tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「昭和の日」が揺れている

2023年04月29日 17時06分14秒 | 政治
今日は「昭和の日」です。
元号が国民の祝日の名称になっているのは他にはないでしょうしょう。

百科事典などによりますと「激動の日々を経て復興を遂げた昭和を省みて」などと書いてありますが、これだけでは、本当に事情はよく解りません。

関連して考えれば、「文化の日」は明治天皇の誕生日です。「昭和の日」も昭和天皇の誕生日ですから、天皇の誕生日が国民の祝日になっているのは、このお二人の天皇だけです。

誰かが意図してこのお二人の天皇の誕生日だけを選び出したという訳ではないでしょうが、結果的にそうなっています。
そして、国民もみんなそれに違和感を持たず、国民の祝日として認めているのです。

2020年の「昭和の日」に我家でも、何故、結果的にそうなって、それを国民が納得して認めているのだろうと話し合ったことがありました。
その時出てきた結論は、その日のこのブログに書いてあります。リンクしてありますから、御覧頂ければ幸甚です。

ところで、百科事典などに書いてある「激動の日々から復興へ」というのはその通りですが、これは周囲を見回して、最も当たり障りのない表現を選んだ結果でしょう。

昭和は、1945年8月15日の「終戦の日」を境に、まさに2つの昭和をなしているのです
「終戦の日」までは「富国強兵」を目指して戦争に明け暮れる日々で、結果的には自国を廃墟にするような無謀な戦争をする独裁国家になっていたのです。

そして、終戦の日を境に日本は生まれ変わりました。平和憲法を掲げ、世界の平和と発展に貢献する事を国是とする国になったのです。
そして、この変化の鮮やかさは日本人の伝統文化の所産であると私は考えています。

この変化が「昭和の日」の意義であり、日本人の本来の心を取り戻したという意味で、まさに国民の祝日に相応しいと考えています。

日本列島が海面上昇で大陸から離れ、そこに住む多様な人種が混血し、純血化した縄文人になリ、縄文文化の1万何千年か、日本列島には戦争がなかったと言われています。
魏志倭人伝にある「倭国大乱」といった状態は、戦争という外来文化を輸入した後の話なのです。

話を戻せば、昭和20年(1945年)のあの暑かった夏の日から、日本人は、日本人の本来の心に似合った、戦争のない平和な時代を、世界の平和と発展に貢献する事を旨とし、楽しみつつ懸命に努力してきたのです。

「昭和の日」に、歴史的な視点から意味を与えるとすれば、日本が戦争という破壊行為を捨てて平和と発展という人類社会の建設を志す国に生まれ変わったことを記念する祝日という事こそが、その大事な意義なのでしょう。

そう理解すれば、明治は、少なくとも日本国内で内戦をするようなことはやめよう、と日本人が意思統一をした、国内絶対平和への脱皮の時でした。

そして「昭和」には、国としての戦争放棄と前進したのですが、昭和100年を目前にして、今の状態はどうでしょうか。

未だに世界は戦争をしたい国、戦争をする国が殆どです。
そうした国々の圧力や影響を受けて「昭和の日」の存在意義が次第に揺らぎつつあるのではないでしょうか。

今の状況では、岸田政権は、再び戦争をしかねない、日本人の本来の心を踏みにじる道に踏み込みつつあるのではないでしょうか。

「昭和の日」が日本の歴史の中で、これ迄と変わらぬ意義を持ち続けることを心から願うところです。

「財源のない政策を打ち出す」の怪

2023年04月28日 16時39分56秒 | 政治
自民党の人気も得票数も長期的なトレンドは低下傾向のようですが、公明党は与党という地位と引き換えに自民党全面支持の様相です。他にも与党入りしたい野党もいるようです。

一方、健全野党という党も沢山あるようですが、問題は沢山あるという事でしょう。野党が沢山あると野党の候補者は増え、票の取り合いになって、野党の当選者は増えません。

そんな中で、岸田政権は維持されているという事のように見えます。
岸田政権の強みは、国民の支持よりもアメリカの指示だなどという変な意見もあるようですが、確かに、ロシアのウクライナ侵攻、中国の台湾併合の可能性などを背景に、アメリカは日本に最接近のようです。

それなりの理由があって事でしょうが、岸田政権は、それが嬉しいのか防衛費を今後5年間で43兆円にすることを決め、その財源確保に税外収入などすべての余裕資金を掻き集める法案を閣議決定したりしていますが、まだ足りないようです。

防衛費というのは、ことが起きなければ、不良在庫になるものを買う金で、いったん事が切れば、多くの人命とともに、空や海の藻屑になるので、国民の役には立ちません。

戦争を知らない世代だから、そんな無駄をやるのでしょうが、心配している国民も大勢います。戦争を知らない世代でも、少し情報を集めれば、たちどころに解る事です。

嘗ての大失敗を日本はもうしないようにと平和憲法があるのですが、岸田総理は「憲法違反になるような武力の行使はしない」と言っているとのことです。

憲法には「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と書いてあだけですから、政府は放棄した武力の行使の中から、放棄しない部分を無理に作り出して、その部分にだけ使う武力ですという理屈を考えているようです。
日本語が正確に読める人でしたら、多分納得しないでしょう。

こうした無理の部分に43兆円を使おうというのですから、大部分の国民は「それならもっと使ってほしい所がありますよ」という事になります。

それを言わせないようにというのでしょうか、先回りをして「異次元の少子化対策」というスローガンを考えたようです。

然し、防衛費で余裕資金は全部使ってまだ足りないのですから「異次元の少子化対策」をやろうにも使う金がありません。
それなのに、出産費用から育児の援助、児童手当て拡充、所得制限撤廃、授業料は高校まで無料とか実現すれば国民が喜びそうなものを並べたようです。

財源がないわけですから増税という事になるのですが、増税というと支持率が下がるので、社会保険の中でとか仄めかしたり、「今の時点では言えない」とか、「こども未来戦略会議」を作って議論してもらうとか、まるで無責任です。

