麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

最後の、日本シリーズ

2006年10月18日 | 身辺雑記
 すっかり野球への興味が薄らいでしまった僕なので、最近の「今年が最後の日本シリーズ」って報道にも反応がイマイチだ。

 そりゃ、僕の子供の頃はキング・オブ・スポーツで、クラスの運動神経いい奴は皆、それぞれの地区のエースや4番だった。
 僕は当時からグータラで、せっかくの日曜日に早起きするのが嫌で、せいぜい近所の仲間との草野球程度だったが、今でも「贔屓のチームは?」と聞かれれば即座に東京ヤクルトスワローズと答えるほどには、野球を意識している。
 勿論、最初は巨人ファンだったがダーティーな球団体質に耐えかねて、大ファンだった河埜和正の引退した86年にチームを去り(?)、当時栗山池山広沢ら後の黄金時代に貢献する若手の台頭し始めたヤクルトに寝返った。
 また河埜のように地味ながら実力のある東演的選手(?)を、個人的には気にもしている。今なら清水(巨人)に今岡、檜山(ともに阪神)など。ちなみに彼らは大学の後輩という共通項もあるのだが、いずれにしろ昔ほど熱くはない。
 
 で、それは僕だけじゃないよーで、巨人戦の放送なしはまだしも、ドラゴンズの優勝決定まで地上波でオンエアーなし、とは流石に重症だ!
 WBCでの世界一戴冠やハンカチ王子vs平成の新怪物など、復活の手掛かりがないではない…。タイトルの、日本シリーズを廃してメジャーみたいにする!ってのも巻き返しの切り札(?)と小耳に挟んだ。


 以上前段。

                

 数日前、NHKで戦時下に選手や関係者が尽力して「最後の早慶戦」を行った!という番組を見て、なるほど感動しつつ、でも一番吃驚し、かつ深刻に思ったことは・・・再現VTRに出てくる選手達に、余りに野球の下手な人が多い!ってことだった。

 早稲田と慶応のユニフォームを着た「俳優達(俳優の卵たちと言うべきか…」の、そのバットの振り方やボールの投げ方が、なんとおかしなことか…。
 欧州はじめ野球に不馴れた人たちが野球をすると見るも無惨なものだが、それに匹敵するヘナチョコぶりだった・・・。全員ではないけど。

 前段の深刻さを印象づける「事件」として、かつての草野球プレーヤーでプロ野球が好きだった僕の目には映った。それも相当のインパクトで。。。
 思えば、NHKに限らず最近の野球がらみのドラマの、野球の下手さはまったく目を覆いたくなるばかりだ。
 勿論、亀梨くんを例に出すまでもなく、芸能界にはハイレベルな「野球小僧」がいるのを知ってはいる。
 ただ現実に、ドラマに出てくる多くの無名の俳優達に、まず野球の最低限の動きを求めるのは自然なことで、当然創り手も考えてはいながら、それが困難な現状があるのだとすれば「若い面々がいかに野球をしてこなかったか!」ってことである。

                                 

 さて。弱い者いじめ(?)は良くありません。
 実は演劇界だって、それ以上に深刻な「演劇離れ」に、絶体絶命であるのだから・・・。

 はてさて。
 安定感のある大人の野球、「オレ竜」中日ドラゴンズか?
 若さと勢いの、ラストイヤーSHINJO率いる(?)北海道日本ハムファイターズか?
 いよいよ土曜日、ナゴヤドームで開幕・・・らしい。
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ちいさな種、咲いた

2006年10月16日 | 東演
「ちいさな種、咲いた」
・・・日本語としてはおかしな、あるいは詩的な文学表現ならありでしょうか?

 昨年の「60年目の夏」※を観た一人の男性が『朗読劇/月光の夏』を地元・市川でも多くの人に観て欲しいと始まった“ちいさな種”が、昨日仲間達とともに幾多の難関を乗り越えて、観客たちと“大きな花”を咲かせた・・・という話の、簡略したものなのです、実は。

