フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

時雨

2011-11-24 22:25:32 | Weblog
歌謡曲の番組を担当していると、歌謡曲のタイトルで「時雨(しぐれ)」に良く出会います。今も、新曲の中に「時雨」という曲が2曲出ています。
時雨という雨は『晩秋から初冬の頃、晴れていたかと思うと一瞬に曇り、サァーと降りまた晴れるといった雨で通り雨』が定義です。日本海側の地方や京都や丹波などの時雨が有名です。タイトルに多く使われるのは、日本人は美しいと感じる言葉の一つだからですね。「蝉時雨」とか「木葉時雨」などの言葉もあります。「袖の時雨」は涙のことなんですね。京都の時雨が有名だと言いましたが、それだけに俳句も多く詠まれています。先日、訪ねた東福寺の通天橋を詠んだ句に『通天やしぐれやどりの俳諧師(茅舎)』があります。
京都の時雨は特徴のある時雨です。青森、秋田、山形などの雪国では雪の降る前に時雨の季節があります。荒々しく大粒の雨で斜めに降るのですが、京都の時雨は真っすぐに降ります。風が無いからです。そのぶんだけ時雨が優雅なんですね。そのイメージが歌謡曲のタイトルになりやすいのです。
時雨の季節になりました。ということは歌謡曲、演歌の季節。番組にも力が入ります(笑)。