩さないようにする術(スベ)は心得ている。
その上、ヒゲは何処ででも寝れる技(?)を持っています。 (笑)
学生の頃、夜行列車のハードな環境で寝る習慣が身に付いているのです。
厨房の食器棚にもたれての仮眠なんて、何のことはない当たり前のワザ。
これで、疲れた時はチョイネして体力を維持出来た。
             
但し、こうやって超低空飛行をしのいでいるばかりでは限度があります。
とにかく、店の熊本市での立ち位置は、どべこす(=最下位)でしたから。
何もしないなら、やがて低空飛行からクラッシュ・ランディングになって
しまうことは避けられない。
どうやって、店を立て直すのか?
急務な課題が目の前にありました!

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ディスプレイの灯籠

2022-08-20 17:56:17 | 田園ものがたり
最近、やたらと「 咲いた~♪ 最多~♫ 」と、コロナの花が増えている。
熊本でも毎日、4000人台は当たり前の高止まり。
4回目のワクチン接種をモデルナ製で終えたヒゲ夫婦は、三日間も筋肉痛が続いた。
やっとコリが治って、外飲み予定のハズが、外出をためらうほどだ。
久し振りの開催が決定された《火の国祭り》に次いで、とうとう《山鹿灯籠踊り》も中止に。
その他の夏祭りも、軒並み中止が新聞告示されている。

田園の玄関辺りに、ディスプレイ・コーナーと云うスペースがありました。
写真の背景をご覧下さい。
     
あけみママの椅子の後が、そのDコーナーです。
季節の物やレアな物等を飾りました。
例えば、泳いでいるオタマジャクシ ・ 賞を取ったジャンボ西瓜 ・ 
新酒が出来た頃には杉玉を吊るす。
Bフィッシャーが亡くなった時は、チェスボードとチェスライフの月刊誌。
そして、8月に入ってからは、『 山鹿灯籠 』 を。
             
山鹿灯籠は、熊本県が誇る伝統文化のひとつです。
手漉き和紙を加工して、細工物を造る技がスゴい。
金紙に加工して、灯籠を作ります。
その山鹿灯籠をディスプレイに置き、灯りを点すと、金色(こんじき)が幻想的に。
おどりのお囃子が聴こえてくるようです。
        「 よーへーほ~ ♪ ヨーへーホ~ ♬ 」 
      

さても、最初の写真を見て下さい。
三人の背後に通路壁が見えますよね。
岐阜県多治見の、美術タイル工房の作品です。
飛翔する2羽の鶴と田園のロゴが入った、めでたい意匠の特注品。
毎日、タイルを綺麗にメンテナンスするのは、楽ではありませんでしたよ😂 

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名酒の作法⑤〜洋酒カースト

2022-08-18 14:39:45 | 田園ものがたり
さぁてと、オリジナル・ボトルの用意が出来た栄通り田園。
まぁ造った本人が言うのも我田引水的ですが、今でもあの時の
『田園ウヰスキー』が手に入れば、飲んでみたいものです。

こうして田園は、“灘・伏見の日本酒” と “サントリー製品” を
撤廃する道に。
70年代後半の熊本市内飲食店では、考えられない暴挙(!?)でした。
普通の業務店では、このふたつを揃えてから開店します。
しかしヒゲは、このふたつを排除してからの運営に進んだのです。
将棋で言うと、飛車角落ちのハンディキャップ戦で勝負する!
大駒ふたつが無くて、商売が出来るのか?

しかし、この姿勢で、ある種のコアな客層を得たのです。
「 この店は、信用できる!? 」
添加物の入っていない飲み物を、これだけ揃えている。
と云う事は、食材も信用できるのではないか ・・・ 。
やがて、次々にキープボトルが並び、とうとう空き瓶が足りなくなった。
ヒゲ達は窮余のお願いをすることに。
熊本市島崎の熊本酒造研究所の萱島専務に電話をする。
当時、『日本一の大吟醸』を醸している事で有名な蔵です。
 ヒゲ 「 専務! 実はお願いごとがありまして ・・・ 」
 専務 「 何だね? いくら君の処でも、香露の大吟醸はダメだからネ! 」
 ヒゲ 「 いや、専務! 中身は要らないのです。
      先日お願いした空びんを、もうひとケース欲しいのです。 」
 専務 「 ナナ、中身は要らない ・・・ (⌒-⌒; ) ??? 」
             
その頃、香露の大吟醸を手に入れるのは大変な事でした。
そんな貴重な酒は要らないから、空瓶だけくれの厚かましい要求に、
専務は絶句するしかありませんでした。 (笑)
              
