tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

困った「資本原理主義」

2006年02月23日 23時37分14秒 | インポート
 ライブドアもとうとう整理ポスト行きのようですね。
 ライブドアに限らず、このごろ「お金でお金を稼ぐ」ビジネス(?)がはやります。
 こうしたビジネスは、何か「本当の企業のあり方」とは違うという感じをお持ちの方は多いと思います。だから「虚業」などといわれるのでしょう。私もそう思います。
 では「本来のビジネス」、「本当の企業のあり方」とは何でしょうか。
 歴史的に見れば、企業というのは、人間が自分たちの生活をより豊かに、より便利にするために発明した「仕組み」、つまりシステムということでしょう。
 企業の代表的なものである株式会社、大勢の人からお金を集め、人間(労働力)もたくさん集めて、たとえば、蒸気機関の発明を利用して、鉄道や紡績工場を作り、社会を便利に豊かにする。蒸気機関が電気やガソリンエンジンになっても、機械がメカトロニクスになっても同じです。
 世の中は企業の努力と発展のおかげで、ずいぶん豊かで便利になりました。この源は企業の作る付加価値です。国全体合計すれば、それはGDPです。企業の作る付加価値が増えればGDPが増える、つまり経済成長です。
 これが企業の本来の役割ではなかったのでしょうか。
 ところが、ライブドアの時価総額が最大になっても、村上ファンドの運用資金が何倍に増えても、GDPには全く関係ありません。起こっていることは、豊かさが、ライブドアや、村上ファンドの手に移転していくだけです。これが「お金でお金を稼ぐビジネス」の実体です。
 眼中にお金しかないビジネスは「資本主義」ではなく「資本原理主義」でしょう。「資本原理主義」の横行は困ったことです。◇

忘れられた付加価値

2006年02月12日 18時19分22秒 | インポート
 かつては企業活動の成果として付加価値が注目の中心でしたが、最近は、売上や利益、時価総額、キャッシュフロー、などの方が良く目に付きます。

 企業の役割というのは、付加価値を作り出して、それによって、社会を豊かに快適にすることですから、その基本的な指標である「付加価値」をもう一度、思い出して、注目するようにしたいものです。

 そんな視点から企業経営の意味を見直していきたいと思います。

 この視点を中心に、いろいろ書いていきたいと思いますが、ご興味やご疑問をお持ちの方からの意見を歓迎します。