とだ九条の会blog

「とだ九条の会」公式HPに併設=「とだ九条の会ブログ」でネットワークを広げます。

憲法改正必要・不必要ほぼ同じ―NHK世論調査(1)

2014年05月08日 | 国際・政治
NHKが5月3日の憲法記念日を前に実施した世論調査から、「憲法改正が必要か不必要か」と「集団的自衛権の行使容認の賛否」について2回にわたり、その結果を転載させていただき、ご紹介します。(サイト管理者)まずは、「憲法改正が必要か不必要か」について。


<世論調査  憲法改正必要・不必要ほぼ同じ>


3日は憲法記念日です。NHKが行った世論調査によりますと、「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人は28%で、1年前の調査より14ポイント減った一方で、「改正する必要はないと思う」と答えた人は10ポイント増えて26%となり、憲法改正が「必要」と「必要でない」という人の割合がほぼ同じとなったことが分かりました。
一方、憲法9条については、「改正する必要はないと思う」と答えた人が38%で、「改正する必要があると思う」と答えた人より多くなりました。


■調査の概要

NHKは、先月18日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行い、2667人のうち60%に当たる1600人から回答を得ました。


■改憲の賛否

今の憲法を改正する必要があると思うか聞きました。
「改正する必要があると思う」が28%、「改正する必要はないと思う」が26%、「どちらともいえない」が40%でした。
NHKが去年の4月に行った調査と比べると、「改正する必要があると思う」という回答は14ポイント減った一方、「改正する必要はないと思う」という回答は10ポイント増え、憲法改正が「必要」と「必要でない」という人の割合がほぼ同じとなりました。


■憲法改正に賛成の理由

「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「時代が変わって対応できない問題が出てきたから」が75%と最も多く、「国際社会での役割を果たすために必要だから」が15%、「アメリカに押しつけられた憲法だから」が7%などでした。


■憲法改正に反対の理由

「憲法を改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が60%と最も多く、「多少問題はあるが、改正するほどのことはないから」が31%、「今の憲法がいい憲法だと思うから」が7%などでした。


■憲法9条改正の賛否

「憲法9条」について改正する必要があると思うか聞きました。
「改正する必要があると思う」が23%、「改正する必要はないと思う」が38%、「どちらともいえない」が32%でした。
去年4月に行った調査では3つの回答はいずれも同じ程度でしたが、今回は「改正する必要があると思う」が10ポイント減り、「改正する必要はないと思う」は8ポイント増えました。


■9条改正賛成の理由

憲法9条を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が41%、「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が35%、「自衛隊も含めた軍事力を放棄することを明確にすべきだから」と「海外で武力行使ができるようにすべきだから」がいずれも8%などでした。


■9条改正反対の理由

憲法9条を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「平和憲法としての最も大事な条文だから」が68%、「改正しなくても憲法解釈の変更で対応できるから」が14%、「海外での武力行使の歯止めがなくなるから」が11%、「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が6%などでした。


■立憲主義の認知度

今の憲法の基本的な考え方である「立憲主義」について聞きました。
「政府の権力を制限して国民の人権を保護する」という「立憲主義」について知っていたかどうか尋ねたところ「知っていた」が11%、「ある程度知っていた」が33%、「あまり知らなかった」が38%、「まったく知らなかった」が13%でした。


■立憲主義を重視すべきかどうか

憲法解釈や憲法改正を議論するにあたって、立憲主義の考え方を重視すべきだと思うか聞いたところ、「重視すべきだ」が71%、「重視する必要はない」が11%でした。「憲法を改正する必要がある」と回答した人の中でも、議論するにあたって立憲主義を「重視すべきだ」と答えた人は75%で、「重視する必要はない」と答えた人は12%でした。


■「改正に冷静になってきた」

今回の調査結果について、現在の憲法を守る立場の早稲田大学の水島朝穂教授は「去年の調査と比べて改正に積極的な人が減っていることから、この1年で国民は憲法改正に対しかなり冷静になってきたことがうかがえる。よく『憲法は理想をいって現実を見ていない』などと言われるが、どこの国でも憲法は理想や理念を語っているもので、政治がそれを現実に近づけるよう努力しないといけない。しかし、政治権力が憲法を変えて現実に合わせようとすることに国民が慎重になってきたのではないか。特に平和の問題では現在の憲法9条を変えて国防軍になる場合に生じるマイナス、特にアジア諸国から日本が厳しい目で見られることを徐々に理解してきたのではないかと思う」と話しています。


■「憲法をより使いやすいものに」

今回の調査結果について、憲法改正を求める立場の慶應義塾大学の小林節名誉教授は「私自身は憲法改正を求める立場ですが、改憲を容認する人が減っているのは、憲法9条の下で平和に暮らしてきたという実感のなかで、集団的自衛権の話が出てきて警戒感が強まっているのではないか。人々は今悩んでいるところで、これからの議論次第で方向性は決まると思う。主権者の国民が幸福に暮らせるようにすることが国の存在理由で、そのサービス機関として国家機関があり、われわれが管理するマニュアルとして憲法がある。憲法をより使いやすいものにし、主権者である国民の幸せをより増進させるために憲法改正を促していきたい。そのための議論をすることが必要だと思っている」と話しています。


【出典】2014年5月2日配信「NHK」



※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/
■「とだ九条の会」ブログのバックナンバー一覧はこちらが便利です。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/blogmokuji.html
■「とだ九条の会」ツイッターのアドレス
http://twitter.com/toda9jo

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする