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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカの変容とトランプの夢想と迷走

2025年06月04日 13時46分44秒 | 国際関係

今振り返ってみれば、第二次大戦後のアメリカは立派でした。戦禍で破壊されたヨーロッパにはマーシャルプランで援助し、無条件降伏した日本にはガリオア、エロア資金で援助し復興に協力しました。

日本に駐留した駐留軍(占領軍)も、色々問題はあったとしても、日本の自由主義圏の民主主義国として一本立ちできるように、アメリカなりの理想をもって真剣に指導してくれたと思っています。

日本が復興を急ぎ過ぎ、戦後のインフレを起こした時も、銀行家のドッジ氏を派遣、健全経済を取り戻す指導をしています。

その結果、日本ではアメリカを信頼し、アメリカに頼り、アメリカから学ぶ姿勢が一般化しました。

多くの国民は、アメリカの菓子は美味しい、ハリウッドの映画は面白い、アメリカの文化は素晴らしいと感じるようになりました。

戦後の日本のリーダーの多くはフルブライト奨学金でアメリカに留学、アメリカ流の教養とリーダーシップを身に着け、戦後の日本で活躍しました。

もちろん日本だけではありません。世界のほとんどがアメリカには一目置き、国連中心の国際機関でも、国際会議でも、二国間の問題でも、アメリカを頼ることは多かったようです。

しかし、時が過ぎ、アメリカは変わりました。経済発展の結果人口の流入は増え、社会的にはアメリカの中核をなしていたWASP(White,Anglo-Saxon, Protestant)は少数派となりました。

経済的にはアメリカの戦後の豊かさは多くの国際的関与や特にベトナム戦争の結果次第に失われ、1970年代に入っては万年赤字国に転落、基軸通貨ドルはペーパーマネーになり、変動相場制が導入されました。

その後実体経済では、金融経済でドル価値の維持を図った結果産業の競争力は落ち、生産の海外移転が進み、製造業の空洞化、貿易赤字の深刻化が進んだのです。

アメリカ社会自体がかつての整然とした姿ではなく、世界の最先端の文化・科学を擁する豊かな国から、マネー至上主義、途上国的な貧困と混乱の入り混じる、極端に言えばカオス的状態になって来ているように思われます。

この混乱の中で民主主義の弱点である選挙のポピュリズム化が急速に進み、特に大統領選挙は、熱狂的な「人気争い」、中身の保証されない単純で魅力的なスローガンの「争いの場」となったようです。

「国民が国家のために何ができるかが大事」と問いかけたケネディの時代はすでに遠く、多くの国民が人気のある権力者(独裁者)に身を任せる「自由からの逃走」に走ることになったようです。 

現状は「覚醒した国民」と「熱狂する国民」に二分され、アメリカ自体が分裂の危機に直面し、その中で「熱狂する国民」がアメリカの行方を決めるような状態になっているのではないでしょうか。

日本としては、かつてお世話になったアメリカですが、現状のアメリカを、客観的、理性的に直視し、評価して、寛容かつ厳格に付き合うことがますます重要になってくるようです。


中国 日本産水産物の輸入再開と日中関係

2025年06月03日 12時28分27秒 | 国際関係

福島の原発事故の後遺症のような処理水の海洋放出問題を受けて中国がつづけていた日本産水産物の輸入停止がこの程、福島・宮城などの10都府県を除いて、輸入再開という中国からの話のようで、大変結構なことだと評価したいと思います。

もともとこうした問題は、現実の健康上の問題というよりも、政治的な問題という意味合いが強いものなのでしょう。

問題の中身は違いますが、尖閣周辺に中国が設置したブイが撤去されたというニュースもあり、それらが中国の対日関係の正常化への動きだとすれば、日本としては、望ましい日中関係構築へのチャンスではないでしょうか。

政府には、これを機会に、日中関係の改善・正常化に向けて一層積極的な行動をとるようお願いしたいと思うところです。

民間レベルで考えれば、インバウンドでも中国は最大手の一角ですし、日本へ来ても海産物を敬遠するなどという話は聞きません。

日中経済交流は、輸出入、企業進出をはじめ、切っても切れない関係にあります。かつては、大正時代に石橋湛山が「中国とは争うのではなく、協力して経済発展の中で経済交流をするのがよい道」と喝破していますが、戦後は、田中角栄の日中国交回復以来、特に鄧小平時代には、日中の経済財関係は大きく進展し、日中双方の発展に大きく寄与したのではないかと考えています。

今アメリカが(イーロン・マスクのテスラの例に典型的にみられるように)中国との役割分担で、巨大な収益を上げながら、その結果の対中貿易赤字ばかりを問題にして、経済効果としては全く誤った関税政策で、世界さえも混乱に巻き込む様な愚行をあえて押し通そうとして四苦八苦しています。

この世界の損失を押し通そうとするアメリカに対しても、国際関係は互いに協力し切磋琢磨し、双方が十に発展するという最も合理的な道についての示唆を与えるような日中関係の構築に、日本は一層努力する必要があるように思うところです。

中国は4千年の歴史を持ち、日本は千数百年の有史以来中国に学び進歩発展してきた歴史を持っています。日本人の使う諺に如何に中国の故事が多いかを考えれば、日中の交流の深さが知られるところです。

歴史は巡りますが、これからは、アジアジアが確りしなければならず、そこでは日中の関係が決定的に重要になるのではないでしょうか。

中国は大きな国です、アメリカは対中関係で大きな失敗をしていますが、まさにそれを「他山の石」とし、日本は、これこそが望ましい国際関係の在り方といわれるような関係を中国との間に確立してほしいところです。

今回の問題は小さな一歩かもしれませんが、それを大きな成功につなげるのが外交の神髄でしょう。

日中の良き関係が、日中両国だけでなくアジアに、世界に役立つことは明らかです。しかして日本のすべきことは既に明らかではないでしょうか。


これからの日米関係の基本をどう考えるか

2025年05月30日 14時08分08秒 | 国際関係

トランプさんが再度アメリカの大統領になってまだ半年にもなりません。しかし、アメリカは世界最大のトラブルメーカーになってしまったようです。

この短い期間に、トランプさんの当初の発言によれば、ロシアのウクライナ侵攻の問題も、パレスチナとイスラエルの紛争もキレイに片ついて、あとは貿易不均衡の問題だけになるはずだったのです。