大体、私共の若い頃は「出産は病気ではないから、健康保険からはカネは出ない」という事でしたが、合計特殊出生率は1.5~2.0でした。国民が将来に希望を持って、楽しい家庭を創ろうと考えていたからでしょう。

今は、みんな子供や孫の世代はどうなるのだろうなどと心配しています。
家族も個人も何となく孤立化して、居場所のない人が増えている。将来にもあまり希望は持てないし、そのうちミサイルが飛んでくるかもしれない「新しい戦前」の予感がする、まさか核戦争にはならにと思うけど、子や孫は可哀想・・・

そうした経験からすれば、「異次元の少子化対策」と言葉を飾りながら、結局はカネの話になるというのは、とんだ見当違いと言わざるを得ません。
多分政治のいちばん基本になる「人間についての理解」が迷路に入っているのではないでしょうか。

「決める政治」から「相談する政治」へ

2023年04月27日 17時06分55秒 | 政治
最近の自民党の政治姿勢はどうにも困ったものだと感じることが多いのですが、元を辿っていくと安倍さんの「決める政治」が原点だったのではないかと感じています。

それまで自分も含めて「決められなかった」という反省があったのでしょうか、生まれ変わって「決める政治をしよう」と第2次安倍内閣を発足させたのではないでしょうか。

決められなければ物事は前に進まない、だから決めることで物事が効率的に進むだろうと考えたとしますと、一寸発想が単純すぎたのではないかと感じます。

人間は往々間違います。間違わなくても、状況の方が変わって、決定したことが現状に合わなくなることもあります。

そんなときに、決定したからと言ってそれに固執すると物事は動かなくなります。やっぱり物事の「決定」には、みんなの意見を取り入れ、柔軟性を持たせておかないと「効率的」と思っていたことが「硬直的」になって、こじれて前に進まなくなります。

今日のニュースで、政府は例のコロナですが5月8日からコロナを予定通り感染症上の2類から5類に移行することを正式に決定したと言っていましたが、専門家の中には第9波の可能性を指摘する人もいます。

もともと、ゴールデンウィーク明けからという事自体、ゴールデンウィークの人流錯綜の中で、感染者が増える可能性も考慮に入れての事でしょうから、いま無理に「決定」しなくても、「ゴールデンウィークの状況を見ながら、特段の変化がなければ移行しますという方が自然でしょう。

これなどは小さなことで済みそうですが、菅内閣の時の、日本学術会議の提出名簿から6人を拒否といった「決める政治」の行き過ぎは未だにこじれにこじれています。

これも決めてしまったからには、撤回は沽券に関わるという依怙地な頑固さがトラブルをひどくして解決が出来ない状況を作り出しています。
巷では岸田総理は出身大学の「都の西北」の中の「学の独立」の所は歌えないだろうなどと揶揄されたりしています。

さらにさかのぼれば例の「モリ・カケ・サクラ」に至りますが、決めてしまった事は変えないという事であれば、問題はいつまでも「解決に至ることはない」という状態で残るのです。

こうして「決める政治」を容認・放置すると色々と大きな問題も、国民の意向を省みずに進められ、それが起こすトラブルは、解決されないままにトラブルは何時までも残り、場合によっては大きな惨禍を齎します。

心配される大きな例を挙げれば、古くは「働き方改革」で、これも全く一貫性を欠いた儘に問題は放置され、これからの問題は「集団的自衛権」で、これは放置すれば、戦争を放棄した日本にミサイルが飛んでくる客観情勢だけでなく、日本が戦争に参加する可能性すらつくり出しています。

国民の賛成を得ずに「自分が決定すること」満足するような政治の行き着くところは独裁制でしょう。権力は「決定権の行使」という快感に溺れて、急速に腐敗するようです。
そして、種々の問題は解決されずに残りますから、その負の結果は国民が背負うのです。

民主主義で一番大事なことは、決めることではなくて、決めるまでのプロセスに国が国民に相談し、決定に国民が実質的に参加する事です。
そのためには「決める政治」はもうやめて「相談する政治」に帰ることです。これは日本の伝統文化の基本でもあるのです

AI活用の原点を考える

2023年04月26日 21時25分53秒 | 科学技術
チャットGPTが生れてAIというものが急に身近になって来たようです。チャットGPTは固有名詞ですが「生成AI」という一般用語も生まれてきたようです。  

普通の言葉で質問すれば、それなりに納得するような返事が普通の言葉で帰ってくるというのですから、それなら自分も使ってみたいという気持ちになります。

何が変わって急にAIが身近に感じられるようなものになって来たのでしょうか。
AIに入っているデータは、みんなインターネットや会社のデータなどに入っているでしょう。

それならば、自分でインターネットを使って検索し、自分の質問に関わる十分なデータを集め、それをよく読んで理解すれば、求める答えは出て来るはずです。

しかし、それには大変な時間と労力が必要なことが誰でも直ぐに解るでしょう。それなら、まずAIにその質問をして、AIが出した答えを見て、それを参考にしながら、自分でも追加の検索をして自分らしい答えを出せば良いのではないかと考えるでしょう。

この辺りにAI活用の原点がありそうです。
コンピュータが人間より決定的に優れている点は2つあります。一つは、覚えた事は忘れないこと、2つは、計算など情報処理の速度が圧倒的に早い事です。

ですから決まった事をやるのなら、人間はとても電子機器に敵いません。年金や住宅ローンなどで使う金利計算、何%の利率で、何乗とか何乗根の計算は関数電卓では一瞬ですし、計算違いはありません。 
人間は、それを信用して使えばいいのです。

条件が変化する場合でも変化の範囲が決まっていれば、コンピュータは条件を変化させたケース全てを一瞬で答えてくれます。
条件の変化が決まっていない場合は、起こりそうな変化の起きる確率のデータを取り入れた計算も可能でしょう。

