竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻2 歌番号104から108まで

2024年08月02日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻2

歌番号 104 拾遺抄記載

詞書 天暦の御時の歌合に

詠人 壬生忠見

原文 佐世布遣天 祢左免左利世者 本止々幾須 比止徒天尓己曽 幾久部可利个礼

和歌 さよふけて ねさめさりせは ほとときす ひとつてにこそ きくへかりけれ

読下 さ夜ふけてねさめさりせは郭公人つてにこそきくへかりけれ

解釈 夜が更けて、寝覚めをすることをしなければ、ホトトギス、人伝ばかりで、その啼く様子を聞くばかりでした。(私は確かに聞きましたよ。)

 

歌番号 105

詞書 おなし御時の御屏風に

詠人 伊勢

原文 布多己衛止 幾久止者奈之尓 本止々幾須 与不可久女遠毛 左万之川留可奈

和歌 ふたこゑと きくとはなしに ほとときす よふかくめをも さましつるかな

読下 ふたこゑときくとはなしに郭公夜深くめをもさましつるかな

解釈 二声を聴くことはないのに、ホトトギスの鳴き声に、夜深くに目を覚ましてしまいました。

 

歌番号 106 拾遺抄記載

詞書 北宮のもきの屏風に

詠人 源公忠朝臣

原文 由幾也良天 也万地久良之徒 本止々幾須 以満比止己衛乃 幾可万本之左尓

和歌 ゆきやらて やまちくらしつ ほとときす いまひとこゑの きかまほしさに

読下 行きやらて山ぢくらしつほとときす今ひとこゑのきかまほしさに

解釈 そのまま通り過ぎることが出来なくて、山路で日を暮らしてしまった、ホトトギスよ、今、もう一声、その啼き声を聴きたいものです。

 

歌番号 107 拾遺抄記載

詞書 敦忠朝臣の家の屏風に

詠人 つらゆき

原文 己乃左止尓 以可奈留比止加 以部為之天 也万本止々幾須 堂衛寸幾久良无

和歌 このさとに いかなるひとか いへゐして やまほとときす たえすきくらむ

読下 このさとにいかなる人かいへゐして山郭公たえすきくらむ

解釈 この里にどのような人が家を構えて住んでいて、山のホトトギスの鳴き声を絶えず聞いているのでしょうか。

 

歌番号 108

詞書 延喜の御時の歌合に

詠人 よみ人しらす

原文 佐美多礼者 知可久奈留良之 与止可者乃 安也女乃久左毛 美久左於日尓个利

和歌 さみたれは ちかくなるらし よとかはの あやめのくさも みくさおひにけり

読下 さみたれはちかくなるらしよと河のあやめの草もみくさおひにけり

解釈 五月雨の季節は近くなって来たようです、淀河の菖蒲の草も水草も生い茂っています。

 

コメント
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