コロナ対策と東京五輪の両立を、ここまで事態が進んでから考えることは至難でしょう。しかし考えなければならない事も、手を打たなければならない事も、まさに避け得ない現実でしょう。
五輪については、国際的に日本がコミットしたことです。途中で放り出す責任放棄は、日本としてすべきことではないでしょう。パラリンピックも含めて、日本が、競技そのものについては、五輪環境を『サンクチュアリー化して』遂行すべきでしょう。
そのために、正直言って、国内の医療体制などに負担がかかる事もあるでしょう。これは、日本国内のコロナ対策の徹底の中で、日本として解決すべき問題でしょう。
矢張り最大の問題は国内のコロナ対策を従来の延長ではなくて、本来の問題解決の王道を確実に実行することによって、解決できるかどうかが問われているのです。
ではその『王道』とは何でしょうか。
それは大きく2つでしょう。
一つは根本的解決への道で、ワクチンの接種の早期徹底でしょう。
もう一つは、ワクチンの接種が徹底するまでの間の政策です。これが今まで最もうまくいかなかった4回ないし5回の緊急事態宣言という失態そのものです。
現時点では、この二番目の政策を徹底的に見直すことで、コロナ対策を本当の対策にすることを考えるのが最も大事なことではないでしょうか。
これは、政府が「人流が増えたのは政府の責任」と責任の所在を明確にし、ワクチン接種が完了するまで、人流をいかにして最小限にとどめるかを実行する事に尽きるのです。
ワクチンの接種が間に合わず、その間に人流が増えてしまうから感染が増えるのです。
この当たり前のことを防止するためには、ワクチン接種が行き渡らないうちは、人流を最小限にして感染を防ぐしかないのです。
これは誰が考えても当たり前のことでしょう。ならば人流を減らすしか対策のない事は明らかです。
具体的な指摘をすれば、今回の緊急気体宣言も8月31日までと期限が切られています。9月1日からは人流が増えてもいいのでしょうか。
はっきり言って8月31日までという期限には「何の意味もない」のです。そして政府はこれを何回でも繰り返してきているのです。これは政策でも何でもありません。
本当に人流を減らしたいのなら、条件はいくつかあります。
まず、緊急事態宣言の期限は「コロナ征圧の目安がつくまで」と決めることです。
緊急事態というのはその原因が消滅するまで続くのが常識なのです。政府にはその常識が理解できず、いつも勝手に適当な期限を決めているのです。(そしてリバウンド)
当然、並行してワクチンの確保、国内生産の早期化は絶対必要条件です。今朝の新聞で、政府が国産ワクチン開発、実用化の為の組織の立ち上げを決めたと出ていました。
今迄のコロナ禍の1年半、何をしていたのでしょう。日本の企業に巨大な研究開発費を出し、法的なものも含め環境整備を徹底すべきです。
更に、政府の理由のない楽観論を直ちにかなぐり捨て、今までの後追い対策の失敗を国民に詫び、デルタ株の蔓延は国難であること、その感染防止に必要な正確な情報を国民に徹底して国民が感染回避の行動を確りとれるようにすることでしょう。
日本人は根が真面目ですから、政府が嘘や誤魔化しをせず、正確な情報と知識を提供し、信頼できる説明をすれば、国民は自主的に適切な行動をとることが十分に期待できると考えて誤りないでしょう。
政府にこうした態度が取れれば、即日人流は減り、感染者数は潮が引くように減少するのではないでしょうか。
そして減少しても、緊急時態宣言を解除するのではなく、これからもこの正しい行動を続けることがリバウンドを封じ、それをワクチン接種が完了するまで続けることが、コロナ征圧の最短距離であることを、国民に納得させなければなりません。
最後に、政府は、その責任として、最善の手段を尽くし、ワクチンの確保、早期の接種の完了に全力を挙げることが、最後の決め手となるのではないでしょうか。