tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政府は最悪の事態を考えているのか

2021年07月28日 21時10分23秒 | 政治
オリンピックは、選手や関係者のコロナ感染など多少の問題をはらみつつも、競技の方は、なんとかきちんと進むみつつあるようです。

マスコミも、日本選手の活躍を大きく報じ、無観客等ということはアスリートも思ったほど気にせず、ベストのパフォーマンスをすることに完全に集中し、ネットを通じてみる人もその気迫の映像に100%満足しているのではないでしょうか。

その意味では、オリンピックの方は、このままいけば特殊な状況の中であってもそれなりの成功と評価されそうな気配です。

しかし、一方で毎日午後になって、昨日のコロナ感染者の数字が発表になると、皆一様に顔を曇らせ、これからどうなにのだろうと考え込んでしまいます。

そして今日は、東京の感染者が3000人を超えたと言いう発表があり、全国では9500人余と1万に近づき、県別にも過去最高の件が続出という惨憺たる状況です。

東京隣接3県の知事は共同で、緊急事態宣言発出を政府に要請することで合意、政府も、申請があれば、速やかに対応する旨を発表していますが、既に巷では、「そんなもの何度出しても同じ」などとシラケた声も聞かれます。

勿論緊急事態宣言が出れば、県も動きやすいし、なにがしかの効果はあるかもしれませんが、現に東京が緊急事態宣言下で、昨日は2800人を超え今日は更に急増3177人という状況ですから、巷の声も重く響きます。

菅首相は、「国民は不要不急な外出は控えてほしい、人流は減っている、五輪継続は心配ない」と言っているとのことですが、この時期にそんな考え方でいて、それで国民の健康と生命を守るという発言とどう整合的な説明をするつもりなのでしょうか。

自然との闘いでは、常に最悪の事態を想定せよというのが探検家、冒険家の鉄則だそうですが、コロナウィルスの繁殖という自然現象は容易に人間の予測を裏切ります。

総理は、最大の防衛策であるワクチンについてはこの所全くノーコメント、このままで行けば、東京の感染者数だけでも容易に万単位になる可能性も否定できないでしょう。

コロナでもコロナ以外でも病気になっても病院にも行けない、診察も受けられないような状態も起こりつるでしょう。
その時は不要不急の外出が多いからだと国民のせいにするのでしょうか。

このままでは、五輪は日本の中の特別なサンクチュアリーで、それ以外の日本社会はコロナウィルスの跳梁に任せるのでしょうか。

まだ65歳未満の日本人は殆どワクチンを打っていないのですから、いわゆる「コロナバージン」で、コロナウィルスのいる飛沫やエアロゾルを吸い込めば、容易に感染しますから、コロナに罹りたくない人は、いつも家にいてください ということで、差し当たって済まそうというのでしょうか。

この1年半ほど、政府がやってきた、対策の後追いと同じ失敗の繰り返しをつぶさに顧み、口癖の「万全」は無理でしょうが、もう少し役に立つ「コロナ対策の新機軸」を考える能力は、政府にも、専門家会議にもないのでしょうか。