2021年5月家計調査:消費性向改善続く
今回はコロナ後を見据えての法人税制の問題についてのつもりでしたが、昨日5月分の家計調査が発表され、平均消費性向が3か月続けての改善になったので、少し中身を見てみたいと思います。
2か月前に3月の家計調査を取り上げた際、家計消費に少し動きが出るのかと指摘しましたが、いまの所それが続いているようです。
先ず2人以上の全所帯の消費支出の動きを見ますと2020年平均は前年に比べて5.3%のマイナスでした。コロナのせいもありという事でしょうがこの流れは今年の2月まで続き、今年の2月は昨年2月に比べて6.6%のマイナスでした。
ところが今年の3月に至って、これが、6.2%の増加に転じたのです。4月からなら解りますが(昨年の4-5月は第一次の緊急事態宣言) 今年3月も似たような条件だったのに関わらず数字が急に高くなったのは何だろうとか思いました・
しかしその後も、4月は対前年同月13.0%の伸び、そして今回5月も11.3%の伸びと、同じ緊急事態宣言の中でも10%を超える消費支出の伸びが続いています。
先月のブログでも疑問を呈しましたが、同じコロナの中でも、家計も、企業も、急に、環境に対応しつつ消費を伸ばすような生活や商売の仕方を開発したのでしょうか、それとも、巣篭りに我慢できなくなったのでしょうか。
いずれにしても3月、4月、5月と、家計の消費支出は前年を1割前後上回る状態になっているのです。
特に、4月には被服履物といった外出と関係ある消費品目、それと連動するように教養・娯楽が品目として伸びてきているのです。
5月は、巣篭りの中でも伸びていた住居関係は30%近い伸び、交通・通信、教育、教養娯楽も共に20%を超える伸び(前年同期比、実質)の伸びといった具合です。
こんな状況ですから、2人以上勤労者所帯の「平均消費性向」も上昇傾向だろうと見てみますと、今年に入って、対前年同月の%ポイントで、
1月 -1.4 (‐3.0)
2月 -4.4 (‐1.1)
3月 +6.5 (-1.1)
4月 +6.1 (+2.7)
5月 +13.1 (-4.0)
ということで、いずれにしても、3月から状況急変です。 <括弧内は可処分所得対前年同月比%>
勤労者所得の場合は、収入面も統計数字がありますから括弧内に可処分所得(手取り収入)の対前年同月比(%)を併記しましたが、4月以外はマイナスでも消費は堅調です。
ところで次回は6月初旬の発表ですが、昨年の6月は、例の1人10万円の給付金支給が集中したつきですから、その分例年より平均消費性向は低くなっているようです。
今年6月の平均消費性向は、多分その影響が出ることになると思われますし、その先の7月以降がどうなりますか。
、ワクチン接種の今後が不透明な中で、消費性向の動向と、経済景気の動きがどなるのか、今後も確り見て行きたいと思います。