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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

参院選の結果とこれからの国会審議は?

2025年07月21日 13時54分56秒 | 政治

<このブログは tnlaboratory's blog に名称変更し「はてなブログ」で継続しています>

参院選当日から一夜明け、全容が判明しました。今回は、当初から「与党過半数割れ」が予想されていたという意味では、あまり過大な見出しをしてもそれほどの迫力も驚きのないというのが実態のようです。

それでも、衆院に続いて、参院でも少数与党になった自公連立内閣が、人気低迷の主因のように見られる石破総理の進退ついて、どんな考えなのか国民の心配は尽きません。

国際関係では、時あたかも日米関係の大変な時期に当たり、アメリかは、真っ先に片付けるといった日米関税交渉の遅延にいらだっているようです。

国内では、国民の毎日の生活に直接響くコメの価格の大変動期の結末をどうつけるか、日本中の家計が強い関心で見守っています。

それに絡んで選挙で最大関心事になった消費税問題が、選挙というイベントの中でなく平場の経済政策論争として続くのかどうか、各党とも大音声でそれぞれの主張をしてきたのに、選挙が終われば忽ち沈黙というわけにもいかないでしょう。

まさに内外ともに「問題山積」という状態ですが、さて衆参両院がともに少数与党という事になったという全く新しい環境の中で、与党、野党どう考え、どう行動すかるかみものです。

その中で、石破総理は、さっそくに続投宣言をしたようです。支持率30%の石破政権が、機先を制して続投宣言をしたという、場合によっては自信たっぷりな行動には、多分それなりの理由があるのでしょう。

勿論対抗馬がいないという事ではないでしょうが、例え居てもこの時期に名乗りを上げる事が得策かどうか、微妙な判断と読む人も多いでしょう。

考えてみれば、これまで自民党あるいは自公連立政権は、絶対多数とか、過半数とかいった状況のなかで、議会運営をしてきました。

という事は、採決をすれば勝てるという前提の下での国会運営だったのでしょう。安倍総理のように「強硬採決など考えたこともありません」と言いながら平然と強行採決も出来たようです。 

しかし、今は違います。衆院では既に予算案の修正が行われ、マスコミは「予算案修正」大見出しを付けました。

本来から言えば、予算案がそのまま通るほうがおかしいので、常に赤字財政という中ですから、修正案が出て、その方が筋が通るといった事はあって当然でしょう。民主主義というのはいろいろな意見があって、その中で議論し、最善の結論が出ることを前提にして出来ているシステムです。

ならば、はっきりいえば、過半数を採れば「民意だ」と言って何でも出来るというのは実質独裁制なのです。 

身近な例でいえば、安倍政権のモリ・カケ・サクラや、トランプ政権の今回の大学問題などの背景にはそうした民主主義の基本の誤用があるのでしょう。

本来の民主主義「衆議の中で最善の答えを見出す努力」は大変ですがそれこそが民主主義の基盤でしょう。

現状、日本の政権は、そうしたプロセスに慣れていません。自信をもって対応出来る政治家はいないように見えます。

石破さんが続投宣言をしたのは、差し当って「その経験を持つのは自分だけ」という自負心の故ではないかといった気がします。


企業・団体献金の廃止が参院選の争点では?

2025年07月09日 15時18分31秒 | 政治

(この記事はtnlaboratory's blogでも見られます»

参院選も真只中ですが、暑いせいか街は静かのようです。熱戦はNET上です。

NET上ですから、最も大きくても大型テレビの画面で、あとは16型のパソコン画面か、更に小さいスマホの画面です。

熱戦の場が前後左右に広がるリアルワ-ルド・現実世界から、平面しか無くて視野も狭いディスプレイ上になってきたせいか、与野党の論戦も何か平面的な当面の細かい問題に集中してしまったようです。

参議院ですから、日本の将来を憂える先見性と洞察力、物事の根幹を掘り起こし、卓越した論理構成をベースの議論を期待するのですが、争点は、成長しない経済、上がらない合計特殊出生率を「与件」として、その中での物価上昇、消費税・社会保険料、手取り論争、政権党からはバラマキ給付といった、小さな重箱の中身の並べ方か場所取りにも似た情けないものになっています。

その上、結果は長期に政権担当しながら、日本の経済・社会を停滞・劣化させた政権党が、過半数を維持するかどうかといった範囲の予想のようです。

常識的に考えれば、そんな政権は早く降りていただいて,もう少し良い政策が取れそうな政党を政権つかせるというのが選挙民の選択だと考える所ですが、見回してみたら、野党は小党分立で、それぞれ違いを強調、とても纏まる気がないので、有権者は気が滅入ってしまうという事のようです。

しかし、この春からの前哨戦の中では、最大の問題点はいわゆる「政治資金」の問題で、これを正さないと日本の政治はまともにはならないという議論が随分されていたように思います。

それが、選挙戦の真っ最中になった今、何処かに消えてしまって、残っているのは重箱の隅論争ばかりです。

すでに、こんなに業績の上がらない政権党が、なぜ長期政権を取れるのかという問題の根源として、国政選挙でも5割という低い投票率を前提にした中で、カネのかかる選挙、これを「政治にはカネがかかる」と言い換えていますが、カネを持つものが選挙に勝つという、国民の「選挙の際の失敗の繰り返し」があることは誰もが知っているはずです。

