竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻3 歌番号187から191まで

2024年08月26日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻3

歌番号 187

詞書 延喜御時の御屏風に

詠人 つらゆき

原文 可世左武三 和可々良己呂毛 宇川止幾曽 者幾乃志多波毛 以呂万佐利个留

和歌 かせさむみ わかからころも うつときそ はきのしたはも いろまさりける

読下 風さむみわかから衣うつ時そ萩のしたはもいろまさりける

解釈 風が寒くなったので私の新調する唐衣も肌さわりを良くするために砧で打つ季節になりました、そのような季節に萩の下葉も一層に色合いが良くなりました。

 

歌番号 188

詞書 三百六十首の中に

詠人 曾禰好忠

原文 加美奈比乃 美武呂乃也万遠 个不美礼者 志多久左加遣天 以呂川幾尓个里

和歌 かみなひの みむろのやまを けふみれは したくさかけて いろつきにけり

読下 神なひのみむろの山をけふみれはした草かけて色つきにけり

解釈 神奈備、その神が寄り付くと言う三室の山を今日眺めて見ると、梢の葉だけでなく木々の下葉にまで色付いて来ました。

 

歌番号 189

詞書 題しらす

詠人 大中臣能宣

原文 毛美知世奴 止幾者乃也万者 不久可世乃 於止尓也安幾遠 幾々和多留良无

和歌 もみちせぬ ときはのやまは ふくかせの おとにやあきを ききわたるらむ

読下 紅葉せぬときはの山は吹く風のおとにや秋をききわたるらん

解釈 その名のように紅葉をしないと言う、常緑の常盤の山は吹く風の音に秋の季節を聞き別けるのだろうか。

 

歌番号 190 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 大中臣能宣

原文 毛美知世奴 止幾波乃也万尓 寸武之可八 於乃礼奈幾天也 安幾遠志留良无

和歌 もみちせぬ ときはのやまに すむしかは おのれなきてや あきをしるらむ

読下 もみちせぬときはの山にすむしかはおのれなきてや秋をしるらん

解釈 その名のように紅葉をしないと言う、常緑の常盤の山に住む鹿は、自分自身が妻を呼ぶために鳴くことで秋の季節を知るのだろうか。

 

歌番号 191 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 安幾可世乃 宇知不久己止尓 多可左己乃 遠乃部乃之可乃 奈可奴日曽奈幾

和歌 あきかせの うちふくことに たかさこの をのへのしかの なかぬひそなき

読下 秋風の打吹くことに高砂のをのへのしかのなかぬ日そなき

解釈 秋風が打ち吹くごとに、高砂の尾上に住む鹿の妻を呼んで鳴かない日はありません。

 

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