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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

<月曜随想>森永卓郎さんの生き方

2025年03月24日 15時42分09秒 | 随想

去る1月、森永卓郎さんが亡くなりました。

森永さんと親しいとか、特に関係があるという訳ではありません。森永さんが獨協大学で教えておられた頃、企業の中堅グループが企画したセミナーに講師で来られ、企業の中堅管理者向けの話をされるのを聞く機会があったことと、後年、森永さんが編者の本に、出版社の編集担当者の依頼で執筆したことぐらいです。

その後は、「ザイム真理教」など、大蔵法、財務省の財政均衡を説く経済学に、「均衡に縛られ過ぎては経済は良くなりません」などと書かれて随分人気を集めたこと、さらに、ステージ4の膵臓がんの宣告を受けながら、体力や外貌は衰えても、気力も舌鋒も全く変わらずに経済の問題、人間の生き方などに、ますます独特な発言をされる元気を失わないという人間の精神力の強さに感銘を受けつつ、その発言をお聞きしていました。そしてまさに、人生の最後が発言の最後になり、訃報をもってすべてを終えたというところまで見とどけることになったのです。

若手の経済学者だった頃の中堅管理者向けのお話は、細部は覚えていませんが、サラリーマン人生いろいろだけれど、頑張れば、何かいい事がありますといった中堅管理者向けの応援歌だった記憶で、「あの先生の話は面白いよ」と推奨した覚えがあります。

享年67歳は、まだまだお若いですね。もっともっと健康で活躍しておられれば、もっと積極的な意見も聞けたのではないかなどと欲を言いたくなります。

ステージ4の、しかも膵臓がんと診断された時は、大きなショックだったでしょう。

しかしその後も、そうした様子も見せずに、証券バブルについての問題を指摘し、自分は全株をすでに処分した、いずれ株価の崩壊は来るといった警告や、マネー経済のバブル化の危険を指摘され、多くの方に解って欲しいという事でしょうか、マスコミへのプレゼンスに全力を尽くしておられたように感じられます。

実は、あのエネルギーの源は何かという事を考えた時、森永さんが、繰り返し書き、話された言葉に、ある意味では、人間の本質を見るように感じ、今日の随想を書く気になったのです。

森永さんが言っておられるのは「人間死んだら何もなくなるのだから、生きているときに幸福で楽しくやらなきゃダメでしょう」という趣旨の人生の意義、自分の生活の仕方です。

単純な言葉の中に深遠な意味が凝縮しているのは、「人間、死んだら何もなくなる」という言葉です。

何と素直な「悟り」の世界でしょう。森永さんなりの「悟り」の境地を開き、それを明確に発言し、生きている事の意義を際立たせようという事ではないでしょうか。

森永さんは、多趣味だったようですが、多くの趣味を持ち、明確な思想、意見を持ち、その趣味を追求し、自分の意見を述べることが、自己表現で、自己表現こそ生きていなければ出ないのですから、生きているうちに、自己表現を出来るだけしておかなければと考えておられたのでしょう。

古来、「虎は死んで皮を越し、人は死んで名を残す」と言いますが。森永さんの自己表現は森永さんの名と共に残るのです。

「人間、死んだら何もなくなる」と大悟しつつ自己表現に努めた事が人の心の中に何かを残しているのでしょう。  

そう言えば、森永さんは、お礼は、貰った相手でなくても、ほかの人にでも誰かにすれば良いと思えば気が楽になると言っています。この辺りも何か関係がありそうな気がします。(合掌)


<土曜随想>「解る事」と「解らない事」

2025年03月15日 13時48分28秒 | 随想

月曜随想のつもりが土曜随想になってしまいましたがお許しを頂きたいと思います。

昨日、「米価は暴落の可能性がある」と書きましたが、アクセス頂いた数は、それほど多くありませんでした。多分多くの方は、米価は多分下がらないよと思っておられ、読む事もないと感じられた結果と推測しています。その背後には、米価は政府の政策で決まるモノという意識が一般的という事でしょうか。