こうなると人間の考え方に似てきます。深層学習というのは、この辺りを人間の質問の仕方から読み取って、コンピュータが人間が教ええたとおりに持っている限りのデータを尽くして「忖度」して処理し、答えを出してくれるくれるという事になるのでしょう。
こういう風な形で、忖度してくれという思考方法をAIに与えるのがアルゴリズムでしょう。

AIは、忘れない、速い、言われたこは守る、という事では信頼できるのです。そして人間の思考プロセスに似せて作られているのがすべての手順、アルゴリズムという事になるのです。アルゴリズムが極めて重要という事でしょう。

出てきた答えが、期待したものと少し違うという事であれば、その人の思考プロセスとAIのアルゴリズムに違いがあったのかな、という事になるのでしょう。

そこで、AI活用の原点ですが、AIに、仕事の手伝いをさせる場合、その問題に、自分なりの知識、理解、考え方、などを相当確り持っていないとAIを使いこなすことは出来ないという事になりそうです。

言い換えれば、AIの回答に対して、自分なりの判断、評価が出来るという事が、AIを活用するための必要条件ではないかという事です。

AIの回答を確り添削できれば、多分AIを使いこなせるということになるのでしょいう。
もし、AIの回答が、自分の考えていたものより「良い」という判断が出来れば、それも、その問題についての理解があるから出来る判断という事になるのでしょう。

AIは、これからますます進歩していくでしょう。人間の頭脳はあまり進歩することはないようです。

それでも人間はAIを使いこなすことは出来るでしょう。AIが人間の教えたことをやるための人工頭脳である限りは。

もう1つの「働き方改革」

2023年04月25日 14時11分25秒 | 労働問題
「働き方改革」については、随分書いてきたような気がしましたが、考えてみると、結局国民はこう働け、経営者はこうした人事制度、賃金制度を導入せよ、という事で、「実体は働かせ方改革」ではないかと思って来ました。

という事で、今日のテーマは「もう1つの働き方改革」ですが、こちらが本当の働き方改革だろうと思っています。

理由は、「働き方を改革する」というのは「働く人自身が考える」ことで、政府や企業が法律や制度で決めることは、「こういう様に働かなければいけない」という事ですから、つまりは働かせる側が、働き方を決めているという事であることは明らかです。

聖書の「働くことは原罪の償い」という考え方はさておくとして、日本人は働くことが好きです。貧しい時代には「働かざる者食うべからず」などと言う諺があって、多くの人はそれでいいのだとさえ思っていたようです。

今は豊かな社会になって、そんなことには誰も賛成しませんが、大抵の日本人は、何かいい仕事があれば働きたいと思っています。
これは、端的に収入が得られるという面もありますが、それよりも、働いている事は「他人の役に立っている」という意識があって、それを大事にしいているからでしょう。

「働き方改革」の根底には、この「働くことはいいこと」という意識があることが一番大事です。
出来れば遊んで暮らした方いいと思っている人に対しては、「働かせ方改革」はあっても「働き方改革」はあり得ないでしょう。

「世のため人のためになるのだから働きたい」と考える人が、如何なる「働き方改革」をすれば、より楽しく、効率的に働けるかと考えるところに、本当の「働き方改革」という考え方が生れて来るのでしょう。

そう考えていきますと、昨今の技術革新の中で、最も大事なのは、働く意欲を持っている人すべてが、それぞれに、これからの社会でどんな準備をし、どんな働き方をすれば、より社会のためになれるかを考える事こそが「本当の働き方改革」でしょう。

そして、政府や企業の仕事は、進展する技術革新の中で、個人個人の意思の発露である働き方が実現し易いような社会環境、職場環境の「整備」という事になるのでしょう。

特に、今の時点でこんな事を書いたのも、これまでの政府の「働き方改革」が、日本人の働き方の文化、「職務中心ではなく人間中心の働き方」という伝統文化に合わない現実、政府の政策と日本の伝統文化のミスマッチが見えて来ているからです。

そして、これからの「生成AI」「生成ロボット」の積極導入という技術革新による職務の大きな変化の中で、そのミスマッチが、日本経済の効率、生産性の向上の阻害要因になることを恐れるからです。

現状既に、欧米では「生成AI」、「チャットGPT」の使用反対とか、研究禁止はどの問題が起きたりしています。

逆に日本は、面白いから使ってみようといった態度が先ず前面に出ています。この辺りにも、働くことについては職務が中心ではなく人間が中心だという日本の文化が見えているのではないでしょうか。

政府も、従来の「職務の形を中心」にした「働き方改革」を「働くことは人間が中心」という形に全面的に見直して「誤って改めるに憚ること勿れ」を実践し、この機会に日本経済、日本産業の発展の加速に貢献する方向に向かってほしいと思います。

自動車の未来、当分続く混戦、抜け出すのは?

2023年04月24日 21時25分32秒 | 科学技術
自動車の歴史は二百数十年でしょうか。
その間の開発競争の中心はエンジンの性能をいかに高めるかだった、と言ってもいいのではないでしょうか。

殆どの機械は電気で動くようになっても、自動車はガソリンで動いていました。
最初は力の強いエンジンが主要な競争だったのでしょう。しかし、技術進歩とともに、静かなエンジン、更にはガソリン消費の少ないエンジン、更には排気ガスの綺麗なエンジンという事になりました。

そして今、排気ガスを出さないのなら、電気で走ったらという事になって来ています。
然し電気を作るときに排気ガスが出れば同じことですから、再生可能エネルギーでCO2削減という事になって来るという難題が出て来ました。

そこでクローズアップされていうのが水素で走る車です。水素は燃やしても水しか出ませんから、再生可能エネルギーで水素を作って、水素をガソリンの様に貯めておいて、それで自動車を走らせればいいわけです。

それなら電気でモーターを回してエンジンに置き換えよう、ということで、いま電気自動者の開発が盛んです。ところが電気は貯蔵が難しいので、問題は蓄電池だという事になりました。

