先日土曜日に、「解る事と解らない事」を書きましたが、解らない事の中でも、調べれば解る事と、時がたてば解ってくることがあると書きました。
トランプさんが、ウクライナやパレスチナの問題は「自分ならすぐに片付ける」と豪語していましたが、時がたって次第に結果の「解る」部分が出て来たようです。
トランプさんは、取りかかったばかりの頃から、大変な成果を上げたと自画自賛していましたが、自画自賛をする人の言う事はあまり信用できないというのが世の中の通説ですから、何か最初から心配でした。
前回大統領になった時も、北朝鮮と話し合えばいい結果が出ると言って世界の耳目を集めるショーをやりましたが、結果は何も変わらず、北朝鮮は原爆と大陸間弾道弾の開発を続けて、今に至っています。
今回の大きな問題は、ロシアのウクライナ侵攻問題とイスラエルとハマスの紛争の解決です。
後者の問題は、早期に6週間の停戦が合意され、次は恒久的な和平の可能性が見えるかと思われましたが、トランプさんの、人質全員の解放がなければハマスは地獄を見る、という予言の通りになって、停戦前のハマス殲滅作戦が戻っています。
結局現状は、人質を返さなければ地獄、返せばハマス殲滅作戦は、イスラエルの思い通りに進められるという、どちらを選んでも結果は同じという選択になってしまったようです。
人質全員を返せば、アメリカがハマスの安全を保障するという説明がハマスにとっては必要だったということでしょう。
このままでは、何も変わらなかったという結末になりそうです。
ロシアのウクライナ侵攻の解決はもう少し複雑です。トランプさんは、早急にサウジアラビアで米ロの話し合いを進め、解決方法を見出すといっています。
しかし、現状は、エネルギー施設の攻撃は停止で合意しましたが、ロシアは民間インフラの攻撃は続けており、包括的な停戦については、ウクライナが受け入れ、ロシアは拒否し、戦争は継続、ウクライナはロシアが民間病院を標的にしていると言っています。
こうした食違いがある中で、トランプさんは、新たに、ウクライナの原発をアメリカが所有し管理運営するという提案をしました。
これい対し、ウクライナは原発の所有はウクライナと主張しているという事です。見方によってはザポリージャ原発(現状はロシア占領地内)なども含め、アメリカ所有はロシアの侵攻阻止に役立つ効果を持つ可能性もありますが、どうなるでしょう。
ロシアの態度は解りませんが、当然ロシアのものと主張するでしょう。
ロシアは徹底して、領土拡大こそが国家の目的と考えて行動するでしょう。
例えて言えば、独裁度指数100%のプーチンさんに、独裁度指数80%ぐらいのトランプさんが、「ディールというビジネスの手法もあるよ」、「その方が得なこともありますよ」などと教えながら、アメリカ・ファーストの本来のアメリカの利益も、自らの立場も最大限に確保しようという戦略を遂行しようとの多目的な構図が見えて来るように感じられます。
結果は、今は解りませんが、時がたてば解って来るのでしょう。少しでも早く平和が来ることをねがいながら、我々には、時間がたつのを待つしかないというのが情けない所です。