   ※「60年目の夏」=戦後60周年の昨年、紀伊國屋ホールで、
    東演、青年座、関西芸術座がそれぞれ平和を希求した作品
    で競演した企画。

 市川の中心、本八幡。市役所などが集まるJR駅の北側、国の特別天然記念物・千本公孫樹のある葛飾八幡宮のすぐ手前(というか敷地内って感じだ)にある「市川市市民会館」で行われた「ピアノソナタ月光による朗読劇/月光の夏』は、予定していた市川在住のピアニストが急病で倒れるというハプニングの中、佐賀から植田伸子さんに飛んで来ていただき、14時に開演した。開場は13時半、ところが13時頃からぽつぽつ人が集まりだして、開場の頃には自動ドアの外、八幡様の参道にまで長蛇の列が出来るほどに、会場は期待と熱気に包まれていた。

 いわゆる基礎票の見込める団体ではない「市川グリーンネット」という任意の集まりの中、一人ひとりが額に汗して広げた結果に、深い感謝と敬意を強く抱いた。

 以前にも少し触れたが05年度から始まった、市民税の一部で市民達の活動を応援する全国初の試み「市川市1%支援事業」の一環であり、そのため料金は破格の1500円。そのため家族揃っての観劇という方達も多かったようだ・・・。

 圧倒的な集中力を持って観劇いただき、そのエネルギーを受けて役者達も乗って芝居ができた!
 駅の反対側、市川市文化会館ではゴマキのコンサートが行われていたらしいが、それに負けない(?)熱いライブになった!!! 

 終演後、役者の一部と植田さん、主催者側の方々と交流会をしたが「無事終わってほっとしたけれど、900の小屋を一杯にできなかったのは悔しいし、こんな素晴らしい舞台をもっと多くの人に観てもらうべき!とお客様からも言われたので、これをゴールと思わず、最初の一歩として次につなげたい」と、さらに嬉しい言葉も聞かれた。

 小さな種から花が咲き、それが実となって、次の種を弾かせる。

 市川は勿論、『月光の夏』で東演が全国を一歩一歩あるく中で、関わった皆様から聞く声であり、我々も求めることである。

 この後、11月11日の福岡を皮切りに九州を回る『月光の夏』・・・ピアノと織りなすドラマリーディングの旅はまだまだ続く。。。

                           

たまには真面目なブログだって、書く。

 
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区民A、06-07始まりました。

2006年10月14日 | 東演
 青年座の千田恵子さんを演出に迎えての下北沢演劇祭2007「世田谷区民上演グループA」の稽古が今日から始まりました。
 奇しくも彼女の所属する青年座の『ブンナよ木からおりてこい』(於:本多劇場)初日と重なりました。

 その本多劇場で、我々東演も2月末『マーヴィンの部屋』の公演を抱えていて、勿論スタッフワークでは若手を中心に後方支援するわけだが、演出は外部からの招聘となった。
 ちなみに区民Aの本番は2月初旬になる。

 さて。オシムジャパンの練習を思わせるスピーディーな稽古を初日から展開した千田さんだが、皆、よくついてきた。さすがオーディションを勝ち抜いた面々である。
“「こーしてください!」と最終的には言うかもしれませんが、皆さんからのアイディアをどんどんください。”と言うアプローチは、メンバーを大いに刺激したと思う。

 今年は男性6人、女性10人が選ばれたのだが、実は稽古終了後に、早くも仕事の都合で一人リタイヤが出た。それを見越して、スタッフ専任が3人入っていたので、そこから一名をキャストにコンバートして明日の稽古を迎えることになる。

 区民上演グループは確かに《アマチュアの無料公演》だが、一本の芝居を創り上げる!という点で、厳しさはプロのそれと変わらない。いや、本業を抱えて、週末中心の稽古という点でいえば、むしろ苛酷だ。
 しかも今年度に限っていえば、約30回という非常に少ない稽古回数しか与えられていないのだ。
 これまででいえば1ヶ月近くはワークショップで各自の持っているモノを見出して、並行して彼ら彼女らに合うレパを探して・・・という流れだった。が、今年は4回のワークショップのあと、10月28日にはキャスティング発表の予定である!

 とりあえず今日はここいらで。
 今から明日、市川で行う『朗読劇/月光の夏』の最後の稽古に合流です。
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それが私の生きる道(後編)

2006年10月13日 | 身辺雑記
 昨日の続きです。
                   
  「直進→東京、右折→西生田」と書かれた道路標示をみて、
   都道府県と町というカテゴリーの違いが嫌だし、
   まるでそっちに行ったら、
   金輪際「東京」に行けないみたいじゃないか!