この失敗を止めるのには、①投票率を最低8割ぐらいに上げる、②企業・団体献金をやめる、の2つが即効性のある政策という事も解かっているのです。

このブログでは投票率を上げる方法の提案もしていますが、今回の参院戦では、企業・団体献金の廃止の世論を定着させ、国民の意識を変え、国民により良い日本のための選択をし易くするためにのも、野党の結束が可能になるかと思っていました。 

今からでも遅くはありません「遅刻は欠席よりよい」のです。企業・団体献金の廃止で纏まれる野党に期待したいと思います。


選挙の季節です「民主主義のトリセツ」の出番

2025年06月13日 14時22分18秒 | 政治

地方選挙、参議院選挙、東京では都議選もあって,政党も、立候補者、立候補予定者の動きも活発です。

選挙というのは、民主主義の基本中の基本をなすものです。

民主主義というのは「より多くの人の支持を得た人がリーダーになる」という原則で成り立っているからです。

今では世界のどこの国を見ても、リーダーを選ぶ方法というのは選挙です。王政の名残の世襲制は、北朝鮮ぐらいですが、選挙でリーダーを選びながら失敗だったという例は後を絶ちません。選挙が終わってから「残念!失敗だった」という例はいろいろあるようです。

原因ははっきりしていて、直接知らない人間を的確に見定めるのは大変難しい事だからです。

ということで、民主主義を確りしたものにするためには、有権者一人ひとりが人を見る目を磨くしかないのです。

では、どうやって磨くかですが、このブログでは、それに少しでも役立つようなヒントを集めて「民主主義のトリセツ」というのを作り、立候補者の甘言に乗せられないようにしましょうと提言しています。

その中のいくつかを今回はご紹介して、皆様がそれぞれにそうした「トリセツ」を持つようになれば、より良い人がリーダーとなって民主主義がますます立派なものとなると考えています。

こんな人は選ばないほうがいいという人の特徴を列挙してみました。

〇リーダ-の地位に、いつまでも居座ろうとする人。

こういう人は、独裁者になる可能性が高いです。プーチン、習近平、トランプ、安倍晋三など。皆決まった任期を延ばした、または延ばしたいと思う人達で、延ばすたびに独裁色が強まっています。

〇嘘を平気でつく人、他人の言うことを嘘だという人。

プーチンはウクライナが戦争を始めたといい、トランプは選挙が盗まれたとっています。安倍さんの嘘は有名です。

〇権力や脅しで情報を操作しようとする人。

マスコミの人事に介入したり、ネットを使って偽情報を流し世論を混乱させる人は、自分の興味や都合中心に物事を動かそうとしているのでしょう。

〇被害者意識を訴えて、人々の関心と支持を得ようとする人。

アメリカは損ばかりしているというトランプ(世界で最も豊かな超大国)、ヨーロッパがロシアを潰そうとしていると訴えるプーチン、戦前の日本陸軍、これは独裁者の常套手段。

〇感情の起伏が激しく、自画自賛をしたり激怒したりする人。

人間関係の機微がわからない人が多く自己都合でものを考えるので、他人の意見を正当に評価できない人。人の上に立つべきではない人でしょう。

その他、皆さんの人生経験の中から役に立つものを拾い上げ、良い人を選挙で選ぶための「トリセツ」を、多くの方に作っていただくと、日本の選挙の質が上がると考えています。

蛇足:棄権は、結果的に、与党への投票と同じです。


小泉農水大臣誕生:これでお米がどこまで下がるか

2025年05月21日 14時34分10秒 | 政治

「病は口より入り、禍は口より出づ」の諺どおりの顛末で農林水産大臣が代りました。

新大臣は小泉進次郎氏です。お父上は「自民党をぶっ壊す」と発言し、そのうえで選ばれて総理となり小泉時代を作った小泉純一郎さんですから、この混迷した日本の農政を本気で改革してくれと心底頼みたいところです。

小泉純一郎総理は自民党の改革、日本社会の改革もやられましたが、今、際立っているのは、自ら北朝鮮に赴き拉致被害者5人を連れ帰られたことです。

こうした実行力のあるお父上の薫陶を受けているのでしょうから、今、混迷しているコメ問題を、一刀両断にし、こんな事になっていたんですよと国民に説明してくれるのではないかと期待するところです。

今、日本国内市場に、コメは随分余っているはずです、昨年産のコメが不作という話は聞きません。平年作あるいはそれ以上だったようです。その上、アメリカ産米の輸入も増えています。政府の備蓄米も放出されて足りなくなりそうな雰囲気です。

おそらく備蓄米などは業者の手に移っても、貯蔵がきくように玄米のままで関係業者が備蓄して更なる値上がりを待っているのでしょう。精米しなければ小売市場には出ません。

日本のどこかに玄米で溜まっているのです。しかし小売市場には出ない、出来れば玄米で、出来れば精米しないで持って居よう。理由は、先行き値段が上がりそうだから、今売る事はないだろうという思惑です。

消費者の多くも、もう米が1年前のように安くなることはないだろうと言います。消費者がそう思えば急いで売る事はないというのがビジネスでしょいうが、主食のコメもそれでいいのでしょうか。

このブログは、コメは現実、余っているのだから下がるはずだ、消費は年々減っているのだし、と考えています。そのほうが経済原則だと思うからです。

それが下がらないのは、権威のあるインフルエンサーが、「下がらないよ」と言っているからでしょう。

しかし、ここに至り石破総理も「コメを下げる、小泉大臣の仕事」といい小泉新大臣も「スピード感を持って」といっています。

さて、どの程度下げてくれるのでしょうか。余っているのに、1年で2倍以上に暴騰をどこまで下げるかです。過去10年の値上げの累積としても5㎏で2,500円程度までが妥当でしょうか。