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刺身へのアプローチ②〜立ち位置

2022-08-14 18:10:43 | 田園ものがたり
ヒゲ夫婦は、1976年11月に京都から熊本へ帰りました。
その時、カァちゃんには子供が宿っていました。
             
ヒゲは直ぐに、栄通り田園の調理場での仕事に入ります。
早出3人のルーティンでしたので、夕方からはフリーに。
この機会に、熊本の飲食店事情を知ろうと、12月の週末を予定します。
カァちゃんの弟と妹に声掛けて、外食と云う訳です。
           
夕方5時、調理場の遅出3人と交代の時間になります。
ヒゲが店を出る時、来客はまだゼロで、忘年会予約も零です。
           
ヒゲには、熊本は長いブランクがありますから、先ず銀杏通りを歩いてみる事に。
しかし、心当たりの店を覗いてみても、何処もヒゲ達は入店出来ませんでした。
なんと、どの店も予約(!?)がいっぱいで、断られたからです。
結局は、廻りまわって、たそがれ酒場通りに入り、新しい店の五右衛門という処で
やっと一席空いていました。
かろうじて、入店出来たのです。

やれやれと、酒を飲みながら思いました。
栄通りの田園を出る時は、ひとりの予約も無し。
同じ時間帯の銀杏通りの、よその店は既に予約で満席。
(熊本市では)自分の店・田園は、そこそこの繁盛店と自負していたヒゲ。
どっこい実は、どべこす(=最下位)を云々している火の車な店だったのです。
           
翌月(一月)に、社長(父親)のリストラ提案を受け入れました。
五人の料理人全員を解雇して、ヒゲ独りで仕事をまかなうことを。
男たち五人の人件費は重過ぎて、とても店を維持出来ないのは明白でした。

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天ぷらへの誘い〜ある日のカウンター⑥

2022-07-30 17:30:35 | 田園ものがたり
5時になると、ベンガラ色のカウンターを拭きあげ、テーブルマットをセットします。
夏場なら巻き簀風に、冬のしつらいは塗り物の半月板になります。
     

さて、このベンガラ色と云う珍しいカラー。
実は、先達者が居ました。
当時の専門誌に掲載されていた、東京・新宿の “銘酒割烹松島” さんです。
ここの店舗デザインを、参考(?)にさせて頂きました。
今風な用語では、パクったと云う訳ですね。(笑)
掲載写真の中で、一升瓶の日本酒を冷やすリーチイン冷蔵庫と、その冷蔵庫からの
蛍光が鮮やかにベンガラカウンターを照らす光景に、ヒゲは魅かれたのです。
      

所で、テレ朝の人気ドラマ❛相棒❜に、寺脇さんが出戻り(失礼)出演らしい。
右京さん達がくつろぐ小料理屋が、よく登場します。
で、カウンター内に立つ女将さん役が問題。
女優さんの身長によっては、右京さん達を見下ろすカメラ・アングルに。

田園のカウンター内側は、客席より約20㎝程下げた防水加工のコンクリート面。
その上に、4㎝ほどの木製すのこを敷きました。
これで、背の高いヒゲも低くなって、客の目線と同じ高さになり落ち着きます。
客側も、見下ろされるアングルでないから、心理的にもゆったりと出来る。

しつらいが済んだら、カウンター右端に手を入れます。
右端は木の格子だから、小上がり席(桜)の客と目が合います。
それを防止する為、ベネチアンカットの大花瓶を目隠し用に置くのです。
これで、視線をさえぎることが出来、しかも色彩が良いアクセントにもなります。 
               
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美酒の作法④〜洋酒カースト

2022-07-22 14:50:21 | 田園ものがたり
栄通り田園の店は、『スーパーニッカ』ウヰスキーを揃えて、それで充分なハズ。
しかし、ヒゲには、少しためらいが ・・・ 。
特級酒だから、キープ代をそれなりに頂くことになります。
「 高くて美味い酒は、当たり前田のクラッカー! 」 (笑)
ヒゲが満足することはありません。
田園では、日本酒の地酒を売り物にしていました。
それならと、ウイスキーも(!)“ 日本の地ウヰスキー ” を探します。

やがて、日本名門酒会という組織から、一升瓶が二本届けられます。
2種類の二級ウヰスキーは、新潟の越後ウイスキーと鹿児島のマルスでしたか?
どちらも、サントリーオールドと違って、琥珀の色が薄い。
さっそく試飲です。
ひとつは、なるほどコクがあるけど、香りが浅い。
もうひとつは、香りは素晴らしいけど、味わいはあっさり。
ヒゲは考え込んで、しばらく放置することに。
そして閃きが!! ✨✨
ふたつを混ぜ合わせたらどうだろう?
このブレンドがドンピシャ!
互いの足らざる部分を補ったのです。