アメリカ国民も、世界の多くに人達も、トランプさんが何か他の人ではできないような事をやってくれる(かもしれない)と思ったのでしょうか。

しかし現実は、そんなに簡単ではありませんでしたそんな神通力や魔法のようなことはないのです。

トランプさんは、自分の思ったようにいかなければ、相手が悪いといって済ませます。結果、ウクライナとも、ロシアとも、ヨーロッパとも関係にひびが入り世界中がぎくしゃくしてきています。

アメリカ国内もそうです。アメリカのまともな学者や研究者・知識人もトランプ流では物事の解決にはならないと批判的な意見が多くなっています。

そしてとうとうアメリカの司法が、トランプさんの関税政策の一部は大統領の権限でできる事ではないという判断を下しました。

しかしこれに対しトランプさんは、国の方針を決めるのは大統領の仕事であって、司法には国を動かす責任はないと、司法の意見を一蹴することになりました。

この立法と司法の対立がどうなるかは解かりません。トランプさんは何事もディールと考えているようですから、司法ともディールで対応するのかもしれませんが、国民としてはやはり不安であり心配でしょう。

アカデミアとの対立も深刻になっているようです。ハーバード大学が標的のようになっていますが、歴史上、為政者が学術の分野と対立するのは、ほとんどが独裁者の場合で、国の衰退の原因になっています。

さて、アメリカ自体がこうした混乱の中にあり、世界の混乱の中心にもなっているという状況の中で、アメリカと最も親密な関係にある日本はいかなる態度でアメリカと接するかというのは、ますます重要の問題になりつつあります。 

選択の基本方針は大きく2つあると思います。

一つは、アメリカはこうして衰退していくのだから、出来るだけ敬して遠ざけるという、漸進的アメリカ・パッシングの方向でしょう。 

もう一つは、今のアメリカは問題でも、アメリカは世界に必要な重要な国であるべきだから、出来るだけアメリカが誤らないように協力しつつ諫言もしつつ付き合うという方向でしょう。

結果的にどちらが正しい選択だったかは、アメリカ自体の今後の思考・行動によりますが、現状では、アメリカのためを考えながら、出来るだけ率直にアメリカと付き合うといういわば諫言者の態度でしょう。

偶々ですが、日鉄とUSスチールの問題があります。トランプさんもご執心で、日米関係が凝縮されたようになってしまったこの問題、行方を確り見守りたい感じです。


世界が心配、これからのトランプ第二次政権

2025年05月22日 12時43分42秒 | 国際関係

世界が危険を感じつつも、何かやってくれるかもしれないと、その強烈な言動に何らかの期待を持って迎えたトランプさんの第二次政権ですが、発足半年を前にして、世界の失望と心配が次第に高まってきているようです。

トランプ政権が何をするか地べたから高見の見物をきめこんでいるこのブログですが、色々と勉強になることが多いですね。

振り返れば、第一次のトランプ政権の時もそうでしたが、派手なスタンドプレーはありましたが、何か良い結果が出たかというと、トランプさんからみればよい結果、成果と自賛するかもしれませんが、我々普通の人間から見れば、結局何だったの?ということが多いのです。

まずTPPから離脱しました。理由は解かりませんが自由貿易は嫌いだったのでしょう。

イランの核開発問題からは勝手に離脱でした。アメリカが離脱したことで、何か世界に貢献できたことがあったのでしょうか。対立と敵意だけが残ったようです。

北朝鮮の金正恩さんと握手しましたが、その後北朝鮮は大陸間弾道弾がアメリカに届くように努力し、原爆の開発・改良にも一生懸命です。

マスコミには派手に載っても、目指す結果は出ないことが多いようですで。

アメリカ国内は分断が進み、国民の融和が崩れたようです。アメリカ経済も社会も苦難の度を増したようです。れはバイデンさんの失政にしています。

今回当選の際は、国際問題では、ロシアとウクライナ侵攻では恒久平和を実現し、パレスチナ問題ではその根本解決を、それぞれに忽ちのうちにやり遂げる事が出来ると語り、国内問題では、アメリカの繁栄と栄光、かつての偉大なアメリカを再び取り戻すと約束していました。

「三日で実現」などというのは、レトリックとしても、トランプさんがアメリカの大統領になって本気でやれば、何か進展が起きるかもしれないという気持ちは、当事国の人々はもちろん、世界の多くに人達にも何らかの期待を持たせたのではないでしょうか。 

トランプさん自身も自分個人の力というよりは、自分がアメリカの大統領であるというアメリカの「世界における地位」に立つことで、可能と考えたのかもしれません。

しかし、アメリカの威力は、トランプさんが思うほど大きなものではなく、国連でも、国際法でも、一国の権利は平等という今日の民主世界では、力の理論は通用しないのです。

現に力の理論を通用させるためには戦争しかないと承知しているプーチンさんには通常のルールでは対抗不能でしょう。もちろん、力で国境線の変更はできないという国連憲章を掲げるゼレンスキーさんの説得も不可能です。

簡単に片つくといっていたガザの問題は、この所深刻度を増して激烈になっていますが、トランプさんは放置の状態です。

これでウクライナ問題から手を引けば、トランプさんの発言や行動は、一体何だったのか、ということでしょう。

トランプさんの手の内にまだ何があるのかないのか、やると言い、巧くいかないから「ヤメタ」で終わってしまうのでしょうか。

外向きの事がうまくいかずに手を引けば、今度は関税と対米投資と内向きのことになるのか、カナダやグリーンランド問題に力を入れるのか,アメリカにミサイルを入れないゴールデンドームに本気になるのかわかりませんが、やるからには、世界のために結果が出なければということではないでしょうか。


ロシア、次第に孤立化の可能性?