コメのような日本人にとっての主食を取引の利益の材料にするのは政策の誤りです。今後は、消費者物価平均、程度年に2~3%の値上げが限界で、2倍になるのには20年以上かかるのが正常と考えて政策を打つべきでしょう。

小泉新大臣が、日本のコメ産業の将来を見据え、その手始めに、コメ価格の暴騰に、いかなる手を打つか期待を込めて見守りたいと思っています。


三人の独裁者が世界中を不安定にする

2025年04月28日 14時57分14秒 | 政治

このところ世界中がますます不安定になっています。

世界が不安定になっている原因については、テレビの画面でも、マスコミの活字や音声でも最も頻繁に登場する大国のリーダーであるプーチンさん、習近平さん、トランプさんの3人が大きな役割を果たしているようです。

最も華やかなのはトランプさんでしょうが、もっと基本的なところで問題の根因になっているのはプーチンさんと習近平さんでしょう。

理由は、プーチンさん、習近平さんともに共産党政権の国のリーダーだからです。

共産主義の国というのは、歴史的に見て独裁的になりやすいという傾向があります。

トランプさんの場合は、アメリカは民主主義国ですから、本来的には独裁者は生まれない国ですが、時に選挙制度の中でも独裁者が生まれる事もあります。トランプさんは、第二次政権の4年の任期を終えれば、次の大統領に交代するはずです。もしトランプさんが、任期中に、自分の大統領就任期間をさらに伸ばそうという動きを起こせば、トランプさんは独裁者になる資質と意思を持っているということになるというのがこのブログの判断するところです。

世界の三つの大国、国連の「拒否権を持つ」常任理事国5か国のうちの3か国が、独裁者、あるいは独裁者的なリーダーによって運営されているということになりますと、世界中が不安定になることは必定でしょう。

民主主義の国というのは決定に時間がかかります。国民の声を聴いて決めるからです。国民の声を聴くというプロセスは、議会の議論などで行われます。マスコミの世論調査や、署名運動などもあって、決定のプロセスで一般の人々にも情報が行き渡ります。決定・発表されるまでには人々の理解も進み、びっくりするような事はあまり起きません。

独裁国の場合は、独裁者が意思決定した段階でそれが国の意思決定になりますから、「タイパ」はベストでしょうが、多くの国民が考えること食い違うことは当然おきます。

ロシアがウクライナに侵攻した時も、国民の多くはそんなことは考えてもいず、反対の人もいっぱいいたようです。

習近平さんは台湾併合を言っていますが、台湾を武力併合などすべきでないという人は中国には沢山いるでしょう。

独裁者は反対の人が出ないように、情報管理、言論統制などで、自分の意見だけが正しいと国民に強制します。それに成功すれば、独裁制は確立ということになります。

トランプさんは「大統領令」を乱発します、これは極めて独裁者的です。そのうえ、トランプさんの意見自体が日変わりです。 

普通の人がこんなに意見が変わったら、だれも信用しなくなってお役御免でしょうが、トランプさんは「ディール」だと辻褄合わせをして平気です。このあたりはトランプさんの人柄でしょう。しかし支持率は低下傾向ですね。

意見が突発し、またそれが頻繁に変わることは、周りの意識を不安定にします。原因は、何を言い出すか予想がつかないからです。それに独裁者になるような人は、往々にして普通の人が思いつかない様なことを思いついて、しかも実行しようとするからでしょう。


物価上昇放置、消費税減税で良いのか

2025年04月25日 14時46分14秒 | 政治

8月の参議院選挙を目指して各党それぞれに人気取りに狂奔の体です。場合によってはっ衆議院選挙も重なるかも知れないなどという事になるとこれは大ごとです。

そんな事もあってでしょか、各党ともどんな選挙公約が得票につながるかを検討し、その重要テーマになっているのが消費税減税です。

消費税については共産党が最も徹底していて廃止が最終目標です。これに引きずられてか消費税の推進役だった自民党も含めて、ほとんどの政党が、消費税の軽減策を打ち出すようです。今日のニュースでは、消費税は大事と言っていた立憲民主党も、食品の消費税ゼロを盛り込む方向で調整に入ったとのことです。

こうして消費税がが各党の得票のための犠牲になり、勝手に食い荒らされているのを見ますと、選挙になると、どの政党も、本来の政策意識を失い、人気取りの得票政策に走るのかと情けなくなります。

確かに物価が上がっている中で、各党が競って消費税減税を言う中で、消費減税は「必要ない」と言ったら、国民から「庶民の生活が解っていない」などと言われそうで、やっぱり言わないとまずいとなるのでしょうか。

共産党のように、基本的に考え方が違って,GDPは国民全体に帰属するものだから、国が管理して必要に応じて国民の生活や生産活動に分配する方式なら、消費税は勿論、税金の概念も不要です。 

自由経済では、所得は生産者のものですから、政府は自分の役割と活動のために税金を取ることになります。そして、国が豊かになると「社会保障」という政府の役割が重要になります。さてその財源はどうするかという事で、最初は若い時積み立ててという積み立て方式でしたが、社会保障の充実の要求から、更なる財源が必要になり、広く浅くという意味で付加価値税(日本の消費税)が必要になったというのが先進国中心に一般化したという事でしょう。

