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「(頭上を飛ぶヘリは)そんなに多くない」--田中防衛相の暴言に怒り

2012年02月03日 | 国際・政治

20120127futenma 「(頭上を飛ぶヘリは)そんなに多くない」--米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に接する普天間第二小学校について1月23日の仲井真弘多知事との会談で、そう発言した田中直紀防衛相に県民から強い批判の声があがっています。

田中防衛相の認識は、米国ですら「世界一危険」と言っている普天間基地を抱える宜野湾市や沖縄県、住民の被害・実態とかけ離れています。
防衛相は帰任前の会見で発言を否定したものの、市関係者は「防衛相は変わったが考え方は進歩していない。学校の状況を十分に把握せず、軽はずみに発言したのではないか」と厳しい見方を示しました。

田中防衛相の認識が間違っているのは、沖縄防衛局が宜野湾市などに提出した「飛行航跡集約図」(別紙参照)を見ても一目瞭然です。
米軍機は9万人の宜野湾市民の頭上をすさまじい頻度で飛行しており、同市の「基地被害110番」に寄せられる件数は昨年12月25日時点で前年度比で309件増えて454件。2002年の「110番」設置以来、過去最高となっています。米軍は「運用上の理由」により、米軍機の発着回数は明らかにしていませんが、沖縄防衛局が測定した普天間基地の騒音発生回数を見ると、年間でおおむね2万回を超えています。

同市の山内繁雄基地政策部長は田中防衛相の発言について「最近は(同小学校がある)新城地区の騒音値が増加している。大臣の発言として恥ずかしく、全く被害を理解しようとしていない姿勢だ」と語気を強めた。

これを国土交通省がまとめた2010年度の民間空港の着陸回数と比較してみると、広島9923回、長崎1万8919回、秋田7745回などとなっていますから、普天間基地の運用状況が、地方の主要民間空港と比べても、「そんなに多くない」はずがないことは明らか。昨年5月にはヘリが滑走路北西の市街地上空で旋回訓練を繰り返し、市に寄せられた1カ月の苦情件数が例年の半数以上にあたる70件を超えるなど、肌で感じる負担はむしろ増大していると言えます。

普天間第二小学校は同基地の滑走路北側に位置していますから、日常的に米軍の輸送機やヘリが離着陸や旋回訓練を行い、米軍機が着陸するときは、爆音とともに突っ込んでくるかのように小学校に接近します。
そのため、同小など沖縄の基地周辺の学校では毎年、米軍機墜落を想定した避難訓練を実施。「学校の運動場、基地フェンス側に飛行機が落ちました。先生の指示に従い避難してください」との放送とともに児童らは避難します。

そもそも、普天間第二小学校を含む地域は、米航空法でも一切の建築物の建設が禁じられている「クリアゾーン」になっています。
普天間基地の存在自体が違法状態なのに、日本共産党沖縄県委員会・県議団が1月25日、改めて沖縄防衛局側に米軍機を小学校の上空に飛ばさせないことを求めたのに対し、沖縄防衛局は「小学校の上空を飛ばないと米軍機の離発着はできない」と米軍を擁護し、居直りました。

田中防衛相だけでなく、米軍の好き放題に基地を使用させ、同県名護市辺野古への新基地建設を推進する野田政権自体を厳しくたださなければなりません。

【出典参考】2012年1月24日付け「琉球新報」、27日付け「しんぶん赤旗」

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