2025年05月16日 14時38分48秒 | 国際関係

プーチン大統領が、自分から言い出した「ウクライナとの停戦交渉」を欠席しました。

「停戦交渉」ですからプーチンさんが出なくても構わないのでしょうか、ゼレンスキー大統領は「トルコで待つ」と宣言し、トランプさんも都合がつけば行ってみたいような発言をしていました。

結局、首脳同士でない停戦交渉になったようで、ニュースもほとんどありません。

プーチンさんにしてみれば、停戦交渉の間もウクライナ侵攻を続け、戦況を有利にということなのでしょうが、このあたりも含め、国際情勢の動きに、なんとなく微妙な変化の兆しが見えるようにも感じられます。

もちろんマスコミ情報だけで、判断の出来るものではないでしょうが、このところ、ロシアの国際世論なども無視したあまりに身勝手な行動が目立つからでしょうか。

それに、これまで、ロシア側に相当有利と感じられるような発言をして来たトランプさんの発言のトーンが、少しロシアにとって厳しくなったようにも感じられます。

おそらく今までは、トランプ大統領の発言を安心して聞いていたプーチンさんが、トランプさんから直接に厳しい発言を聞きたくないといった事もあるのではないでしょうか。

かつて、トランプさんが、大統領に就任する以前から、金融面でロシアにお世話になったというのはヨーロッパの一部では通説のようでした。もちろん真偽の程は解かりませんが、トランプさんのロシア寄り発言に少し度が過ぎていたように感じた人は多かったでしょう。

さらに中東とアメリカの関係も大きく動いています。かつて中東では、中東地域へのロシアの勢力拡大を予測する意見も多かったようですが、シリアでアサド政権が崩壊、サウジやトルコの動きもあってトランプさんは新しいシリアの暫定政権には制裁の解除、復興の始まりと応援の姿勢を示しています。

プーチンのロシアがこうした情勢を見ながら、どこまでトランプさんに頼るかという点で、プーチンさんがどんな判断をするか、プーチンさんが独裁色を強めれば強めるほど、独裁制の「累卵の危うさ」を内心に感じるという心理面も否定できないのではないでしょうか。

加えて、まだことは暫定的ですが、米中関係がトランプ流ディールの結果からしてもアメリカにとって中国の活用の経済効果で「カップリング」に進む様な状況はロシアには好ましいことではないでしょう。

そうした日米中のサプライチェーンがうまく機能すれば、中国はロシアと組むよりアジアと組むことを選ぶのではないでしょうか。

さらには、日本はトルコと古くからの親善関係がありますし、また、イランに対してもかつてその近代化の過程でのインフラ建設の協力の実績などで親善関係は築けているのです。

日本の誠意に満ちた外交が、こうして面で自由世界の経済問題も含めた交流の促進に役立てば、世界で唯一の独裁大国ロシアの孤立はさらに深まり、望むらくは、ロシアで、かつてのゴルバチョフのような人がリーダーに選ばれ、世界の平和が大きく進む様な事すらも期待できるのではないでしょうか。

日本は、世界から「戦わずに役に立ってくれる国」というイメージを得てきていると思います。そうした国が、世界に1つぐらいあってもいいのではないでしょうか。日本のリーダーの心構えを問いたいところです。


インド・パキスタンの即時全面停戦に思う

2025年05月13日 14時37分01秒 | 国際関係

カシミール地方で時にいざこざのあるインドとパキスタンですが、インド地域のカシミール地方のリゾートでパキスタンのテロで観光客26人の死亡事件が4月に起き、5月7日、インドのがテロリストの拠点にミサイル攻撃を行うころで、インドとパキスタンの間で戦争が始まってしまいました。

インドとパキスタンは、対立はあっても、歴史的にも文化や経済分野の交流のほうがずっと大きい国ですから,そんな酷い事にはならないかと思っていましたが、案に相違してお互いの軍事基地をミサイルで攻撃するような状態に急激に発展、パキスタンが核に言及するまでにエスカレーとしたようです。

地上軍が動かなくても、ミサイルのボタン1つで敵基地攻撃ができるという時代です、中東でも時々交戦状態に入らないまでもミサイル攻撃が見られます。しかし、インドもパキスタンも核保有国ということでしょうか、マスコミっ報道も核保有国という視点を前面に掲げ、世界中への注意を喚起する報道も多くみられました。

ところが、5月10日に至り、急遽、インド・パキスタン両国は即時、全面停戦に合意することになりました。

この停戦についてはアメリカのトランプ大統領自身がソシアルメディアに発表し、パキスタンの要人がアメリカのルビオ国務長官に謝意を表したなどの報道もありました。

アメリカのバンス副大統領が、この戦争はアメリカには関係ない事だといったこともあって、心配も大きかったのですが、結果的に事態は急転の即時全面停戦となりました。この状態の永続が、誰しもの望むところでしょう。

トルコやサウジアラビアを含む多くの国も仲裁の意向を持って動いたとの報道もあり、現状の世界の中で、如何に戦争の抑止が広く、多くの人や国に望まれているかを思わせるところです。

この問題について、国連は5月5日に軍事衝突回避最大限の自制をというグテレス事務総長の談話を発表し、安全保障理事会を開催しています。

本来であれば、国連が最大の役割を発揮すべきこうした問題だと思うのですが、今回の停戦のニュースには、トランプさんの名前ばかりで、国連の文字が見えません。これでいいのでしょうかと感じてしまうところです。

ところでもう一つ、大きな明るい話題があります。それはトルコの一部のクルド人の反体制組織PKKが解散し、40年以上のトルコ政府との武装闘争を終結することを決めたとのことです。

世界各地の戦争の現状を見つつ、戦争の無意味さを悟り、平和と共存・協力の意義に気づくリーダーがいることは素晴らしいことです。

国連を中心に、多くの善意と平和を愛好する国々が、こうした活動の進展を一層促進するような世界を作ることが、人類にはで切るのではないかと思うのですが、残念ながら、まだまだ邪魔をする困った人もいるようです。