ですから社会保障のための財源という意味は重く、社会保障の充実が言われるたびに消費税の負担は重くなるのが一般的です。

日本でも国民の要望に応えるために消費税率は上がってきたのですが、国会で上げることを決めたのは、その必要性が認められたという事でしょう。

それを簡単にやめようとか減らそうとか、選挙になると政党が公約に掲げるのはどうしてでしょうか。

今回の場合は物価が上がっているからとか、トランプ関税で上がるからという事のようですが、それに対して消費税軽減で各党が競い合うというのは余りに思慮不足の感じです。必要なものを削れば何処かで補填が必要になり、結局は赤字国債で国民からの借金でしょう。

そんな面倒もコストもかからない政策、消費者物価の抑制、消費税減税論議の原因に手を打つという方法論が、どうして出てこないのでしょうか。

今日、東京都区部の4月の消費者物価指数が発表になりました。総合指数の年間上昇率は昨年10月の1.8%から、この4月は3.5%とほぼ倍になりました。

主要な原因は食品とエネルギーです。エネルギーは今後原由価格下落と円高によって下がるでしょう。食品の最大の上昇原因はコメで、生鮮食品の価格は好天で低下が続いています。コメの価格は元々政府が決めるのもので、米価上昇は官製インフレです。

どうにも解せないのは、「1年で2倍」になったコメの価格を下げようということを、政府も各政党も、マスコミも本気で言わないことです。

物価が下がれば消費税減税は不要です。さらに物価を下げるという事は、国民の努力で可能です。それは、無駄をなくすこと、生産性を上げることで可能です。そして生産性が上がればその分実質経済成長率が高まります。

消費税減税をしても、いつかは元に戻すのでしょう。そんな一時的なことで、選挙に票を得ようと旗を掲げることの無意味さを国民が理解していると解れば、選挙の公約はもっと本質的な議論になるのではないでしょうか。


消費税減税の議論をどう考えるか

2025年04月22日 11時54分30秒 | 政治

8月の参議院選挙に向けて消費税減税についての議論が活発です。

石破さんは「適切な対応」という表現で、状況によって判断という事のようですが、その状況というのはどうなのでしょうか。

最も気になっているのはトランプ関税の90日間の期限が切れた時どうなるかでしょう。

トランプ関税が何故90日間伸びたかという内幕の報道があり、トランプ政権内の意見対立の様相、良識派の素早い動きがトランプさんの90日延期の判断につながったなどとの解説です。90日後にどうなるかはまだ皆目不明です。

確かに先行き不安だから、消費減税で、少しでも生活が楽に、という気持ちも解りますが、それが別途国民負担を増やすのかどうか、それとも、当面時限的な減税だから赤字国債で賄えというのかその辺もはっきりしません。

だいたい政府は、消費税は社会保障の充実のためと言っているのですが、増税の際、これは社会保障のこの部分にこう使いますといった明確な説明はなく「どんぶり」の中に入ってしまえばあとは解らないのです。

訪問介護などは事業者が急減しているようですがどうなっているのでしょうか。これで減税したら更にどうなると心配の向きも多いでしょう。

米価が上がって、消費者物価が上がるからという意見もありますが、これは消費税減税で対応するのではなく備蓄米放出、農業政策で対応する問題でしょう。所が本気で問題にする政党はいません。

こんな状況を見てきますと、与野党の中の消費減税主張というのは、しっかりした根拠のある政策ではなく、当面選挙の得票を狙った発言といった感じが強くなって来ます。

消費減税をしたら財源をどうするか、期限付きの消費減税を言うなら元に戻すときの経済状態をどう見るかといった責任を持った議論が必要でしょう。

政府には消費税と社会保障費の関係を「どんぶり勘定」でなく「これこれだから2%の増税になりました」という形の国民への解り易い説明が必要でしょう。

減税要求の野党については、社会保障を削ることはないという責任ある論拠の明確な説明がないと、無責任と言われるのではないでしょうか。

政権は勿論ですが、政党として、税と社会保障の一体改革というからには、国民負担率何%、その内、税が何%、社会保障負担が何%、税の中では消費税、法人税、所得税の相互割合、特に所得税については累進税率をどう考えるか、といった、日本経済・社会の基本的な在り方を、それぞれに明確にしながら、その中での相互関係を考えつつ部分的な問題を議論することが必要ではないかと思うところです。 

日本が何故低成長なのか、格差社会化が進むのは何故か、それが日本社会の劣化とどう関係するのか、対策は何か、国際関係や移民の問題なども含めて、常に目指す総体的な姿の全体設計の中での適切な部分設計という基本スタンスがいかなる政策を考える時にも必要なのでしょう。

当面の人気と、選挙の得票といった末節の問題が主要目標になるようでは、何も変わらないのではないでしょうか。


今国会での補正予算はなくなった!

2025年04月18日 13時38分50秒 | 政治

政府与党は、今国会での補正予算は諦めたようです。

マスコミによれば、バラマキはやはり良くないと国民の多くが考えるようになったことが原因のようですが、少数与党になったから出来ないという事が大きいのでしょう。

若し過半数を取っていれば、補正予算を組んで、5万円のバラマキを多分やったでしょう。過半数でないから、否応なしに野党の意見も聞かなければならないという状況の力です。

過半数を取れば、強行採決や閣議決定で何でも出来てしまうという民主主義の逸脱がまかり通らなくなったという意味で、日本の政治も民主主義を少し取り返したというところでしょうか。

石油元売りへの補助金、電力・ガス会社への補助金は、予備費を活用して継続という事になるようですが、これも、ガソリン価格や電気ガス料金を抑えて国民のためという説明でしょうが、実態は、企業への支出ですから、エネルギー価格が下がるところに補助金を継続し、企業に喜んでもらえれば、企業団体献金にそれなりも効果があることを考えてのことだと想像はつきます。