という、滅茶苦茶強引な書き出しで始まった話の後編。
(まあ、このまとめ自体がゴウイン過ぎるので詳しくは
 昨日のブログを読んでいただければ幸いです)

      *     *     *

 東演自体、劇団員は色んなルートで入団してきます。
 今年のメジャーの斉藤隆の活躍を例に挙げるまでもなく、世界のトップで闘うまでの道筋も今や本当に多岐に渡っている・・・。
 大学全入時代が迫る“少子化”の日本では、地元の小学校に地元の中学校の校長先生が「是非我が校へ!」と宣伝に来るのだ、とも聞く・・・。
 僕が、道路標示ひとつでキーキー言わずとも、確実に「道」は多様化しているのだろう。
 義務教育からプロスポーツ、そして地味な演劇までそーだから、要はこの世の中全般がそうなってるはずだ!!!

 たまさか、同業者が相次いで劇団を去ると聞き、少々ナーバスになっただけ、と、一夜明けて今は落ち着いてそう思う。

      *     *     *
 
 昨日、東演では次回公演『マーヴィンの部屋』のキャストオーディションが行われた。役者が必ず通らなければならない、さらには年中通らなければならない難所の一つだ。
 また、ここでダメだから二度と這い上がれない場所ではなく、直進も右折も、最終的にはその轍が「自分の歩いた正規のルート」になり、余り触れたくない話題だが、運や縁を含めた「才」に恵まれず劇団を、或いは演劇界から逸れたとしても、これだって、その人の「正規のルート」にかわりはない。
 
 え? 何かカッコイイこと言ってるようですが、芝居こそが道なき道であり「逸れる」ことが、いわば真っ当な道に戻ることですヨ。
 と、そんな声が聞こえなくもないのだが、仮に、舗装道路を外れて荒れ野を今進んでいるとして、これがまさに「私の生きる道」ってことです。ハイ。

      *     *     *
 
 気合を入れまくって制作した『大地のカケラ』を終え、ちょいと心が空虚な上に、妻がNY公演に行って留守なので、一人ぽつねんと部屋でコンビニおでんなんか突っつきつつ、阿呆なことばかり考えている。。。

 
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それが私の生きる道(前編)

2006年10月12日 | 身辺雑記
 妻がNYに公演に行って留守なので久しぶりに実家に帰った。と行っても小田急で多摩川を越えて幾つかめの駅、近いのだが…。
 で、今朝、劇団に向かって世田谷通りを線路伝いに歩いていたら「直進は東京/右折して踏切を渡る方は西生田」と、道路に大書されていた。なるほど間違いではない。
 いやむしろ、直進車両はあくまで東京のどこか(あるいは手前の川崎のどこであろうと方向は東京方面)を目指して走っているからくくりが大きく、わざわざ細い道路に入る者だけに、川崎の特に「西生田エリア」ですよ!という、親切な表示なのである。

 が、A型のせいか、はたまた僕個人の性根が悪いせいか、どーもこーゆー表記が嫌いです。
 「北海道、岩手、宮城、宇都宮、埼玉」…なんで都道府県のくくりに都市が混じるのダ、みたいな。
 それと、まるで右折したら、金輪際「東京」には行けないみたいな…。

      *      *      *

 ディープインパクトの引退は衝撃を持って迎えられたが、松坂大リーグへ!は、まあここ数年の流れもあって、平然と受け止められている。
 今や大リーグもセリエAも、日本人が進出するのは大したことじゃなくなった。いや活躍してナンボだ。

      *      *      *

 先日終演した『大地のカケラ』で初舞台を踏んだ二人、姶良と笹村。入団年は1年違いだが、その歩みは大きく異なる。
 前者は社会人を経験し、いくつかの養成所も経て東演に辿り着いた。後者は演劇科のある高校から演劇科のある短大へ進み、即東演。
 もともと社会人に門戸を開いた夜間の教室で高い実績を誇った東演は、今尚、養成所(一昨年からは工房)は夜のコースを続けている。そのせいか、社会人からのいわゆる「遠回り組」が活躍している!