憲法記念日:今日の世界と日本を考える

2025年05月03日 12時45分52秒 | 国際関係

今日は「憲法記念日」国民の祝日です。

4月29日の「昭和の日」から5月5日の「こどもの日」までの期間はゴールデンウィークの中心です。その年の「土・日曜日」が何処に嵌るか、新しいカレダ―が出ると、先ず最初に見る人も多いでしょう。

今年は、今日の「憲法記念日」から、振替休日も含めて4連休です。世の中いろいろですから4連休を楽しむ人、その人達が楽しめるように忙しく働いて支える人それぞれです。

そうしたそれぞれの人達に、日本国憲法は等しく日本国民であることの幸せを感じてもらおうと作られているのでしょう。

そろそろ憲法もAIになって、AI憲法に「あなたの目的は何ですか」と質問すれば「国民の皆さんの幸せを保障しようと頑張ることです」などと答えるかもしれません。

その憲法を変えていこうという動きがあります。今の政権党である自民党も改憲に熱心です。

憲法といっても人間が作った法律ですから人間社会の変化によっては、変えなければならないこともあるでしょう。その時は国民の総意で変えればいいのでしょう。  

ところで、今、日本の改憲の議論の中で、最も重要と言われているのが、世界でも珍しい「日本は、戦争をしない国です」」という第9条なのです。

今もウクライナやパレスチナで戦争があり、無人機やミサイルが飛んできて、ビルが破壊され大勢の人が死んだり傷ついたりしています。

かつて日本も戦争をし、戦場では兵士は殺し殺され、爆撃や究極の兵器といわれる原爆投下で日本中の都市はほとんど壊滅、多くの民間人が犠牲になっています。

戦争を体験した人はもちろん、テレビの画面で戦争の惨禍を見ている人も含めて、誰もが、戦争などという人間性否定の活動を国家権力でやるなどということはあってはならないと思っておられるでしょう。

とこが人間はそれぞれで、戦争は必要で、必要に応じてやるべきだという意見が自民党や一部の政党の中にもあるようなのです。

世界を見渡いますと、戦争をやる国でも、多くの国民は戦争反対ですが、その国のリーダーを中心にリーダーに共鳴する人達が戦争をしようと決め、国民は否応なしにリーダーに兵士として使われるということのようです。

ですから民主主義国が戦争を始めることはほとんど無く、戦争をはじめ、勝つ迄止めないというのは独裁国ばかりです。

独裁者は、自分は安全な所にいて、国民の命を無駄遣いし、勝利を期待するのです。

まさか日本にはそんな独裁者はいないと思うのですが、困ったことに、アメリカという国が独裁者の立場に立ちたがっているようで、特に今のトランプ大統領は「アメリカには日本を守る義務があるが、日本にはメリカを守る義務はない。これは不公平だ」と日本に圧力をかけます。

もともとアメリカは日本が戦争をしない国であることに大賛成で、その日本にアメリカの基地を整備し、ロシアや中国に対抗するということで、日本は不本意ながら了解して、日米防衛協定ができているのです。

そういう意味では、日本の一部の政党は、アメリカの意向を受けて、日本もアメリカと一緒に戦争をしようという気持ちなのでしょう。 

現実問題として、日本には広大なアメリカを守るような力はないでしょう。一旦事が起きれば、日本にあるアメリカ軍基地が攻撃され関連する日本の各地が戦禍の対象になることがまず考えられます。

こんな風にいろいろ考えてみますと、「日本は戦争をしない国です」ということを、常日頃から、世界に徹底周知することが最善の策のような気がします。


戦争が終わる事と領土問題と国連憲章

2025年04月24日 15時17分54秒 | 国際関係

今回もトランプさんに関わる問題になってしまいます。

ロシアのウクライナ侵攻の問題にトランプさんが積極的に動く際の問題意識と、ロシア、ウクライナの立場、そしてこうした問題に対する判断についての国際的な正義の基準を示す国連憲章といった各要素を整理し、これからの国際社会の在り方をどう判断すべきかという大変難しい問題について、出来るだけ冷静に考えてみたいと思っています。

事の起こりは、ロシアが、全く自分の都合だけでウクライナに侵攻したことです。

これははっきり言って、ロシア国民がそうすべきだと考えていたからではなく、今では完全な独裁者になっているプーチン大統領の心か頭にあった個人的な願望が、その独裁力で国力の発動として顕現したものと思われます。

これは、モスクワ放送局で関連ニュースの際、放送局のスタッフが「これは嘘です」と書いてカメラの前に広げたという異常な事態から明らかになり、さらに広くロシア全土で反対デモが多発したことからも知られます。

しかし、独裁者の支配する国は、独裁者の決定が国の意思になるのが通常ですぅから、国際的には国の意思による行動になります。

勿論これを国連が認めるものではありませんが、ロシアは国連の安全保障理事会の常任理事国で拒否権を持っていますから、常任理事会で反対の決定は出来ません。国連はほぼ無力で、事務総長の個人的見解も、総会の決議も無力です。

ウクライナは徹底抗戦と言っても、民主主義国で、軍事力に大きな格差があります。それに、それに民主主義国と独裁国ということになりますと、独裁国が圧倒的に有利なのが一般的でしょう。

ウクライナは、NATO,アメリカの支援も得て抗戦しましたが、当初は、ロシア国内へ戦火を及ぼさないといったアメリカの制約もあり、戦火はウクライナ国内で始まり、東部諸州での戦闘が続く状態になっていました。

こうした状況の中でのトランプさんの和平提案です。主な内容は侵攻前からロシアが実効支配していたクリミア半島はロシアに帰属、過半の部分を支配している東部4州はロシア領、ザポリージャ原発はアメリカ管理、という事で、出来るだけ早く戦争を終わらせるべきだという内容のようです。

ロシアは領土的には当面の目的達成ですが、決まるまでは戦争は止めないという姿勢のようです。

ウクライナにとっては、ロシアからの無人機やミサイルの攻撃で、毎日のように民間人の死傷者が出ている状態の中で、「できるだけ早く戦争を終わらせる」という言葉大変重いものでしょう。