国民の方は「政治とカネの問題」がいかに歪んだものかを多くの状況証拠から理解し、企業・団体献金に違和感や嫌悪感を持つようになってきています。

一方、企業、特に大企業は経団連を筆頭に、政治には金がかかる(実は「得票ににはカネがかかる」でしょう)のが当然のこととして理解されている状態が続いいているようです。

こうした意識は、法人税減税政策の中にも織り込まれているようで、安倍政権の時代に法人税は3回引き下げられ、消費税は2回引き上げられていることなどから見ても、当時の政権与党の中に、潜在意識的かも知れませんが、企業献金は大事という観念が常に働いていたような感じすらします。

消費不振が日本経済不振の主要要因と言われる中でも企業に有利な税制が与党に有利という意識は一貫していたのではないでしょうか。

投票するのは一人一人の消費者ですが、企業・団体献金を集めることがより票につながるという「民」主主義を「金」主主義が浸蝕する状態が続いていたように思うところです。

前回の衆院選挙で、その体制の崩壊の第一歩が始まったようです。

変化は一時的に混乱をもたらし、次第に落ち着くのが原則ですが、この夏の参議院選挙が「民」主主義の回復を、さらにもう一歩進めることを願うところです。

それは、国民にしか出来ない事なのです。真面目な日本人の選挙行動がその動きを明確にすることで日本の政治も経済も必ず良くなると思っています。


賑やかですが成果の出ないトランプ政策

2025年04月15日 12時58分59秒 | 政治

再登場して3カ月、世界中がトランプさんに振り回されています。

アメリカの過半数の人が「この人を」と選んだ大統領ですが、トランプさんの発想の原点が「アメリカは損ばかりしている」という認識ですから、アメリカ「アメリカの富と栄光」を取り戻してくれえると期待したのでしょう。

しかし、世界経済がゼロサム状態の中で、アメリカが得すれば、世界の国々は損をすることになります。  

それでもアメリカ国民だけでなく、世界もトランプさんに何かを期待したとすれば、それは「戦争をやめさせる」という発言への関心の高さがあったからでしょう。

そこで、前回のトランプさんの四年間で思い出すのは、国際的には、TPP離脱、金正恩との握手、イラン核協議離脱などですが、いずれも単に問題が先に残っただけのように思います。 

国内ではアメリカの分断が進み、貧富の差が歴然となり、アメリか社会は不安定になったようで、それは今に至るも続いています。

結局、問題は何の進展もなく、こじれたものは却って悪化し、総てはやりっ放しだったように思います。

トランプさんは、それはバイデン大統領のせいだと言って今回再当選を果たし、バイデンさんには酷い言葉を浴びせています。

前回はそのような事ですが、今回は、新戦略「トランプ流関税論」でアメリカ経済は直ぐに良くなる、USスチールも忽ち復活すると語り、国際的にはウクライナもパレスチナも、戦争はすぐ終わるといい、それにおまけがついて、カナダはアメリカの州になれ、グリーンランドはアメリカが面倒を見ると言い出して、何か大きなことをやってくれるという期待感を持たせました。

 そして今、就任3か月、これまでの実績を見ますとウクライナとはギクシャク、プーチン懐柔は全く効果なし、東部4州割譲の腹案があったのかどうか解りませんが、ウクライナは納得しませんし、それは国連憲章違反です。

パレスチナ問題は、地中海のリゾートをアメリカが創るという空想か現実か解らないものがありましたが、現実は破壊と殺戮に戻ってしまっています。

そして、「偉大なるアメリカの復活」を目指す、最大の問題は、相互関税を活用すれば、アメリカ経済は魔法のように復活するという幻想が現実になるかどうかの正念場を迎えています。

大鉈を振り上げてまず脅し、トランプ流ディールを駆使して少し喜ばせ、株が上がると予言し、世界の国々がアメリカに富をもたらすようにするというのでしょうか。

大統領就任演説の時から、「関税」という武器をトランプさんは誤解していたように思われます。

「関税は自国民が払う」もので、それに耐えて相手の譲歩を勝ち取るという事でしょう。iphoneの値段が上がるからと半導体の関税を外すのでは、さて後はどうするのでしょうか。  

こうしたことは、アメリカには専門家がいくらでもいて、すぐ解る事ですが、なぜか朝令暮改が繰り返されます。それもディールだという意見もありますが、判断は結果が出てからの話でしょう。

これでアメリカの繁栄と栄光は取り戻せるとは思えませんが、これからもしっかり見ていきたいと思っています。


選挙目当てのバラマキより米価引き下げを

2025年04月10日 20時49分25秒 | 政治

7月の参議院選挙を控えて、石破自民党の政策は支離滅裂になって来たようです。

今日のニュースによれば、7月に全国民に一律5万円の給付金を支払うよう検討に入ったとのことです。

2020年に安倍首相が全国民一律10万円給付をしていますが、今回は5万円で、こんな有難い政府なら、現政権に投票しようというと国民が考えるだろうという思いからのバラマキなのでしょう。

トランプ関税で、世界中が揉めていますが、日本などでは冷静に見守るのが良いというのが世論だと思うのに、石破内閣は「これは国難だ」国民が吃驚するような言葉を当て嵌め、「生活が苦しくなるでしょうから、些少ですが5万円差し上げます。石破内閣は国民の生活を大事にします」というのでしょうか。こんな事を考えて発表した途端に、トランプさんは相互関税は90日間停止と言い出しました。