そして今、蓄電池はどんどん進化していますが、いくつかの欠点があります。貯めておくコストが高い(自然放電する)、航続距離が短い、充電するのに時間がかかる、熱を作るとコストが高いなどです。

そこで、今度は水素の出番という選択肢も出て来ることになったわけです。
水素で車を走らせる方法な2つが競っています、1つはFCV(燃料電池車)、もう1つは水素エンジン車です。

FCVはすでに市販車が走っています。トヨタのMIRAI(ミライ)です。
燃料電池は水素と酸素を反応させて発電する装置で、家庭のエネファームでも使われています。発電する時出る熱で給湯は副産物というのがエネファームです。
ですからFCVには、燃料電池とモーターが必要になります。(この方式はガソリン車でもすでに走っています。「日産ノートe-power」:これはガソリンの排気ガスが出ます。

一方、水素エンジン車は、水素を燃料にしたエンジン車で、モータで走るのではありません。
これはトヨタが実験車で先行しているようで、ヤリスやヵローらのエンジンを水素で動くようにして、レースなどに出て活躍しているようです。
マツダでは、お得意のロータリーエンジンを水素で動くようにして車を走らせようという研究がされているようです。

水素自動車は、未だ市販車は無いので燃費性能は解りませんが、燃料電池車 のMIRAIは燃費が大体わかっていて、同じサイズのガソリン車と燃費は変わらないか良いという見方もあるようです(100円分の水素で100キロぐらい走る)。

充填の時間はガソリンと変わらないそうですから。充電時間とは大違いでしょう。
電気自動車がこれに対抗するには、充電スタンドではなくて、充電した電池が積んであって、「ハイ、満タンの電池です」と言って「置き換えて」済むようにならにと駄目でしょう。

最終的には技術開発と、燃費がどこまでよくなるか、水素スタンド、充電スタンド、置き換え電池スタンドがどこまで普及するかといった問題が利用者の車種選択の基準になるのでしょう。

私はカローラハイブリッドで終わりですが、これから車を乗り換えて行こうという方々が、車をお選びになる時、色々な可能性を考えて、間違いない車選びをされるのに「大変難しい時代」になるのかな(それも楽しみかな?)などと考えてしまうところです。

人間の知識とAIの知識

2023年04月22日 12時31分39秒 | 科学技術
人間がAIをうまく使いこなせるかという問題が起きています。

きっかけの一つは「チャットGPT」というAIのシステムが、無料で誰でもダウンロードでき、それを使って、あたかもベテランの先輩に質問して教えてもらうような感覚で、「回答を頂く」ことが出来るようになったことでしょう。

よく解らない事があったり、テーマを与えられて、それなりの意見を言わなければならないといった時に、自分でインタネットを検索し正しいと思われる答えを探し出したりしなければならない事は、学生でも、社会人の会社の仕事上でもよくあります。

それなりに解っている事であれば、適切なキーワードで検索したり、原資料である官庁統計などを使って、自分でも納得できる答えを探すこともできます。
しかし、慣れない分野や、最新の情報が必要だったり、複雑な判断が必要だったりすると、まず「どうアクセスするか」から模索しなければならず、試行錯誤の繰り返しになります。

そんなときに「チャットGPT」は、与えられた問題を、そのまま入力すれば、すんなりと、解り易い言葉で、恰好のいい答えを出してくれるようです。

これは正に救世主のような存在です。早速利用すれば、先生には褒められ、会社の上司は「お前よくやったな」とOKサインといったことになる様なのです。(時には良く出来過ぎていると疑われたりもあるようです)

特に自然言語処理の発達で、言葉や文章が確りしているし、下手な文章で、変換ミスがあったりもしないので、ますます立派なものに見えるようです。

こうしたことが一般的になった時、一体どんなことが起きるかを考えると「恐ろしい」というのが世界中で心配されているのです。
理由ははっきりしていて、AIが間違った答えを出したり、意図的に誤った方向への輿論づくりに使われるといったことも当然想定されるわけです。

どういう訳かそうした心配は欧米で強く、日本では、今のところ心配よりも、国会や官僚組織も含めて、「うまく活用したい」という動きの方が中心のようで、イタリアの様に当面使用禁止などといった事は起きないようです。

この辺りは大変難しい問題ですが、産業化革命以来、発達する機械に人間が使われるという意識は絶えないようです。
本当は機械に使われているのではなく、資本家や経営者に使われるのですが、機械が悪いと感じる気持ちも解ります。

これまでは機械が肉体労働に置き換わったのですが、AIの時代は頭脳労働まで置き換えてしまうのですから、仕事のなくなる人も沢山出るのではないかという惧れもあるようです。

しかし考えてみれば、AIの中に存在する知識は、総て人間が入力したものですし、深層学習と言っても人間の思考法を部分的に真似たものでしかありません。

人間より圧倒的に優れているのは、「絶対的な記憶力」と「計算(情報処理)のスピード」です。これは「答え一発カシオミニ」の電卓の時代から量子コンピュータまで想像を絶する進歩です。

人間は、自らの短所をそれで補い、人間の活動分野は、極微の世界から広く宇宙空間まで広がっています。

ここで重要なのは、人間がAIにいかなる情報を入れるかです。
今朝の新聞では、G7が連携して「責任あるAI」のために、入力する情報についての共通基準をつろうという動きが報道されています。

現状では、これがAIの人格(機械格?)を決めるのでしょう。G7の成果に期待しましょう。

消費者物価、一斉値上げもそろそろ終盤?