次は、ボトリング。
ラベルを、いつものデザイナーに依頼します。
ここでカァちゃんは、公的機関の許可を確認します。
店で瓶詰めして売り物にしてよいものか?
答えは、外部に販売しなければデカンタ感覚で良いとのこと。(ヤッター)
ボトルは、香露・大吟醸に使用されているの瓶の手配が出来ました。
その瓶に、オリジナル・ラベルを貼って準備万端。
        
或る日、いつもの鮭茶漬けのミキさんに勧めてみました。
それまで、サントリーのオールドをキープの方。
快諾したミキさんの飲みっぷりが凄かった!
何時もは、なめるように飲むのに ・・・ ?
この田園・オリジナルブレンデッド・ウヰスキーは違ったのです。
まるで、ゴクゴクと音が聞こえるようにイケているのです。
なるほど、二級だから、アルコール度は39°ぐらいに少し低いのですが、
水の如くサラサラと飲める。
ミキさんも呆れて言います。
 「 こっで、二級酒てや?
     特級なんかより、よっぽど美味(ウメ)えじゃなかかい! 」
しかも、サラリーマンにとっても、非常に良いコスパです。
たちまち、ボトル用の瓶が足りなくなるほどでした。

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美酒の作法③〜洋酒カースト

2022-06-19 14:37:37 | 田園ものがたり
昨今、なぜか国産ウヰスキーが大人気で高騰しています。
質はさて置いて、こんな高価格のボトルを日本人が購入するのか?
ヒゲには、不思議ですが ・・・ 。
さて前ブログで、日本酒カースト(特級〜一級〜二級)の根強さを紹介しました。
同じ時期、ウイスキーの世界でもカーストがありました。
70年代の熊本の和食店。   
日本酒ではなく、ウイスキーで和食を頂くのがトレンディな風潮!?
まぁ当時、流通していた日本酒のほとんどは『三倍醸造酒』でした。
お猪口2杯で、口中には甘味料・保存料のベタベタが絡みつき始めます。😫 
そんな日本酒を飲むより、日本独特のウイスキーの飲み方=ミズワリ(水割)の方が
マシと、誰でも思いますよね。
特に、駄ウイスキーの飲み方としては合っている。(苦笑)
だから、敷居の高い店のカウンターには、ずらりと黒いボトルが並んでました。
タヌキとも呼ばれた特級ウイスキーを揃えるのが、ある意味ステータス。
しかし、このサントリーのオールドが、又問題でした。
       
  《 先代からの常連さんで、結婚披露宴の締めをお願いした方とママ 》 
      ~~~ カウンターには、キープのタヌキが ~~~

やがて70年代後半、ヒゲが継いだ栄通り田園。
ある日、このサントリー・オールドを全て撤去します。
キャラメルと添加物で増量された酒は、田園には相応しくないからです。
同じ時ぐらいに、灘伏見の日本酒も全廃しました。
代わりに置いたのが、当時発売間もなしの、スーパー・ニッカ特級。
いわゆる、マッサンのウヰスキーですね。
   
  🎵  むぎーは泣き ムギーは咲き あな~たと育て ・・・ ♪♪

添加物のないスーパーニッカを揃えたから、もう十分なハズ。
普通はそうですが、ヒゲは更に踏み込んだ ・・・

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天ぷらへの誘い〜或る日のカウンター⑤

2022-06-12 18:25:23 | 田園ものがたり
田園で使っていた酒専用のリーチイン冷蔵庫は、3つのドアで分けられている。
右のドアには、新潟の酒。真ん中のドアには、全国各地の酒。
左のドアには、熊本を中心に九州の酒とキリンビールを置いていました。
で、『酒メニュー』の方も、この仕分けとリンクして表示しました。
だから、客が指差したメニューの位置が、そのまま冷蔵庫の位置と同じに。
ヒゲがカウンターに居なくても、サービス係が自力で見つけられる。

 
        ( ☟ 下段に、まだ続きがあります )

酒メニューは、蛇の目傘がふたつ並んだオシャレなデザイン。
当時の熊本では非常に珍しい、ラミネート加工の豪華版。
酒メニューを初めて渡された客は、驚きの表情です! 😲 
  「 なーに、これ~? 」
綺麗にするメンテも楽で良いのですが、新規の銘柄を追加したりの操作が
出来ないのがネックに。
なんでも、表があれば裏もあるもんですね。
            

