谷口稜曄さんの『原爆を背負って』英語版出版へ

以前、当ブログでも紹介しましたが、長崎の被爆者でわが国の被爆者運動と原水爆禁止運動に貢献した谷口稜曄（すみてる）さん（2017年に88歳で死去）の人生をつづった『原爆を背負って』（久知邦著）の英語版『The Atomic Bomb on My Back』が、長崎に原爆が投下されてから75年となる今年の8月9日に米国で出版されます。

谷口さんは16歳の時、郵便配達中に爆心地から1.8kmの地点で背後から原爆の熱戦を浴びました。血に染まった焼けただれた真っ赤な背中でうつぶせに横たわる少年の写真で知られています。

不自由な体と被爆者への差別の中、「わたしを最後の被爆者とするために」と被爆者運動と原水爆禁止運動に奔走し、国内外で核兵器廃絶を訴え続けてきました。

2010年5月には、国連本部で行われた「核拡散防止条約（NPT）再検討会議」で前述の自らのケロイドの写真をかざしながら演説したことは記憶に新しいところです。
2010年6月からは日本原水爆被害者団体協議会（日本被団協）の代表委員を務め、2015年8月9日の被爆70周年「平和祈念式典」で2度目の「平和への誓い」を読みました。

今回の英語版は、日本被団協が発行責任者となり、米国バーモント州のルートストック・パブリッシング社が出版。初版分のクラウドファンディング（資金支援）を呼び掛けています。

日本被団協の田中煕巳（てるみ）代表委員は、「原爆被害は過去のこととして済ますことのできない、学ぶべき今日的な課題です。このことを、本書の英語版から世界の人々が読み取り、核兵器のない世界を目指す行動の源泉としてくれることを願ってやみません」と語っています。

【出典参考】2020年7月4日付け「しんぶん赤旗」


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