2023年04月21日 13時08分35秒 | 経済

このブログでは消費者物価の動きを毎月追っていますが、動きが複雑になって来て、傾向的な動きが掴みにくくなって来ています。

原因には、電気料金の政府の政策が一貫しない事や、鳥インフルの影響で、物価の優等生と言われる鶏卵の価格の大幅上昇などもあります。
ただ一貫して上昇傾向を示しているのが「生鮮食品とエネルギーを除く総合」です。昨年春以来の上昇傾向がまだ止まる気配がないという現状です。

下の図で、原指数の全般的な動きを見ますと2021年春ごろから、赤と青の線「総合」と「生鮮食品を除く総合」が上昇をはじめ、緑の「生鮮食品とエネルギーを除く総合」は一昨年の年末までは下がっています。

     消費者物価3指標の動き(原指数)

                   資料:総務省統計局「消費者物価指数」

これは当時、コロナ禍がひどく、消費が落ち込んで値上げなど出来ないという状態が続いたという事でしょうか。
一方ガソリンを中心にエネルギー関連は価格転嫁が出来たという事だったのでしょう。輸入物価高騰が消費者物価に影響しています。

しかし、昨年に入って、長期の消費不振で値上げできなかった加工食品や調味料その他日用品の一斉値上げの動きが出て、それまでの我慢の反動でしょうか、今年の4月、5月まで多様な消費物資の一斉値上げの波が続き、今年の4月、5月は第4波ぐらいになるのでしょうか。

一方エネルギー価格をはじめ、輸入物価は昨年秋から下がり始め、国内の企業物価もほぼ沈静、その影響が消費者物価にも及んできています。
下の図で見て頂きますと、今年1月、対前年同期比で4.3%まで上がった消費者物価の「総合」は、その後の上昇率を下げて来ています。


ここにきて赤い線が青い線を下回っているのは、生鮮食品が消費者物価を押し上げているという事ですから、これには生鮮魚介に加えて鶏卵の影響も大きいようです。

エネルギー価格は政府の電気料金政策で動くので、経済現象だけではないという面があり、ここでコメントすることはありませんが、問題は緑の線です。
 
         消費者物価3指数:対前年同月比(%)

                       資料:上に同じ

これは輸入物価や天候や鳥インフルの影響はほぼ除かれていますから、純粋に、日本の国内の人件費などのコスト、長年値上げできずに圧迫された企業利益の回復といった要因で動くものです。

そしてこの線はまっすぐに伸びて、赤・青の線を上回る3.8%という年間上昇率を示しています。
そして、この統計の翌月4月にも、さらに5月にも、何千品目とか何万品目の値上げが予定されていることがマスコミなどで報道されています。

最初の図(原指数)に戻っていただきますと、緑の線の上がり方はまだ青・赤の線の下にありますが、大分追いついて来ています。

これが青・赤を抜いてその上に出ると、(厳密ではありませんが)国内インフレが、海外インフレを上回ることになり、日本経済がインフレ体質になったことを示します。

という事は、そのあたりが現状の物価上昇の限度という事になりそうだという予想になるのではないでしょうか。
そのあたりに注目しながら今後も毎月見ていくつもりです。

2022年度の貿易収支は大幅赤字ですが

2023年04月20日 20時57分05秒 | 経済
今日、財務省から2023年3月と、2022年度の貿易収支が発表になりました。

企業の経常利益に当たる経常収支では黒字が維持されていますが、営業収支に当たる貿易収支はこの所赤字続きで、1月に発表された2020年(暦年)の貿易赤字19.9兆円をさらに上回る21.7兆円に膨らんで、1979年度の第二次オイルショックの時以来の大幅になっています。

しかし、マスコミでも、だから心配だといった声はあまり聞かれません。理由は、今回の貿易赤字は多分一過性で、ソ連のウクライナ侵攻をはじめ、国際情勢が安定しない中でのことなので、日本経済そのものに問題が生じているといった見方は余りないからです。

一時は、原油やLNGの輸入価格は2倍近くにまで上がったようですが、このところは上がり下がりはありますが、傾向的には下がる状態になっています。
国際投機資本の思惑で、150円までいった円レートも、今は130円台半ばです。

半導体などの重要部品をはじめ、希少鉱物資源などは軒並み値上りしていて、こうした希少資源の価格はデジタル化を支えるとか、再生可能エネルギー開発に必要といった性格のものなので、今後も値上がりが続く可能性はあるでしょう。

こうしたものの価格は、結局、世界中で同じように上がるので、世界共通であれば、日本だけ不利になるわけではないので、そうした資源の活用する技術開発で日本が先行すれば克服可能という見に方もあるでしょう。

一方で、日本は国内投資より海外投資に力を入れてきたので、国内経済はが不振続きでしたが、進出先の企業からの利子配当といった「第一次所得収支」が増加しており、これが貿易赤字を埋めて、経常収支は黒字になるといった状況にあります。ですから貿易赤字をそれほど心配する事はないという見方が多いのでしょう。

多少時間はかかるでしょうが、国際情勢が安定すれば、この辺の事情がどんなバランスで落ち着くかが次第に見えてくると思われます。現状ではあまり心配する必要なないという見方が大勢ではないでしょうか。

ただ、日本企業の考え方もこの所変わって来つつあるようです。国際情勢の不安が残る中では、国際的なサプライチェーンは不安定化するので、生産設備の国内回帰といった動きもあります。

これは、国内経済の活発化を齎す要因ですし、これからインバウンドの増加も見込まれていること、更には、国内の家計の消費行動が、当面の物価上昇に刺激され、今後はその沈静化の中で、コロナの終息、今春闘の影響もあり少しずつ動意を見せるのではといった変化もありそうです。

インバウンドの増加は貿易収支の黒字要因になりますが、国内の経済活動の活発化は貿易収支には赤字要因でしょう。影響は交錯しています。

もし、長らく低迷した日本経済が活性化を取り戻すとすれば、その方が大変望ましい事は明らかですから、貿易赤字が多少増えても当面国際収支の心配はしない方がいいのではないでしょうか。

これまでは、万年黒字で円高が心配という日本ですが、この所はアメリカの金利引き上げで、100円飛び台の円レートが130円台で安定しているようですし、日本が赤字国に転落すれば、変動相場制が円安にしてくれるという事のようですから。