 かくいう僕も、30才まで小劇場でフラフラして(これは勿論謙遜で、THEATRE-THEATERといクレジットで既に敏腕の片鱗をみせていました…笑)いたところを、名門(?)東演にヘッドハンティングされたわけですが・・・。

      *      *      *

 いよいよ始まる「下北沢演劇祭」、お芝居への関わりが劇団以上に多岐に渡るわけですが、それぞれに何らかの道筋があって、個人的には大いに興味を抱く点だ。
 ワークショップを経て、具体的に芝居のウエイトが大きくなれば、それぞれの演技の成長に一気に目は向くのだが・・・。

      *      *      *

 思いつくまま、話が飛んでいますね。
 ここ数日、制作者の仲間が劇団を去るというハガキと電話が相次いで届いて、そこにドラフトだの戦力外通告だの、この時期のニュースがないまぜになり、そこで今朝の道路標記を見て、頭の中がグズグズになって、こんなまとまりのない文を生んだのだ。

 長くなったので(後編)に続く。 
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大地のカケラの名残のイクツカ

2006年10月11日 | 東演
『大地のカケラ』の名残りは、僅かに談話室に飾られた花だけとなった。
いただいた花の、まだ元気な百合を花瓶に移して置いてある…。

          *         *

 で。10/8付弊ブログの、ちょいとした種明かしをば。
『大地のカケラ』のクライマックス。樹齢170年の大ヒノキが音を立てて倒れるのだが、それは元用務員・津田沼が、注連縄で隠しながら何日もかけて斧を打ち込んだ結果だ。
 
 劇中前半、最近の噂話として「夜中に木を切る音がするんだって」という台詞や時折「カ-ン」というSEも入る。
 つまり10/8の、ローカル線の踏切の音の例えは、この「音」と連動させた。

 また「東演が、いよいよ五〇周年を前に、これまでの伝統を活かしながらも、新たな演劇世界へも積極的にチャレンジする!・・・そんな舞台に、なった・・・かな???」

は最後の「かな」がミソ。

 大ヒノキやタイムカプセル同様、劇中の重要なアイテム=R.P.G。
 テレビゲームやコンピュータゲームのR.P.Gが有名だが、本編ではテーブルトークのR.P.Gが劇中冒頭と後半に登場する。

 藤倉香代と施設職員・三和典子の間で展開されるそれの答えは、「ここにいたのかよ~」と「ここにいたの?香代」の混同から生じる驚きなのだが、これに対して、三和は「だったら、香奈ちゃんでもいいんじゃない」と反駁する。
「何してるのかな?」と「何してるの、加奈?」・・・。

 さらにこれを受けて、ラストシーンでは大地の祖母・志津恵が「そこが香奈ちゃんのイイトコでしょ」と、香代の名前を間違えたりもする。

 そんなこんなを「シグナル」と題したわけだが、作品の中にも「シグナル」という単語は出てくる。
 記憶障害を患っている小谷友美の記憶を呼び起こすシーンで、それ以上は危険という信号(シグナル)は「いや、やめて、触らないで…お母さん」
 これは単純に、彼女と母との関係というわけでない。が、説明するには相当の長さを要するので割愛します。

          *         *

 鮮やかに大きな花をつける百合のような派手さはないけれど、密かに咲く秋の野の花のように、心に染みる作品として評価いただけたと、観劇後の直接の言葉やアンケートから手前味噌ですが感じています。

 こんな素敵な作品には、早々出会えないとは思いつつ、さらなる高みを目指して、精進いたします
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下校します。

2006年10月10日 | 東演
 『大地のカケラ』。打ち上げは大いに盛り上がって、今日は後かたづけ。
 屋上には洗濯された衣裳がはためき、セットと小道具の一部は大月倉庫へ…。
 いつもながら芝居の痕跡がまったくなくなる、この感じは、達成感とともに寂寥感が胸をつきます。

 3階稽古場には入れ替わりに『臨時病室』の小道具が用意された。
 そう、東演は休む間もなく、10/27-29のプレビュー公演の準備に入る。昨年好評いただいた中国を代表する劇作家・沈虹光さんの作品が蘇る!

