防衛省は２月１０日、「クラスター（集束）弾即時全面禁止条約」に基づき、自衛隊が保有していた４種類のクラスター弾１万４０１１発すべてを今月７日に廃棄したと発表しました。
クラスター弾は多くの小さな子爆弾が内包され、空中で広範囲に飛散する仕組みで殺傷能力が高く、不発の子爆弾により民間人が死傷する被害が海外で相次いでいたことから、日本政府は「人道上の懸念」から平成２１年７月に同条約の正式締約国となって、廃棄をすすめてきました。
自衛隊は冷戦時代のソ連による着上陸侵攻を念頭において、長い海岸線を守るためと称してクラスター弾を保有していました。条約では不発弾になりにくい新型クラスター爆弾の保有を禁止していないものの、政府は調達費用がかさむことなどを理由に断念。衛星誘導爆弾ＪＤＡＭやＭ３１ロケット弾などの精密誘導弾で代替しています。廃棄費用は約１４億円。
しかし、同条約には日本や英国など８９ヵ国が参加する一方、米国、ロシア、中国、北朝鮮、韓国など日本の周辺諸国は同条約に署名していません。米政府が日本側から在日米軍のクラスター弾撤去を求められる可能性に懸念を伝えていたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」が平成２３年１１月に公開した米外交公電で明らかになっています。
【出典参考】２０１５年２月１０日配信「産経新聞」、１２日付け「しんぶん赤旗」
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