カジノ誘致という情けない根性を嘆く

2023年04月19日 16時54分24秒 | 文化社会
政府と大阪はいよいよ大阪湾の夢洲にカジノ主体のIR(統合リゾート)を作ることを決めたようです。

トランプさんがアメリカの3人のカジノ経営者と共に安倍さんに頼んだ、という話があって始まった事のように聞いていたものです。
トランプさんが大統領でなくなって、北海道は誘致反対を宣言、横浜も誘致賛成の市長が辞めて、立ち消えかと思っていましたが、政府と大阪の合意で、実現という事のようです。

もともとカジノは賭博場で、どう理屈をつけてもそれが健全な人間を育て、付加価値を創る経済活動ではないのですから、私的なものは禁止です。
しかし、政府だけに賭博が認められていて、政府公認の賭博は競馬や宝くじなど存在します。

競馬はスポーツとして認められ(これも少し変ですが)、宝くじは庶民の慈善寄付に楽しみを付けるという意味で、認められているのでしょう。

カジノは純粋の賭博で、これを政府が認めるという事は,その収益の大部分を地方自治体などの収益として確保できる、つまり税金で取れない分の穴埋めとして意味を持つという事でしょう。

確かに、税金で取ろうとすれば、税金が高すぎると反政府運動が起きるでしょうが、ギャンブルで損した人は自己責任ですから文句の言いようがありません。

ただ、日本人は、世界でも数少ない「お金の出自を区別する」人たちなのです。
貴いのは「額に汗したカネ」で「あぶく銭は悪いカネ(悪銭)」と感じるのです。そして「悪銭身につかず」と言うのです。

これは今の経済学でいえば、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の区別で、「キャピタルゲイン」は「悪銭」の仲間です。理由は付加価値を創らない、単に、カネがAさんからBさんに移るだけの活動だからです。

カジノというのは、この「悪銭」を最も原始的な賭博という形で、政治の権限を使って得ようという事ですから、本来日本人の気質から言えば「合わない」ものでしょう。

カジノでは損をする人が殆どで、損するだけではなくギャンブル依存症になって、家族や社会に迷惑をかけ、人間として破綻するような人も多く出るので、今度のIR計画では政府はギャンブル依存症対策に随分気を使っているようです。

そういう犠牲者を出しながら、ギャンブルで上がったカネで例えば「社会保障を充実する」と言っても、すんなり納得する人は多くは居ないでしょう。

こうした問題を孕みながら、経済効果が年に近畿圏で1兆1,400億円、更には大阪府、大阪市の財政が良くなると言われても、もう少しましな、日本の伝統文化を生かすようなインバウンド誘致の政策があるのではないかという市民としての健全な感覚を大切にする、政府、地方自治体であって欲しいとつくづく思うところです。

財政政策と金融政策、政府と日銀の関係の行方

2023年04月18日 17時02分46秒 | 経済
日銀総裁が、黒田さんから植田さんに変わりました。

黒田さんは、プラザ合意、リーマンショックによる超円高が日本経済の正常な活動を妨げていることを明確に意識して、2発の黒田バズーカで円レートの正常化を実現し、政府と共に2%インフレターゲットを掲げて、金融政策だけでは不可能な日本経済の復活のための財政政策、構造開花鵜の金融面からの下支えをしてきました。

残念ながら、日銀の政策成功によって順調に進むかと思われた財政政策、構造改革は、掛け声は立派でしたが、現実の政策運営面で多くの齟齬があったようで、日本経済はゼロ近傍の経済成長を続けることになり、コロナがそれに拍車をかけて、日本経済の不振は目を覆う状態になりました。

3年間おコロナ禍の中で、活動の抑制を強いられた日本経済に対して焦る政府は、赤字財政をも顧みず、国債発行、財政支援で経済活動の維持を図り、日銀はその下支えの役割を強いられたという事でしょうか、巨大な国債発行残高の半分は日銀が保有し、ETFの購入で、株式会社「日本」の筆頭株主は日本銀行と言われる状態になりました。

折しもアメリカから広まったMMT理論の実態は、勤倹貯蓄精神の旺盛な日本人の、老後のための貯蓄が支えたことにも気づかずに国債残高を膨張させた日本政府を、結果的に徹底して支えたのが日銀の役割だったと理解されたという事でしょうか。

政府は、そうした条件を、如何に恵まれた条件であるかの認識もなく、当然のことのようにコロナ禍に対しても、その後の原油・LNGなど 国際商品の値上がりに対しても、際限のないバラマキ政策を続けています。

表面的な対症療法に気を取られ過ぎの、選挙の人気目当てのような財政政策が続いた結果は、輸入インフレの中で、価格転嫁の困難な産業や中小企業の経営の限界、更に、実質所得の低下する国民・家計の我慢・勤倹貯蓄意識の限界が露呈されてきたようです。

消費者物価はじりじりと上がり始め4%を越え5%に達しようという状況になり、家計はコロナの鎮静化とともに、貯蓄選好から「消費性向」を高め始め、その影響は、輸入物価の上昇に加えて、貿易収支の赤字化を促進、円安要因になるという不安定な状況を齎しています。

日本経済はこれまでと違う様相の時代に入るのではといった不安も感じられる所です。

これまでのこうした状況から、巷でも言われますように、政府は日銀を子会社の如く考え、意のままに御すことが出来ると思っているといった見方も在るようです。

こんな困った状況の中ですが、今日18日、衆議院の財務金融委員会に出席された植田総裁の発言が報道されています。
「国債の買い入れについては、2%の物価目標を達成するという金融政策の必要性から行っているもので政府の財政資金の調達を支援するためのものではないと強調」と報道されています。

これは公共工事に使われてきた建設国債を防衛費の財源に充てるということに関連した質問に答えたもので、それに続いて、「財政運営については、国会の責任において行われるものであり、具体的にコメントをすることは差し控えたい」といっているとのことです。