ゼレンスキー大統領は、まず戦争をやめ、そして交渉という意見のようですが、国民の生命の損傷と領土の割譲の在り方の選択を迫られる状態です。

ウクライナにはクリミヤは本来自国のもの、東部4州でも占領されていない地域もあり、その部分は割譲したくない、さらに基本的には一方的に侵攻してきたロシアに領土を割譲すべきではないという気持ちは強いでしょう。

そしてその考え方は、国連憲章の「又は威圧による(国境線の)一方的な現状変更の試みは決して認められてはならない」に違反するという事になるはずのものです。

今日の問題はウクライナとロシア、それに仲介のアメリカの関連するディールと権威の調整問題ですが、本来の大きな問題は武力を含む圧力による「国境線の変更」です。

しかし、今後の国際関係の在り方を考えた場合、ここで安易に国境線の変更が行われるという事になれば、今後の多様な国際関係の中で、国連憲章違反であるその現実が、いかなる影響を持つかという深刻な問題が残ります。

戦後アメリカが主導した国連の基本方針である国連憲章に、アメリカの仲裁案は明らかに違反しているのです。

国境線問題もディールの一部と考えているトランプさんは、国連憲章をご存じなのでしょうか。 

それとも、グリーンランド問題に見るように、アメリカのためには「それは邪魔だ」との考えなのでしょうか。

国連憲章が、当面する問題の解決のために反故にされた場合、今後の世界秩序はどうなるかという問題を、国連を中心に、世界全体で考えなければならないのではないでしょうか。


アメリカ無しの世界とトランプの変心

2025年04月23日 12時18分57秒 | 国際関係

昨日まで「ミスター トゥー レイト」(遅すぎる男)と呼んで解任を主張していたFRB議長のパウエルさんについて、今日のニュースでは、 トランプ大統領は、一転「解任するつもりはない」と言っているとのことです。

このニュースと共にNYダウは1000ドルの急騰、連れて日経平均も600円ほど上がっています。

相互関税90日間延期の時もそうでしたが、トランプさんの変心が読めれば大金持ちになれそうですね。

冗談はさておき、言い出した事がコロコロ変わるような覇権国のリーダーでは、政界中が大迷惑というのが、今の世界の現状でしょう。

IMFは、アメリカがこの状態では、世界経済の成長率(実質)は、1月に予測した3.3%から0.5ポイントの大幅低下で2.8%になるという新しい予測を出しました。

説明は、アメリカの言い出した高関税政策が実施されれば、世界中の貿易額が縮小し、アメリカ自体の経済成長率も0.9ポイント下がり「勝者なき貿易戦争」になるという前提のようです。

IMFがこうした予測を出す事は、こうした客観的な予測を正式な国際機関として発表することで、事の重大さを世界に認識してもらうという事と同時に、アメリカ自体に、というよりトランプさんに「お考えの政策は、お止めになった方がいいのではないでしょうか」と問いかけ、出来れば、変心をして頂きたいという意味を持つものでしょう。

このブログでもすでに、中國がアメリカと関税の掛け合いをしてもお互いにマイナスが生じるだけだから関税戦争から降りる、アメリカとまともにやり合う事はしない、との意向もあるようで、アジア諸国もそれにつられ、さらにヨーロッパまで、そんな雰囲気になると、世界にアメリを敬遠して素通りしようとする、いわゆる「アメリカ・パッシング」になって、アメリカ自体が大きな痛手を負う可能性もありますよと書いています。

トランプさんは、現在のアメリカの「覇権国で基軸通貨国」という過去から積上げた大きな実績の上に乗っていますから勝手なことが言えるので、トランプさんの手でそれを壊してしまったら、普通の国に成り下がる事にいなってしまいます。

アメリカの世論調査でも、今のトランプ政策では、アメリカは駄目になってしまうのではないかという心配の方が増えているようで、支持率が低下していますが、トランプさんも少しずつその辺りに気付いてきているようにも感じられます。

相互関税の90日の延期、パウエルさんの解任はないという変心も、ダウ平均の連続の下落、ドル安、さらには、アメリカ国債の価格低下(アメリカへの信用の低下)、その結果アメリカ国債が売られる可能性という現実が、「偉大なアメリカを再び」のスローガンと違った方向にアメリカを持っていきつつあるとトランプさん自身に感じさせて来ているのではないでしょうか。

戦争の仲介では「当事国がいう事を聞かない」からという事も出来ますが、アメリカ国債の価格が下がるといった経済現象には反論は出来ません。政策を変えるしかないのです。

そうして意味で、これからトランプさんの変心がいろいろとありそうです。多分それは、アメリカにとっても世界にとっても良いものが多いでしょう。

トランプさんがこれからどんな変心をするか見て行きたいと思っています。


<月曜随想>第3次世界大戦は起きるか?

2025年04月21日 13時52分39秒 | 国際関係

今、世界では2か所で局地戦が行われています。ウクライナとパレスチナです。

さらに中国が台湾に侵攻するかどうかも、世界が心配する問題になっています。

ソビエト時代からの米ソ対立はありますが、トランプさんはなぜかロシアとは宥和的です。ただトランプさんは中國とは経済対立が酷く、台湾問題と絡んで、キナ臭くなる可能性もはらんでいます。

こんな状態の中で、人類はまかり間違うと第三次世界大戦を引き起こしてしまうのではないかといった見方もちらほらで、日本も南西諸島の防衛に動いたりしています。

第三次世界大戦は起きるのでしょうかという心配が杞憂であることを願うばかりですが、アインシュタインは、第五次世界界大戦では、人類は石と棍棒で戦うだろうと予言したそうです。

原爆戦争の恐ろしさを知らしめるためのブラック・ジョークでしょうが、戦争の無意味さを理解するのに役立つかもしれません。

第一次世界大戦は、未だ王政、帝国主義の勢力争いという色彩のものでしょう。第二次世界大戦は、民主主義国家が形式上は一般的になってからの事ですから、今の時代により近いと感じられます。