下がるかどうか、今は解りませんが、時がたてば解る問題です。

全然違った世界的な大きな問題ですが、トランプさんが登場して、手を付けるのが難しいと思われていた問題に、大胆に手を付けています。誰もが躊躇するウクライナやガザの問題、それにアメリカ大統領ですから、万年赤字国を脱出するという難題などなどです。

トランプさんは2か月で大変な成果を上げていると自画自賛ですが、本当の成果はまだまだ分かりません。この問題も、時間がたてば解って来るのでしょう。

入学試験や、資格試験などの問題は正解がありますから、良く考えれば解る場合もありますし、後からでも、正解を見れば解ります。

解らない事があると、人間は「解りたい」と考えるようで、そこに、解説書や辞書,辞典などの役割があるわけです。今は、こうしたものは殆んどネットに取って代わられていますが、今後はさらにAIが大きな役割を果たしてくれることになるでしょう。

時がたてば解る事は時がたてば、それが人間の知識の知識や知恵になるのでしょう

人間の積上げた知識が膨大になり、それへのアクセスがますます容易になるので、人間にとって解ることがどんどん増えているのが、今の世の中でしょう。 

ところが、やっぱり人間にとって、どうにも解らないことがあります。

先ず、時間です私の時間は私が生まれた時に始まって、私が死ねば終わるのですが、それに関わりなく、46億年前に地球が生まれ、その前に太陽があって銀河系があって宇宙があって、一体、時間は何時からあるのですか。そしていつまで続くのですか。宇宙が終わっても時間は続くのですか・・・。

宇宙も解りません.138億年前にビッグバンがあって宇宙が出来て、今も拡大中だと言われます。拡大しているという事は、拡大する余地があるからで、その余地は宇宙ではないのですか、その余地の広がりは何処まで・・・。 

という事で、これは人間には解らない事なのでしょう。

「解らないでは済まない」という人と、「解らなくていいんだよ」という人がいるようです。私はどちらなのでしょう。


<月曜随想>人が人を殺めることは犯罪ですが

2024年06月17日 20時59分58秒 | 随想

地球が誕生して46億年といわれています。その46億年の間に地球は地球なりの自己生成を遂げてきたのでしょう。

やはり特筆すべきは、鉱物ばかりの地球に、どういうわけかバクテリアが生まれ、植物が生まれ、動物まで生まれたのです。

植物や動物は自己再生を繰り返し、生物体は自己保存、繁殖をします。つまり長い長い時間にわたって存在し続けるのです。

さらに生物体は、その長い長い時間の中で突然変異によるのでしょうか進化を遂げてきたのです。そし200万年近く前になって、われわれの先祖である原人が誕生し、数10万年前にはもう我々に近い旧人が生まれています。

旧人としてはネアンデルタール人やデニソワ人が知られていますが、DNA解析では我々のDNAにはネアンデルタアー人やデニソワ人と交雑した形跡が残っているとのことです。

我々新人ホモサピエンスは30万年ほど前にアフリカで誕生し、10万年ほど前にその一部がアフリカを出て世界に広がり、今、80億人が進化の頂点にいるのです。

造化の妙という言葉がありますが、中沢新一氏によれば、新人は流動的思考という特徴を持ち、阪大の北沢茂教授によれば大脳の楔前部の発達により、経験を時系列に整理して記憶し、過去、現在、未来(想像)を常に縦観できる能力を持っているとのことです。

宇宙広しといえども、あまり存在しないこの特殊な進化の成果を大事にしようという本能プラス意識を人間は生まれながらにしてみんな持っているのです。

ところが、その人間(新人・現生人類)が以前から戦争という形で殺し合いをしてしまうのです。

何故そんな事になるのかを考えてみると、自己保存という本能というより、大脳の思考能力から発する欲望の行き過ぎによるような気がするのです。

これが個人間で起きる場合には現在では進歩した裁判制度があり罰則が科せられます。その場合。死刑のある国とない国がありますが。死刑の場合は反社会的ということで社会から(殺人が)認められていつということでしょう。

