フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

こけら落とし

2012-11-29 23:58:19 | Weblog
今日も昨日に続いてお芝居や歌謡ショーなどの興行のお話です。こけら落としのこけらとはという話ですが、まず工事の話から。トンネル工事では、あともうひと掘りで開通というところで一旦工事をやめます。なぜならしかるべき人が開通式を行うからです。その人が最後の壁を爆破して開通を祝うのです。新しい鉄橋の工事でも開通式でしかるべき人が最後のボルトを締めるのです。
さて、劇場のこけら落としですが、新築劇場の初興行がこけら落としと言われていますが、もともとは昔、家を建てる時の儀式でした。こけらというのはカンナ屑のことで、完成間際に屋根にカンナ屑を残しておいてそれを落とすことで完成としたからです。
芸能人にとってこけら落としの舞台を踏めるのは、最高の栄誉でしょう。緞帳が上がったとたんに万雷の拍手を受ける。気持ちがいいでしょうね。ところが何回も大劇場で座長公演を勤めた人に聞くと、いまだに緞帳が上がって客席を見ると観客が誰もいない夢を見るそうです(笑)。わかりますね。
ですから先日もありましたが、初日が既に貸し切りなんだそうで、その歌手は嬉しそうでしたよ。