当日の仕入れ材料が調理場へ渡ると、ヒゲはカウンターに座っての仕事が待っています。
その日の料理メニューを、作成しなければならないのです。
当時、熊本の和食店では滅多にお目に掛からないワープロを使って。(笑)
まぁ、現在では手書きメニューの方が珍重されますが。 💦💦
ワープロで気に入った機能は、上書き保存でした。
先ずは、前日のメニューが表示される。
それから、品切れしたものを削除し、当日の新規物を追加する。
必要な所だけを修正すればいいから、ありがたいもんでした。
田園みたいに、煩雑に献立が変わる店では、毎日更新する必要があったので。
今は、子供達にでも笑われそうな話ですが、当時では大変重宝なシステムでした。
一枚の原本を持ったスタッフが、6Fの事務所でコピーしてきます。
それを、献立表のファイルに入れ替えて出来上がります。

このワープロ打ちは、ヒゲが倒れるまで続きました。
その後の毎日の献立表は、カァちゃんに引き継がれ、PC利用に進歩するのでした。
余談ですが、酒メニュウの作成に携わったデザイナーは、ヒゲの自費出版の
『チェスノート』表紙のデザインも手掛けてくれました。
当時、デザインを勉強しながら、田園グループのアルバイトをしていた縁です。
母が集金に廻る時の車運転をしたり、調理場の手伝いでエビの殻剥きをしたりです。
今はキャッシュレスでカード払い中心ですが、当時の売掛金は集金が大半でした。
手土産もって、 「 今後ともごひいきにお願いします! 」 なんて。
黒塗りの乗用車を思い出すと、カァちゃんに話すと ・・・
「 結婚式当日、実家にお迎えに来てくれた車よね! 」 という事でした。
              
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美酒の作法②〜格

2022-05-27 17:07:10 | 田園ものがたり
徳川吉宗さまの時代から昭和40年代までは、『燗つけ酒』が主流でした。
そう云う訳で、地酒を扱い始めた頃の田園では、酒の提供に若干の注意が必要でした。
当たり前みたいに冷酒を出すと ・・・ 
  「 俺は、ヒヤ酒呑むごつ 落ちぶれちゃおらん 💢(怒)」 
特に、意識タカめ系のお客さまが要注意でした。
       
当時の風潮では、同じ様にカストリ焼酎や甲類焼酎も、“店の格式”に拠っては
提供をためらっていた処もありました。
何故かと言うと、ヒヤ酒・粕取り・甲類焼酎などは、日雇い労働者が酔う為に
飲む物だとのイメージがあったのです。
一日の労苦を、手っ取り早く忘れる為のアルコール。
コレが、客の言う“落ちぶれた者”用の酒。
そんな急いで安酒を煽らんで良いとの、ホワイトカラーさんの矜恃が
燗付け酒ですね。

くだんの意識高いお客様に、もうひとつ用心するのがあります。
  「 俺は二級酒呑むごつ、落ちぶれちゃーおらんばい 😠  」 
日本の階級社会では、しょうがない事でしたが、安酒イメージの『二級酒』は
居場所が微妙。
ランキングを気にする日本人は、位(クライ)を重視する。
昔の列車の、一等車〜二等車の格付けが大きいように。
或いは、映画のエンドロールでの、人気役者の登場順には気を使います。
酒でも、特級酒〜一級酒〜二級酒の日本酒カーストにはピリピリもんです。
品格を尊ぶ人たちは、この差を重視しますから。
       
以前のブログにも書きましたが、田園カウンターでの例をもう一度。

 或る日、損保のT田さんがお父上と一緒に来られました。
 父上が、 「 俺には、剣菱の特級酒ばツケちくれ! 」 と。
 この手の権威主義者が一番厄介ですね。
 ヒゲ 「 あいにく内では、そのお酒は “手に入りません” 」 と、
 やんわり申し上げました。
 父上 「 そうだろう! (ニタリ顔😤
        こん特級酒はドケ(何処)でんな、無かもんなぁ~! 」
 よほど良い店でないと、置いてない事を息子にアピールします。
 父上 「 ほんならマスター、(剣菱の)一級酒でよかたい 」
               
 こうなると、ヒゲもしょうがない。
    「 すみません、内の店には灘・伏見の酒はありません。 」
 父上 「 何てや~💢 コギャン酒があって、剣菱が無かてや?
      ほんなら、ナンバ飲ますっとや? 」
 ヒゲ 「 先ずは、この二級酒を・・・ 」
 父上 「 😟 😔 😲 😋 ・・・こ、こ、コルが二級酒てや!?
             特級酒よか美味かじゃぁなかか~ 」 

~~ 級別廃止(1992年)より少し前の昭和の景色でした。 ~~

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