石破さんはどうされるか知りませんが、国難の来るのが7月に遅れて、その後もどうなるか解りませんが、7月に、90日の関税停止の期限が切れるから丁度いいという事になるのでしょうか。

そんなバラマキをしても、2020年の国民1人10万円の給付も、殆んど使われず貯金残高になっていることは統計上も明白で、今度も同じでしょう。

それだけではなくガソリンの値段が上がったから下がるように元売りに給付金をという事のようです。

海外ニュースでは、OPECプラスは原油の増産を決め、もうすでに原油価格は下落に転じています、もうすぐガソリンも安くなるでしょう。この時期に補助金ですかと誰もが考えます。

そんなバラマキをするのなら、国民が一番困っているコメの値段を何故下げないのですか。毎日食べるお米の値段が2倍でも気にしないのですか。

農水省は、コメの値段を下げたくないのでしょう、備蓄米の放出は、コメの値段を下げない程度に調整されているとしか思えません。

現状、コメは流通段階のどこかに溜まっているのです。収穫は平年並みですから、値上がりを待っていることは明らかです。

若し、2倍になった値段が下がる見通しになれば、値上がり期待のコメの在庫はドット出て来て忽ち米価は下がるでしょう。

そうならないようにコメの値段をコントロールできるのは政府しかありません。その政府の意図は,備蓄米の放出量の少なさを見れば明らかです。

コメの値段が元に戻れば、消費者物価指数の上昇率は1%近く下がるでしょう。

5㎏のコメを買うたびに2000円近く余計払わなくてよくなれば、補助金も給付金も不要で、補正予算も必要なく、すべての国民がはみんな大喜びをすることは解っているはずです。消費者物価指数上昇が緩やかになれば、日銀も金融正常化がやり易くなるでしょう。

こうした経済合理性の中での政策を選択せず、赤字財政の中で、さらに国民に借金してそれを国民にばら撒いて、見せかけの善政で、国民の支持を得ようとしても、それはあまりにも国民を愚弄するものでしょう。

日本国民はそれほど愚かではありません、支離滅裂の人気取り政策で、政権に執着するのではなく、本気で、日本のため、国民のための政治をしようと考え直しては如何でしょうか。


世界の安定にはアメリカの反省が必要

2025年04月07日 14時45分01秒 | 政治

トランプさんが2度目の大統領に就任して3か月、トランさんは、アメリカのどの大統領も出来なかったことを就任3カ月で成し遂げたと自画自賛しているようです。

しかし、それはトランプさんという人の頭の中だけの話で、客観的に見れば、アメリカが作り上げようと努力してきた自由と民主主義を基調にした自由世界という地球上の多くの人々の望む世界秩序を、「トランプのアメリカ」実現のために分断し、破壊することを厭わない野蛮な行為になっています。

そのために、この3カ月で、自由世界は、これまでの協調による友好と発展から、分断と利害相反、時に憎悪という様変わりの煉獄に向かっているように思われます。

これは、広く世界の問題という広がりになっていますが、この方向転換を推進する「トランプのアメリカ」自体の中も、分断と憎悪が生まれ始め、デモが頻発する状況になりつつあり、さらにデモを越えて、一部には破壊活動(車に放火など)まで起きて来ているのです。 

更に経済の分野では、実体経済の動きを先見すると言われる株式市場の連日の暴落が起き、ドル価値の下落といった現象がすでに顕著です。

トランプさんは「これは一時的なもの」との発言するにとどまり、その発言に合理的な説明も裏付けもありません。

関税さえかければ、アメリカ経済は容易に復活するというトランプ理論には、ノーベル賞を総なめするようなアメリカの経済学者達が、基本的に誤りといったものとの見解を示しています。

テレビでトランプさんはさすがに憔悴した表情で「一時的な苦しさも必要」などといっていましたが、このまま放置すれば、問題は一時的ではなく、アメリカ経済は致命的な長期低落路線に向かいかねません。

理由は、そう難しいものではありません。アメリカが内向きになり、自国の利益だけに固執するようになれば、どの国もアメリカとのビジネスは警戒し、出来れば敬遠ということになって、「アメリカ・パッシング」の状態が起きるでしょう。ドルの価値が下落すれば、ドルは売られ、基軸通貨の地位も揺らぐでしょう。日本も中国もアメリカ国債の巨大な保有国で、アメリカはそれを売られる事には殊更神経質ですが、ドルよりも円やユーロの方が信用出来るといったことになればどうなりますか。(かつては「何かあれば円」の時代も)。   

これはトランプさんの考えている筋書きとは180度違うものですが、可能性は半々でしょう。

アメリカが、そうならないためには、アメリカ自身(トランプさん)が反省し、自由世界が望むようなアメリカでなければならないのでしょう。

トランプさんは「アメリカにに投資を」と言いますが、アメリカには十分カネはあるのです。GAFAM5社の時価総額を見てください。560兆ドルで日鉄のUSスチールへの投資2兆円(130億ドル)などは、爪楊枝の先程度でしょう。

アメリカの富を、アメリカの経営者が、ラストベルト回復のため使わないのです。理由は、それをやっても儲からないからでしょう。トランプさんの関税政策で、アメリカの経営者が鉄鋼や自動車産業に投資するようになるかどうか、問題は、アメリカ自身の問題なのです。   

