フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

なるほどなあ

2012-11-28 22:42:36 | Weblog
また今日一つ、新しい知識を得ました。古都に年の瀬の訪れを告げる南座の歌舞伎公演「吉例顔見世興行」はこの30日から始まりますが、大入りを願う役者の看板を掲げる「まねきあげ」がつい最近行われました。看板に書かれる文字は「勘亭流」といわれ、独特の丸みを帯びた文字です。併せて看板一杯に書くことも特徴です。
ところで勉強したというのは、何故、板一杯に書くかがわかったことです。それは一杯に書くことで客席が埋まるようにとの願いを込めているというものです。相撲の番付表や寄席に使われる文字も同じ意味があるのでしょう。
日本の伝統芸の中からこのように今でも使われることが数多くありますね。芸能界の挨拶は、朝でも昼でも「おはようございます」ですが、これも江戸時代の歌舞伎の世界から伝えられています。当時は夜の興行もありましたが役者の世界では、一期一会の精神で今日最初にあったときは、誠心誠意心を込めた挨拶をしようと、一番丁寧な「ございます」という言葉を使うためには、おはようしかないと夜でも「おはようございます」を使うよ
うになったそうです。良いことはやはり後世に伝えたいですね。