形は民主主義になっても、選挙で選ばれた政権が世論の操作などを含めて独裁政権になり、権力の維持・拡大を目指して戦争に走るという形で戦争が始まることが枢軸国のドイツ、イタリー、日本に共通です。

このブログでも以前取り上げていますが、エリッヒ ・フロムの『自由からの逃走』は選挙制度の中で独裁制が誕生するプロセスをドイツの例で具体的に指摘した名著でしょう。 

その際、ヒットラーは、ドイツは賠償で貧しくなり、インフレになって国民は苦労ばかりというという被害者意識を喧伝し、まさに臥薪嘗胆の苦難とドイツ民族の誇りで人心を掌握したようです。

これは日本の軍部の独裁化が、列強の日本迫害と万世一系の天皇制の誇りを国民に訴えたのと酷似します。

今、トランプは、世界一の裕福な大国であるにもかかわらず、アメリカは損ばかりしいる、アメリカの栄光を取り戻せと言って選ばれています。

ロシアは、近隣で民主主義国が増える状況をEU・NATOがロシアを圧迫していると国民に信じ込ませ、ソビエトロシア・ロマノフ王朝の昔の栄光をというのでしょう。

イスラエルは、神との約束の地、イスラエルに、パレスチナ暫定自治区があり、ハマスが攻撃してくると、ハマスの殲滅を主張します。

一方、今の日本は、豊かさは領土の広さや資源の有無ではない、国民が真面目に賢く働けば、国はいくらでも発展するという経験を積み上げ、戦争は必要ない、平和憲法は人類のこれからに最も相応しい在り方だという自信を深めて来ています。

殆んどの国民は戦争は嫌いです。問題はリーダーにあるようですが、さて、第三次世界大戦については、皆様はどのようにお考えでしょうか。


トランプ関税発動の日に思う

2025年04月03日 20時05分33秒 | 国際関係

2025年4月2日、トランプさんがアメリカの復活を賭ける「トランプ関税」発動の日です。  

日本では4月3日ですがアメリカでは2日です。トランプさんは、当初4月1日にと言っていましたが、4月1日にすると、エイプリル・フールだと言って信用されないと困るから、誤解の無いように2日からとしたのでしょう。

中身はというと、相互関税が、基本は一律10%で、後は個別の事情によって、プラス・マイナスがあるという事だそうです。

という事でイギリスは10%、EUは20%、発表されていた中で最も高いのはベトナムで46%、中国は34%、韓国が25%で、日本は24%ということになっています。

相互関税とは別に、自動車については一律25%の追加関税で決まりのようです。

日本の相互関税については、日本の輸入米の関税率778%や非関税障壁も含めれば46%にすべきだが24%にしてやっているという参考数字も出しているようで、アジアの国々はこうした恩恵に与っていると弁えろということでしょう。

関税上昇分は、アメリカの消費者が負担するか、輸出国が被るかするわけですがその辺りはアメリカのマーケットが決めてくれるでしょう。

ところで、かつては、世界の国々が関税を下げ合って、自由貿易を推進しようと世界中に説いていたアメリカが、全く逆になったわけで、貿易の自由化が世界経済の発展をもたらすという理念はアメリカに関する限り消えました。

しかし、アメリカ以外の国々は、TPPやRCEP、その他2国間FTAなどで経済交流をするわけで、アメリカ・パッシングの経済圏の方は順調という事になると、アメリカは巨大な孤児になるのでしょうか。

トランプさんの構想が仇になって、アメリカが孤児にならないように,みんなでアメリカを助けてやらなければならにない、という事になりそうです。

トランプさんのアメリカの、この3カ月ほどの動きを見て来ますと、トランプ構想は、アメリカの強大な力+トランプさんの強面で、上手く問題を解決するかと見られたりしましたが、ガザは、結局以前よりひどい状態になってしまったようです。

ウクライナ問題も、プーチンさんは動く気配がなく、欧ロの対立が一層先鋭化し、アメリカとウクライナの関係も何か不安定になり、米・欧分断などという見方が出たりで、状況は悪化の懸念の中です。

一方でトランプさんは、自分の力で世界が動くという思いでしょうか、自画自賛を強め、アメリカのリーダーの地位に満足し、出来るだけ長くその地位に留まりたいという気持ちを強くして来ているようです。

漏れ聞くところでは、アメリカ大統領に3期目はない「という事ではない可能性を示唆」するなど、当ブログの「民主主義のトリセツ」第1項にまともに該当するような気配も感じられます。

今回の関税政策も、関係国の親切な「思いやり」や「協力」がなければ恐らく失敗でしょう。

経済学の理論としても、これまでの経験の実証研究からしても、成功の可能性は見出せないのではないかという感じになって来たようです。

世界の混乱があまりに酷くならないうちに、出来るだけ早く、アメリカ自体が、国民の総意として、第二次大戦後の世界をリードしたときのアメリカの様な、本来のあるべきアメリカの姿を取り戻すことを願うところです。


アメリカ国民の責任の重さ

2025年03月31日 19時21分39秒 | 国際関係

この所の世界情勢の動きを見ていますと、だれも異常な不安定感に襲われます。

昨年までの世界情勢の常識は、種々、問題はあっても、世界は自由経済社会の方向に進んでいくという見方ではなかったでしょうか。

その中で、民主主義国に脱皮しようとの動きを示したソ連圏が、プーチンというリーダーのもと独裁国家化し、ウクライナ侵攻という、国際社会の安定を脅かす事態を起こしました。

自由世界は一様にウクライナを支援し、ウクライナ自身も地勢のしからしめる不幸の中で勇敢に自由世界の最前線として、大きな犠牲を払いつつも頑張ってくれているという意識だったでしょう。