問題は戦争です。私も国民学校の6年生の夏までは「鬼畜米英、我らの敵」「四海の人を導きて正しき平和打ち立てん」と言って正義と平和のためにと戦争完遂を目指して生きていたのです。

後から解ってみれば、それは軍部の一部の独裁者の無思慮な思い込みに引きずられた恐ろしい経験だったわけで、もう数年早く生まれていれば、戦場で正義の名のもとに見知らぬ人を殺傷していたかもしれません。せっかくの進化した地球の発展の成果の自分を含め損壊して正義と感じる過ちを犯さなかった幸運(生れ年)に感謝しなければなりません。

しかし、今日現在でもロシアやイスラエルでは無思慮なリーダーを信じて良き友人知人であるべき人間を自分を含めて殺傷する戦争の中にいる人が大勢いるのです。

今の国連の枠組みでは国家には主権があり、人類社会全体から見れば明らかに人間を殺傷する犯罪を犯しながら、それを正義と信じ、あるいは自らの人間性を否定して戦場で戦っている人がいます。

この許されない現実を、現生人類は、これ迄の進化発展の成果を以てしても解決できないのです。こうした状態がいつまで続くのでしょうか。嘆くしかないのでしょうか。


今日は春らしい良い日です

2022年03月24日 20時05分05秒 | 随想
此の3日ほど、天気も良くなく真冬のように寒い日があったりしましたが、今日は春らしい良い天気になりました。

天気が良くなると、気分も明るくなります。朝方大幅に下がっていた日経平均も午後になって持ち直して、これで気分がさらに明るくなった人もいるのではないでしょうか。

これでロシアの暴走問題がなければ、もっと明るい気持ちになれるのでしょうが、人間というのはまだまだ未熟なようです。

今の人間は「新人」、ホモ・サピエンスで、30万年ほど前にアフリカで生まれ、10万年ほど前に一部がアフリカから出て、世界に広まったようです。

原人やネアンデルタール人は絶滅して人類はホモ・サピエンスだけが生き延びて地球を支配するに至っているのですからホモ・サピエンスは環境適応能力がそれだけ優れているという事でしょう。 

それでも、宇宙の歴史138億年(ビッグバン以来)、太陽系が生まれてから46億年の中で言えば、ほんの一瞬の出来事かもしれません。

それでも人間にとってはそろそろ100年になろうという寿命は結構長いので、その間に、良いことをする人も、悪いことをする人もいるわけです。
みんな仲良く元気で過ごせればそれでいいのに、何でトラブルを起こすようなことをするだろうと考えても、それが人間ですと言われればその通りなのでしょう。

今度のロシアが仕掛けた戦争が、世界中で評判が悪いという事は、もしかしたら、こういう人と人とが殺し合うような野蛮な戦争は今回で終わりという事になる兆しかもしれません。人間は経験に学ぶことが出来るのでしょうから。

しかし、もしこの戦争が、人類が最も恐れている核戦争に発展すれば、環境適応能力に優れていたホモ・サピエンスは、その優れた能力の使い方に失敗して絶滅したということになるのでしょう。

太陽の寿命は100億年ほどと推定されており未だ何十億年かは地球人類に無償のエネルギーを供給してくれるようですから、人類は地球上で、まだまだ長い間、楽しく多様な進歩を経験して行けるのでしょう。

宇宙の事ですから、何が起きるかは解りませんが、このままでいけば、ホモ・サピエンスには、生まれてこの方の30万年とは比べ物にならない何十億年という長い時間が与えられているようです。

その時間をもっともっと楽しく有用なものにしていくためにも、無用なトラブルを早く処理するような知恵を、みんなで出していきたいと思う所です。