原油価格高騰と国内物価
原油価格の高騰が国内物価に影響し始めているようです。ガソリンの値段は随分上がりましたが、燃料を多用する食品の一部や、タクシーなどの交通運輸関連の価格に影響が広がる気配です。
原油価格は世界中同じように上がるわけですから、世界中で同じように物価への影響があるわけで、日本だけが影響を受けるわけではないので、国際競争力などには特に影響はありませんが、国内物価が上がるのは国民とっては困ります。しかしこれは避けようがありません。我慢するよりないようです。
日本は年間11兆円(CIF価格)ぐらいの原油を買っていますが、単純化していいますと、もしこれが2倍に上がれば、同じ量の原油を買って22兆円払わなければならないことになります。日本の500兆円のGDPの中身は変わらずにコストが11兆円増えて、それが価格に転嫁されるとGDPは511兆円になって、11兆円分、2.2パーセント平均で物価(総合物価)が上がることになります。2.2ーセントの輸入インフレです。
値段が上がって、日本の消費者や企業が損した分、日本経済の実質価値が産油国に移転したわけです。原油値上げというのは、石油消費国から、生産国へGDPの一部を献上するということです(間で投機資金が儲けているようだという話もあります)。ですから、これは日本国内では取り返せません。物価上昇による実質生活の低下を受け入れるしかありません。例えその分賃上げをしても、実質GDPが増えるわけではありません。賃金インフレでさらに物価が上がるだけです。
日本は、かつての2度の石油ショックで、痛いほどこうした経験をしましたが、当時のことをご存じない方も多いと思い、こんなことを書いてみました。
原油価格の高騰が国内物価に影響し始めているようです。ガソリンの値段は随分上がりましたが、燃料を多用する食品の一部や、タクシーなどの交通運輸関連の価格に影響が広がる気配です。
原油価格は世界中同じように上がるわけですから、世界中で同じように物価への影響があるわけで、日本だけが影響を受けるわけではないので、国際競争力などには特に影響はありませんが、国内物価が上がるのは国民とっては困ります。しかしこれは避けようがありません。我慢するよりないようです。
日本は年間11兆円(CIF価格)ぐらいの原油を買っていますが、単純化していいますと、もしこれが2倍に上がれば、同じ量の原油を買って22兆円払わなければならないことになります。日本の500兆円のGDPの中身は変わらずにコストが11兆円増えて、それが価格に転嫁されるとGDPは511兆円になって、11兆円分、2.2パーセント平均で物価(総合物価)が上がることになります。2.2ーセントの輸入インフレです。
値段が上がって、日本の消費者や企業が損した分、日本経済の実質価値が産油国に移転したわけです。原油値上げというのは、石油消費国から、生産国へGDPの一部を献上するということです(間で投機資金が儲けているようだという話もあります)。ですから、これは日本国内では取り返せません。物価上昇による実質生活の低下を受け入れるしかありません。例えその分賃上げをしても、実質GDPが増えるわけではありません。賃金インフレでさらに物価が上がるだけです。
日本は、かつての2度の石油ショックで、痛いほどこうした経験をしましたが、当時のことをご存じない方も多いと思い、こんなことを書いてみました。