自由世界は、アメリカ・ヨーロッパを中心にウクライナを支援し、民主主義、自由経済の世界の実現に向けての一致した思いを持っていたのではないでしょうか。

そうした中で今年、アメリカではトランプ大統領の改めての登場が、アメリカ国民の圧倒的に近い支持の形で現実になったわけです。

ロシアのウクライナ侵攻に見ますように、国民の生活を大事にする民主主義国と、国民の犠牲を物ともせず、独裁者の意思で戦争を進める独裁国の間で戦争が起これば、戦争という現実の中で判断すれば、国民がリーダーに絶対服従の独裁国が格段に有利という状況になることは容易に想像がつきます。戦争では民主主義国は不利なことが多いようです。

民主主義国、自由圏の盟主、アメリカで、時に独裁的なカラーを見せ、力のあるトランプさんが再登場したが、これは、この所元気の出ないアメリカに力強いリーダーが必要という民意の結果ということでしょうか。

しかし再登場したトランプさんは、国民の圧倒的な支持を得たという意識からでしょうか、独裁的な意識を殊の外強めてしまったようです。

国連に対し批判色を強め、WTO、ICC軽視を始め、分担金未納、さらには国連憲章まで無視するのではないかといった危惧を持たせるような行動をとる様相です。

グリーンランド、カナダについての威圧的行動、ウクライナの主権を無視するかのような行動を見せるかと思えば、友好的関係に動くかと思ったロシアへの非難を強めるといった錯綜するニュースが、世界中を混乱させているようです。

トランプさんの頭の中には、そうして混乱の向こうに目指すアメリカの栄光があるのかもしれませんが、世界の多くの人は、トランプ大統領の発言、行動によっては、推測のしようの無い不安定な状況が現実かという懸念にもなっています。

勿論、時期尚早な判断は更なる問題を生じる可能性もあるでしょう。しかしパレスチナの状態は、結果的に、元の紛争状態に戻っただけという見方もありますし、ウクライナの問題にしても、動きは余りに流動的で、目的がどこにあるのか、現状では、今後の動きは全く予測不可能のように見えます。

更に、自由世界が大変懸念する問題に、アメリカとヨーロッパの分断といった極めて深刻な事態を含む、異様な不安定性が、可能性としては存在する状態にもあります。

プーチンさんの行動を変えさせることは、ロシア国民にしかできません。しかし、それは多分不可能と多くの人は諦めているのでしょう。

トランプさんの行動をコントロールできるのは、トランプさんを大統領に選んだアメリカの国民しかありません。  

世界の平和と安定を実現するためには、何と言ってもアメリカの力が必要でしょう。それは具体的にはトランプさんの発言や行動に大きく影響されます。

その意味で、トランプさんを大統領に選んだアメリカ国民には、トランプさんの言動についての責任があるはずです。アメリカ国民の役割に期待します。


改めて「日中韓」の外相会議を評価する

2025年03月29日 15時57分28秒 | 国際関係

去る3月22日、都内で、日中韓3カ国の外相が、1時間20分の会合を持ったことの報道がありました。

話し合ったのは、中国の王毅外相(共産党政治局員)、韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外相と日本は岩屋外相です。

通訳が入って1時間20分とすれば決して長い時間ではありませんが、こうして日中韓3か国の外相が、2年ぶりに一堂に会し話し合ったことは大変大事だなとニュースを見て感じていました。

報道から見聞して、岩屋外相の熱心さを感じましたが、岩屋さんが、日中韓3か国の首脳会談を年内に実現したいとの発言を聞いて、ぜひ成功させてほしいと感じたところです。

韓国で、尹大統領が誕生して、日韓関係改善の動きが積極化し、日中関係も、最近の国際情勢から関係改善の重要性がますます強まる中で、歴史的にも最も関係の深いこの3国のアジア極東でのトライアングルが、アジアの平和と発展のベースになるような関係を築く事になれば、アジアは勿論、欧米世界を含めて広範な国際関係の安定に寄与出来るのではないかと思われます。

考えてみれば、この3国は、戦後のアジアの経済発展を主導し、かつて、21世紀はアジアの世紀などといわれた将来を、現実にするために、大きな役割を果たしてきたのではないでしょうか。

この3国は、夫々に順調な経済発展の道に入りましたが、残念ながら、急速な経済発展は、先進諸国との経済的な摩擦も生み出し、日本は「プラザ合意」による円高を契機に、韓国は急速な経済発展のひずみもあり、中国は人口大国であるがゆえにアメリカの警戒感を誘うなどそれぞれに種々の事情のもと、この所の経済はあまり順調ではありません。

経済発展の停滞は、国内の政治・社会にもいろいろな問題を誘います。それはまた国際関係にも影を投じるという事もあり、結果的に疑心暗鬼が生じて関係の不安定化をもたらすといった事も生じるようです。

こうした状況の中で、歴史的に長く深い交流を持つこの3国が、改めてその歴史を顧み、互いに信頼感を持って交流するとき、共に発展するという経験も見出し、今日的には、微妙な相互の問題を持ちながらも、将来の友好と協力、それによって可能になる経済、社会、国際関係の安定と進化を目指すことは、今日の状況に最も適したアプローチではないかと思うところです。

日本では嘗て石橋湛山が、夫々に対等な関係で経済交流をすることが、最も優れた経済発展の方途であると喝破し「小日本国論」を唱えましたが、歴史はその洞察がいかに優れていたかを実証してくれました。

今。アジアでも米欧でも、ユーラシア大陸でも、何故か、友好や協力、共存による発展ではなく、分裂と対抗という後ろ向きの動きが表に出そうな時期に、アジア、極東の3国が、これからの地球社会の安定と発展の方向を示唆するような動きを実現出来れば、それは広く世界にも新たな希望の光を掲げることになるのではないでしょうか。

そして、それは,しいて言えば「中韓日」の歴史を深く学ぶことによって、確りと根を張ったものに成長することが可能という自信につながるのではないかと思うところです。 


自由世界とアメリカに必要なことは?