経済学的には、ドルを2割切り下げても同じ様な効果になるのでしょうが、アメリカの面子が立たないという事でしょうか。

基本は、アメリカ自身が反省して、アメリカの経営資源を有効に使うように心掛けるかどうかにかかっていると自覚する事ではないでしょうか。


民主主義の「トリセツ」:再論

2025年04月04日 22時52分41秒 | 政治

大分前に「民主主義のトリセツ」という事でまとめの様な事をしてみたことがあります。

民主主義と言えば、関わる問題は広範囲なので、あれは民主主義の基本である「選挙」の「トリセツ」だったかなと考えています。

もう少し言いますと、「独裁者になる可能性のある人を選ばないための選挙のトリセツ」といった方が正確かと思います。

何故そんな事を書いたのと言いますと、このブログではいつも指摘していますように、歴史上で、戦争をする人を見ていきますと独裁者が圧倒的という気がするからです。ですから、

・戦争を無くするのには、独裁者が居なくなるようにすることが必要。

・独裁者と言っても、最初は選挙で選ばれた場合が多く、リーダーをしているうちにだんだん独裁者になることが多い。

・そうであれば、選挙の時に、独裁者になる可能性のある人を選ばないようにしなければならない。

では、独裁者になりそうな人を選ばないための具体的な方法をいろいろと考えて、そのためのヒントの一覧表を作り、立候補者をその一覧表に当て嵌めてみて、当て嵌る項目の多い人には投票しないようにする。

という事になるわけです。

そこで、大分前に検討してみた結果が、下に列挙した項目です。

勿論試作品ですから、今後さらに検討して、確りした、納得性のあるものにしていく途上のものです。

1、 過去の経験から、リーダーの最長任期を決めたら、それを伸ばそうとする人をリーダーに選んではいけない。
2
、 自分も嘘(Fake)言いながら、他人の言う事を嘘(Fake)だと言う人をリーダーに選んではいけない。
3、 情報を操作している人、あるいは、操作しようとしている人をリーダーに選んではいけない。
4、感情の起伏が激しく、舞い上がったり激怒したりする人をリーダーに選んではいけない。
5、強い被害者意識を持っていて、それへの共感を求める人をリーダーに選んではいけない。
6、選挙権を持つ人は、候補者の「信者」にならないように気を付けなければいけない。
7、外交に比重を置きすぎる人には要注意
8、次々と新しいテーマを掲げる人は要注意。

この他に、「自画自賛を積極的にするような人には気を付けた方がいい」などというのも付け加えたい気もしますが、プーチンさん、習近平さん、トランプさん、ネタニヤフさんなどを念頭に、試して見て頂くと、色々なことが見えてくるような気がします。


「独裁者が戦争を起こす」が歴史の現実

2025年03月17日 14時55分42秒 | 政治

今年は日本にとっても世界にとっても大事な年のようです。

日本にとっては長い経済の低迷状態から何とか脱出しなければという意味で大事な年だと思っています。

世界にとっては、ウクライナやパレスチナで続いている戦争を何とかして止められないかという意味で重要な年です。

このブログでは、この2つの問題を今年の元日と2日に書いて来ました。

日本経済の方は春闘が主要な問題とみられ、このブログでもその点を重視しています。春闘は現在進行中で、多少の前進がみられるようです。

ウクライナとパレスチナでの戦争の問題は、日本には直接の手出しができる問題ではありませんがトランプさんが、アメリカの大統領という立場で本格的に取り組んでくれるというので、日本はその成功を願う立場でしょう。

成否のほどはまだ判断不能ですが、そうした国際問題への関心と共に、このブログで球上で戦争が起きないための方途という問題に強い関心を持っています。

既にこの問題は種々取り上げていますが、具体的には、戦争と独裁者の関係です。

歴史の現実を見れば、戦争を起こすのは殆んどが独裁者のようです。中世までは、国というのは殆んど王制ですから、王様が独裁的であれば戦争が起きるようです。

勿論、近世以降も帝政はあり、フランス革命の様なリベラルな動きの後でナポレオン皇帝が出現したり、ドイツでは選挙で選ばれたヒットラーが独裁者になって第二次大戦の惨禍が起きたり、この時は日本も天皇制を奉じた軍部が独裁者としてドイツと共に戦ったことはご承知の通りです。

さらに近くは、ゴルバチョフが共産党一党独裁のソ連邦を解体して生まれた民主国家ロシアがいつの間にかプーチンという独裁者の国になってしまっています。

更に鄧小平の改革開放の後の中国が、習近平に至って独裁国家に衣替えかと言われる状態になったりしているようです。

いま世界中の80億人と言われる人々のほとんどは、平穏な日常と、次第に豊かな暮らしが実現し、快適な社会になって欲しいという願いをもって日々の生活をしているのでしょう。

それなのに、なぜ、そうした人々の素直な意識や願いに反して、独裁的なリーダーが生れ、戦争が起き、破壊と殺戮が日常茶飯事のようになるのでしょうか。

どうしたら、そうした多くの人の願いに反した残念な事態が起きないようにすることが出来るのでしょうか。

今後、世界の平和を考えていく事が、ますます必要になるでしょう。何故なら、何か近年、独裁的なリーダーが実権を握る国が多くなっているような気がするからです。

世界最大の石油埋蔵量を持つと言われる豊かであるべき国ベネズエラでのハイパーインフレによる経済破綻、独裁政権は倒れてもシリアの止まらない内戦、パレスチナに殲滅の圧力をかけるイスラエル、理想国家の建設を目指したリビアの独裁化による内戦と分断などなど、仏教国ビルマでのクーデターによる独裁政権と内戦、などの多くでは国家経済の崩壊、内戦や分断が起きているのです。

こうした現実を見れば見る程、人類のために戦争を止めなければならない。そのためには、先ず、独裁政権の誕生を、未然に防止することが必要となるのです。

そのためには、独裁政権の誕生の原因を見極め、その上で、何をしなければならないかを徹底検討していかなければならないでしょう。

折に触れて検討を続けたいと思います。


原案通りに決まる方がおかしいのでは?