政府は財政政策に責任を持ち、日銀(中央銀行)は金融政策に責任を持ち、互いに独立した意思決定をするというのが、世界の常識でしょう。

共通の目的を持って協力する事は当然有り得るとして、さて防衛費の膨張が著しくなるこれから、政府と日銀の考え方、両者の関係はどうなっていくのでしょうか、何か目が離せないことになりそうな気もします。

ドイツ、原発全ての廃止を決定

2023年04月17日 15時58分17秒 | 政治経済
ドイツは思い切りましたね。
世論調査では原発全廃には反対という意見の方が多いというのに、メルケルさんの方針の原発全廃を今の時点で実行しようと政府が判断したのです。
このドイツの勇断に対する、評価が、世界でも、また日本においても、あまり大きなものでない事に、何となく違和感を持ちます。

EUの電力ネットを持つドイツと日本は、いろいろ違うでしょう。ウクライナ問題で、ロシアのLNG供給が大事か、戦争と原発といった問題の判断をどうするか、などなど多様な要素を全て考えに入れながら、最終的判断に至ったのでしょう。

そして、結局、核分裂を利用した発電は、核廃棄物の際限のない拡大を齎し、人類社会の将来に禍根を残すという「核分裂利用は人類の誤り」という基本命題に忠実な結論に到達したのです。
この判断が「正」か「誤」かを決めるのはこれからの歴史でしょう。

些か話が逸れ、性質は全く違う問題ですが、この判断は、戦後、日本が「戦争放棄」を宣言したのと似ているような気がしてなりません。

そんなことを決めても通るはずはない「誰かにお世話になるだけ」と言われても、人類社会の将来を考えれば、「国際問題の戦争による解決は人類の誤り」という基本命題に忠実な判断を選んだことと共通点を感じるのです。

日本も今、「不戦」を守りきるかという問題で、ギリギリの状況に直面していますが、ドイツも、これから、原発無しで国民生活を安定させ、ドイツ経済社会の着実な発展のためのエネルギーを如何に確保するかという困難に直面するでしょう。

日本の問題は、ここでは論じませんが、ドイツはすでに再生可能エネルギーで40%以上を賄うところまで達しており、ロシアとの問題はあるにしても、多様な形でのLNGの確保、それに、いざという時には、豊富な石炭資源の活用は可能です。

恐らく、石炭にしても、従来の単純に石炭を燃やすのではなく、石炭のガス化、更にはCO2のメタネーションによるメタンガスの生成技術などの開発に総力を挙げるのではないでしょうか。

フォルクスワーゲンが完全EV化からエンジン技術を残す方針に転換、EUがハイブリッド車を認めたことも、日本ではトヨタ有利と報道されましたが、今後のメタネーション技術の進展を考慮したのではないかと思われます。

ドイツの原発全停止についてのマスコミの論調や種々の意見や書き込みの中にも、太陽光発電、風力、火力などの問題点を指摘し、原発全廃に批判的なものも見られます。
然し、メタネーションなどCO2の資源化の可能性についてはほとんど触れていません。

こうした新技術の今後や、火山国日本では地熱発電など、あらゆる努力を傾注しても、核分裂を利用して際限なく増え続ける核廃棄物の処理に行き詰まることを出来るだけ早期に終わらせることは、人類社会にとってにとって大変重要なことでしょう。

その問題意識から見れば、原発全廃に踏み切ったドイツの英断を、世界がもう少し評価し、、日本も日本なりの努力を嵩ね,核のゴミはこれ以上増えないという安心感を、世界の齎すことの重要性をより大切に考えたいと思う所です。

狭い庭でも花いっぱいの春です

2023年04月15日 16時07分01秒 | 環境
今日は土曜日、天気が良ければ撮り立ての花々写真をと思っていましたが、天気予報では1日雨だという事でした。
そして天気予報は、全く正確で、朝起きて窓を開けると「あ~やっぱり雨」でした。

写真は、天気予報を見て、今盛りの花は昨日のうちに撮っておきました。唯一撮り忘れたのは玄関脇の「木香薔薇」でした。これは今日の雨の中で。

昭和38年(1965年)都下国分寺のこの場所に居を定め、狭いながらも庭があるので、当時はやっていた「花いっぱい運動」の見本のような家にしようという家内といろいろ植えてきました。
今は手入れも行き届かないままに、花々の栄枯盛衰の果てに残っている春の花を楽しんでいるといったところでしょうか。

春はリュウキンカの開花と共に始まります。

そしてヒマラヤユキノシタもう何10年も西側の隅で咲いてくれています・

茶花の貝母は随分増えました。

ホタルが上陸羽化する藪では貝母の隣に、ハナニラが白く尖った清楚な花の群生を見せています。

今年はドウダンツツジの花が良く咲きました。

この藪には、この何年かムラサキスイセンが侵入して来ています。

全盛を誇っていた白雪芥子は南の塀際に押しやられ、それでも元気で真白な花を点々と散らしています。

西側の隅では久留米ツツジが咲き分けの赤白の花を塀沿いに伸ばし、その上は伸びたアケボノが今満開の花をびっしり咲かせています。

そしてその下、伸び始めたススキの後ろには絶滅危惧種でしょうかウラシマソウが長い釣り竿(釣り糸?)を伸ばしています。

アケボノの満開に時期が過ぎる頃には、反対側、東側のオオムラサキが咲き始めるでしょう。

諺とツイッター

2023年04月14日 21時45分23秒 | 文化社会
諺とツイッター
電気自動車のトップ企業「テスラ」の創業者で、世界トップクラスの資産家と言われるイーロン・マスク氏がツイッター社を買い取って、経営合理化のために従業員を半分に減らすのだそうで、大変なことのようですが、経営の問題はさておき、ここでは情報伝達手段としての言葉の問題です。