2025年03月28日 15時11分48秒 | 国際関係

些か奇想天外かとも思いますが、こんな事を考えてみました。

それは、自由世界は協力して、アメリカを強くて、まともな国にするように協力するという事です。

本来ならば、世界の平和と発展は、国連の役割でしょうが、今の国連は、組織そのものの構成もなルールも、それが出来ない状態にあります。

理由は、世界の国々がみんな同じ方向を向いていないからです。具体的に言えば、世界の国々の中のほとんどの国は、世界の平和と発展が最も大事と考えているのですが、中には、世界の発展よりも自国の発展の方を優先する国があるからです。

通常、そういう国のリーダーは「独裁者」です。

独裁者の共通は考え方は、『自分の考え方が最も正しい』というもので、通常それは誤認です。

これが、今の国連の安全保障理事会が「常任理事国」5カ国の持つ拒否権のために適切に機能しないという状況を生んでいる原因でしょう。

現状では、ロシアは独裁国、中国は独裁色を強めつつある、アメリカが独裁色を持ちつつあると見ている人が多いでしょう。

もし、ロシアのリーダーがゴルバチョフさんのような人で、中国のリーダーが鄧小平さんのような人で、アメリカの大統領がバイデンさんの侭であれば、今の世界の情勢は全く違っていたでしょう。 

独裁者は何故生まれるのでしょうか。多くの例を見れば、独裁者は、より強い周囲からの圧迫の中で生まれるようです。

嘗ての日本の軍部独裁、太平洋戦争突入も、欧米が日本を圧迫しているという意識の中で生まれたのです。

単純に言えば、プーチンさんは、ロシアはEUの拡大、NATOの圧迫で我々は苦しんでいるという意識を国民に植え付けることで、独裁政権を作り上がたのでしょう。

習近平さんは、アメリカなどからの締め付けが中国の発展を脅かしているという国民感情の上に独裁色を強めているのでしょう。

そして、トランプさんは、世界中がアメリカを食い物にしているから、アメリカ経済は衰退したと主張し「アメリカの栄光を再び」と言って共感を得たようです。

独裁者は、先ず被害者意識を広め、国民がその被害者意識を共有する事で支持を広げるのです。

冷静になって気が付けば、自分たちの努力が足りなかったという事も多い、のでしょうが、人間は、被害者意識に共感し易いのでしょうか。

そう考えてみますと、自由世界の人たちに今出来ることは、自由世界の盟主であるアメリカを被害者意識の国にしないように十分気を配る事ではないでしょうか。

客観的に見れば、アメリカは、何といっても世界で最も力のある国でしょう。農業生産から先端技術まで、ノーベル賞受賞者物数も含めてアメリカは明らかに世界随一の国です。 

そのアメリカで、この所、落ち込んでいるモノづくりの分野を中心に、出来るだけアメリカを助け、国民の被害者意識を薄めるような投資行動や援助活動をして、アメリカが自由世界の「善き盟主」を続けられるように協力するのが良いのではないでしょうか。

ただ、それをトランプさんが自分の力と、勘違いし、自画自賛して、さらに独裁的にならないようにする事も大変重要だと思います。


アメリカの関税政策と日本の態度

2025年03月27日 15時57分11秒 | 国際関係

アメリカでは、昨日、トランプ大統領が、トランプ関税政策の本格適用の開始という事でしょう、外国からの自動車の輸入に一律に25%の関税をかけるという大統領令に署名をしたとのことです。

この政策は4月3日に発動されるという事です。この方針は以前からトランプさんは口にしており、手始めは、メキシコとカナダへの25%の適用でしたが、発表後も期日が延期されたり、色々と修正もあったようです。

今度の世界一律25%が、4月3日からがそのまま実行に移されるのかどうかは、トランプさんの事ですから解りませんが、大統領令に署名されたからにはその通り実行に移されると受け取るべきでしょう。

客観的に考えれば、それだけアメリの国民は高い金額を払って外国の車を買う事になりますので、ヨーロッパの車や、日本の車に乗り馴れた人からはいろいろ苦情も出るでしょう。

アメリカに車を輸出している国からは勿論いろいろな意見があるでしょうし、勿論トランプ流関税政策には、いずれの国も、夫々に不満はあるでしょう。

日本の場合は国会での様子を見ますと、石破総理は辻本氏の「25%は、かつての発言と違い協定破りだ」との質問に対し、「適切な対応を考えていかなければならない。あらゆる選択肢は検討の対象となる」と答え、さらに「25%を日本に適用しないことを強く要請している」と答えているようです。

石破さんの答弁の仕方は「適切」という言葉が示しますように、状況に応じて、どうにでも解釈できる面もありますが、「25%は困る」ということのようです。

こういうやり取りを聞いていると、政治家は国民の事を考えているという気持ちの表れとは思いますが、日本だけ関税を負けてほしい、適用除外にしてほしいという事だけの議論でいいのでしょうか、という感じがして来ます。

世界中一律に25%という、どちらかと言えば非常識なことを言っているのはトランプさんです。こういう場合に、日本だけは何とかしてくれと言う論戦は何を意味しているのか、その意識が問題ではないかと思うのです。

野党も与党も、もしアメリカが「日本は除外でいいよ」と言ったら大戦果だと大喜びをするのでしょうか。

25%一律は不当だというのであれば、日本だけの抜け駆けより先に、広く国際的な問題として捉え、先ず自由世界の国際連帯という基本的な日本の姿勢を示しつつという常識、良識、節度を持った議論を日本の国会でしてほしいと思うのです。

国際的な経済外交関係の中で、アメリカとの関係で日本だけ浮いてしまうような立場は、日本にとって決して喜ばしい事ではないでしょう。

また、アメリカという国、特にトランプ政権の考え方からすれば、そうした特典が今後の日本にとって、大変な何かをもたらといったディールの可能性への配慮はあるのでしょうか。

日本の自動車産業にしてみても、今度の円安が始まる前は109円の円レートで頑張っていました。今150円です。これはアメリカの金利政策のせいですが、それで得た国際競争上の有利性は黙って保持するといった姿勢で日本はいいのでしょうか。

トランプさんの政治は、損得で大きく動くのかもしれません。しかし日本は、もう少し理性的で、論理的で、ぶれない国際感覚を持つ国でなければならないのではないでしょうか。