2025年02月18日 12時45分40秒 | 政治

国家予算の審議が続いています。

今国会では与党が過半数でないので、修正もありうるといった事は始めから言われていました。

どんな会議でも、事務局が原案を出して、それを審議するために、みんなが集まって議論をして、良い意見は取り入れて「皆さんの知恵を集めて、お蔭さまでベストの案が決まりました」という事になり、みんなが「良かった、良かった」というのが本来の会議の目的であり、会議の機能ではないでしょうか。

今回の国会は、やっとそういった真面な会議に近づくことになって、本来の国会の姿を見せてくれるだろうと思っていました。

そしてそれが、実現する雰囲気も生まれ、夫々の党が自説に固執するという今までの癖が抜けきらない所があるとしても、まあまあ良かったという事になるのだろうと思っていました。

各党も、特に野党第一党の立憲民主党も、少数与党なのだから予算成立を人質にとって、成立を遅らせて、与党の失点にするなどという事は考えず、年度内の予算私立を大事にするという考え方を明らかにしています。

自民党が野党の時はいろいろあったようですが、予算成立を人質にとるという事は、国民を人質に取るという事でしょう。

期限通りに良い予算を作り上げ、スムーズな執行を可能にして、国民を安心させることが国会議員の責務でしょう。

こうした国会議員の良識、野党を含めた、国民全体のことを考えるという姿勢が生まれて当たり前と多くの国民は考えているのではないでしょうか。

そうした中で、何となく違和感を感じるのが、マスコミの表現です。 

というのは、多くのマスコミのニュースが、石破総理が予算案の修正しますと表明したことを、何か大変なことが起きたようなトーンで報道しているのです。

今まで、自公が絶対多数で、いざとなれば、シレッとして強行採決をやっていたという事が続いたので、総理が予算案の修正を表明したのは「破天荒」なことという感じを持っているのかもしれません。

しかし真面に考えれば、修正があるのは当たり前の事で、今まで与党がやってきたことが異常なことだった、という視点がはっきり出てほしいというのが、「違和感」の原因のようです。

マスコミにはマスコミの流儀があるのかもしれませんし、確かに、石破総理は、不器用に、馴れない事をやっているのかもしれません。

今までも、これからも、望ましいのは、国会審議で、原案がより良いものになっていくのが当たり前の姿だという事に、たとえ与党が過半数であっても、今後はなっていく事ではないでしょうか。そうなっていく事を願うところです。


トランプさん:ディールと独裁の間

2025年02月12日 14時22分53秒 | 政治

石破・トランプの首脳会談が終わって、マスコミが不安視していた石破さんの対トランプ戦略が、無難というより成功裏に終わったというのがマスコミの評価でしょうか。

「あの人は反対されるのが嫌いだから」という石破さの読みは当たって、滑り出しは先ず順調という評価ですが、トランプさんが早速取り掛かった関税問題では、そんな事には関係なく、「粛々と」進められるようです。

昨日のニュースでは、アメリカの輸入する鉄とアルミ製品について一律25%の関税をかけることが決まったという事です。

これ迄はそれぞれの国について一定限度までは適用しないという事で、日本では限度内の輸出をしていたようですが,そうした特例は認めないという方針とのことです。

日本の場合、鉄やアルミの対米輸出は、それほどの規模でないため、日本経済として大きな影響を受ける事はないとのことですが、個々の現場では影響は大きいでしょう。

元々アメリカという国は儀礼上とは別に、国策、国益としてやらなければならない事はきちんとやる国なのです。それは、日本では「ロン・ヤス」蜜月いっていた中で、G5の場では円高容認を求めた「プラザ合意」でも明らかと先日も触れた通りです。

一律の関税適用問題は、従来からトランプさんの重要な主張でしたが、それ以外でも次第にトランプさんの思考パターンを示すような方針、布告、発言などが出て来ています。

例えば紙ストローをやめてプラスチックに戻せとのことで、そんな細かい事をと言いたくなりますが、これは、化石燃料中心に戻せば「アメリカ・ファースト」に叶うという信念の現れでしょう。

また、大変気になる発言も出ています。ハマスが「イスラエルが停戦協定の破ったから人質解放を延期する」と発言したのに対し、イスラエルの行動には触れず、「期限までに人質の全員開放をしなければ、停戦協定破棄」と発言している事です。

イスラエルのネタニヤフ首相に大きな影響力を持つトランプさんです。この発言がディールの一環なのかは今後明らかになるのでしょうが、トランプさんは戦争を好まないという見方には疑問が生じます。

更にトランプさんのICC(国際刑事裁判所)に対する制裁については行き過ぎたイスラエル擁護との見方もあります。

これからもトランプさんの発言・行動などの報道は連日でしょうが、平和を愛する人か、権力を愛する人か、次第に見えて来るのではないでしょうか。

このブログでは「民主主義のトリセツ」のシリーズを書いていますが、それによれば4年の大統領の期間中に、もっと大統領を続けたいといった意思表示があれば、トランプさんは、確実に独裁者の列に入るという事になります。