ツイッターでは英語でも日本語でも140字以内でないといけないという事で、長い文章は書けません。
(ツイッター・ブルーという400字というのもあるようですがあまり使われてはいないようです)

日本語で140字はまだいいとして、英語の140字では、些かword数が足りないような気がします。

いずれにしても、常人には、そんな短い文章で、自分の意思や情報をきちんと伝えることは至難でしょう。

「寸鉄人を刺す」ような名文や警句を即座に編み出すなどは、バーナード・ショウやプア―・リチャードならともかく、2~3日かけて考えても駄目でしょう。

日本人は、それでも、俳句、短歌、川柳、狂歌という伝統文化もありますから、まだいいのかもしれません。

そういう意味で感心するのは「諺」です。
「諺」は決して長くありません。しかし、聞くと誰もが素直に感心し納得するものが多いからこそ、何百年、何千年も語り継がれているのでしょう。

しかし、そうした諺でも、場合によっては大変な誤解を生じる場合もあります。
例えば
「君子危うきに近寄らず」と「虎穴に入らずんば虎児を得ず」は意味が反対。
「一石二鳥」と「二兎を追うものは一兎を得ず」も同様。
「待てば海路の日和あり」と「待ちぼうけ」も同様。

こうした諺は、直接「やれ!」とか「やめろ!」とかいうのではなくて、何かに託して考え方を伝え、その場に適切であれば説得力を持つのです。しかし状況が違うととんでもないことにもなります。

例に挙げたのは極端な、並べてみれば正反対の意味のものですが。言い回しの巧みさもあって、状況とタイミング次第で効果的な、納得性のあるものなのです。

ツイッターなども、こうした諺のように、厳しく鋭い発言の趣旨をソフトに「例え」や「ユーモア」や時には「ペーソス」などに包んで、巧みに表現すればいいのかもしれませんが、常人にはとても可能という感じがするのです。

常人がそれをやろうとすると、長文の説得調になるか、端的な肯定や否定の言葉になるか、場合によっては誹謗・中傷、悪口雑言のようなものになりかねません。

トランプさんをはじめ、政治家もツイッターを多用するようですが、それは単純に、自分の意見に賛成か反対かの反応を知るためが多いようです。
単純な反応で物事が済むようになると往々人間社会は賛否の分断の兆候が出て来ます。

こうして、「短文」が広く社会に行き渡ることは、表現の単純化から思考の単純化、行動の単純化を生むような気がしてなりません。

イーロン・マスクさんが、ツイッターを買収したのも、ツイッター文化に何らかの問題点を感じ、何ら化の改革を試みようと思ったからでしょうが、さて、ツイッターはどんなことになるのでしょうか。

消費者物価「コアコア指数」の日米比較

2023年04月13日 16時25分06秒 | 経済
この所物価の話ばかりで恐縮です。
アメリカの物価については、昨年の夏から秋にかけて追いかけて来ましたが、一応の落ち着きがみられたので、その後は楽観していました。

予想はほぼ順調で、アメリカのインフレは一段落という事のようですが、FRBのパウエルさんは、ことのほかインフレがお嫌いなようで、積極的に金利引き上げを行った結果、その副作用で、放漫経営気味の中堅銀行2行が破綻してしまいました。

これはショックだったようで、今回の金利引き上げはゼロか、上げても0.25%というところで議論があったようですが、結局0.25%の小幅引き上げで、未だアメリカのインフレの勢いは十分沈静していないという見方のようです。

そんなことで、それではアメリカのインフレと日本のインフレをちょっと比べてみようかと思います。

今日の経済の中では、大抵インフレの場合、物価上昇は、2つの部分に分けられます。
① 海外の物価上昇による輸入インフレ
② 自家製のインフレ(「賃金上昇+便乗値上げ」によるインフレ)
そして、大抵の場合、輸入インフレが起き、それを契機に自家製インフレが起きます。

輸入インフレには対抗できないし、その内、海外の物価が収まれば収まります。
自家製インフレは、原因が自国の賃上げや値上ですから、その国の人々が作り出しているわけで、賃上げと物価引き上げを繰り返しているうちは止まりません。逆にそれをやめればすぐに止まります。

輸入インフレは大抵の場合石油などエネルギー価格が原因です。ですから、消費者物価上昇の中で、エネルギーの上昇部分を除けば、「自家製インフレ」の部分が残ります。

序でに、もう一つのお天気次第の不規則変動要因「食料品」(日本では生鮮食品)も除いた方が「自家製インフレ」の計測は正確という事で、消費者物価指数の上昇の中から食料とエネルギーを除いた指数を「コアコア(芯の芯)」指数と呼んでいます。
(注)「コア指数」は食品(日本では生鮮食品)だけを除いた指数
   
      日米の消費者物価「コアコア指数」対前年上昇率の推移(%)

                  資料:各国統計

アメリカの「コアコア数」は昨年9月の6.7%がピークで、その後下げ続け今年3月には5.1%になっています。消費者物価全体では5.0%でこれはエネルギー価格下落のためです。FRBは、5%はまだ高い、2%ぐらいにならないとインフレマインドが収まったとは言えないと考えているのでしょう。

日本の場合は、昨年春から上がり始め、その後急上昇で今年2月には3.5%にまで来ています。この異常な上昇の背景には、生活用品中心の一斉値上げという特殊事情があるわけで、で、これは前回も触れましたが長年の背景があります。

日本の「コアコア指数」が5%まで行くとは考えられないような気がしますが、アメリカ現状に即反応、日本の場合は、我慢を重ねて値上しませんが限界を超えて噴出する形になっています。

日米ともに、政府の「インフレ・ターゲットは」2%ですが、これは「コアコア指数」でのターゲットと考えるべきでしょうし、日銀も、FRBもそう見ているはずです。

さて、どちらが先に目的水準に達するか、国民性も経済政策も違う中での同じ目標です。「ウサギとかめ」ではありませんが「どちらが先に駆け付くか」でしょうか。