 その前に、15日には市川で『朗読劇/月光の夏』の公演がある。

 10月15日(日) 14:00開演
      市川市市民会館
      料金1500円(全席自由)
      出演/小高三良、能登剛、山田珠真子、古田美奈子
      ピアノ/江口文絵
      主催/いちかわグリーンネット
      後援/市川市、市川市教育委員会
      ※2006年度市川市1%支援事業の一環です。

 つまり、明日から2作品の稽古が並行して行われる。

 稽古といえば「下北沢演劇祭/世田谷区民上演グループA」が土曜からスタートする。今年のAグループは男性6名、女性10名(キャスト・スタッフ含む)。リピータがなんと12名もいる・・・。

 てなわけで、慌ただしさがすぐ後ろに迫っているのだが、今日はのんびりな気分でもある。

 ランドセルしょっての帰り道、野に咲く草花をものさしでペシペシ叩いたり、ブロック塀に昇って手をピンと開いて歩いたりするような・・・。

 『大地のカケラ』の舞台となった烏山高校(今はコミュニティーセンターになっている)から、ゆっくりと下校しよう。稽古初日、いや、この企画を立ち上げた2年前からの日々を噛み締めながら……。そうして今日までを振り返って、クルリと身を翻せば、倒れたはずの樹齢170年の大ヒノキが、凛と立っていることだろう。

          
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カーテンコール~大地の千秋楽

2006年10月09日 | 東演
 無事、公演が終わりました。
              
 『大地のカケラ』全10ステージ。
 千秋楽は、三度目の満員御礼での終幕となりました。

 本日のブログのタイトルにしたカーテンコール・・・
 『大地のカケラ』は振り落とし(舞台奥の大黒幕がドンと落ちる)で、オオヒノキが浮かび上がる!というとても美しいラストシーンが用意されていた。

 そのため、役者は挨拶のあと、元美術室の入口及び備品室のドアから消えるのですが、その後、下手の楽屋へ続く階段で、再度観客に姿をさらすという、粋なエンディングだったのだ。

 さあ! 終演早々、観劇出来なかった皆様に芝居の断片を公開すれば…
 
 舞台上手手前には、タヌキのような置物……「アクアビシオン」という、変化を司る宮殿の門番が立っていた。
 登場人物の一人、芸創研のメンバーで、今は東京に暮らす友美が高校時代に創った作品だ。

 さらに奮発して、観た方にもトリビアな話を添えれば・・・
 三和「これは、タヌキ?」
 香代「どうでしょうねぇ。まあ、アートだから」
 三和「このへんが尖ってなけりゃタヌキだけどね」
 千恵子「それはあれだよ、三和さん。
     ムーミンが河馬でないのと同じだよ」
 三和「え、ムーミンって河馬じゃないの?」
 千恵子「ムーミンは、ムーミン以外の何者でもないんだって。
     北欧の原作者によると」
 三和「ふーん、なるほどね」

 後半は泣く泣くカットしたので、ムーミンのくだりは、このブログのみのお宝情報だが、初見で我々は、どこぞの国の神話なり、知る人ぞ知るSF小説に出てくる「門番」だろうと、演出はじめ舞台監督、美術家らスタッフ&役者達も調べたが見つからなかった。それもそのはず、本作の「アクアビシオン」は、作者はせひろいち氏の創造物であった。 

 芸創研のまた別のメンバー、吉永大地の描いた「だまし絵」も、門番の隣、イーゼルに飾られているが・・・「だまし絵」同様、様々な謎がキラ星のごとく登場するのが『大地のカケラ』であったのだ!

 そして、大きな謎から小さな疑問までが、次々に明らかにされていく。
 あるものは、推理作家である佐倉井皆人(彼も芸総研のメンバー)によって、あるものは彼の編集担当・秋山素子によって……その他、多くの人が謎を解いていく・・・。

 間もなくバラシが終わり、打ち上げです。
 初舞台の役者もいて、さぞや盛り上がることだろう・・・。
 なので、慌ただしいけれど、今日はこのへんで。
 その他、まだまだあった本編の謎にこぼれ話、昨日の「ブログの謎解き」も含めて、続きは明日以降に・・・。

 最後に、本当にご来場いただいた皆様
 ありがとうございました。
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シグナル~大地の楽日前日

2006年10月08日 | 東演
 さきほど『大地のカケラ』9ステージ目が終わりました。
 明日は千秋楽。そのあとには打ち上げがあって…
       今、買い出し組が三軒茶屋あたりを
       駆けずり回っているので、
       事務所で待ちながらキーを叩いています。

念願だった「はせひろいち」作品。
小劇場テイストながら新劇の客層にも耐えうる作品を!
と、演出は昴の新鋭「河田園子」さんにお願いしました。

《既に現代演劇のジャンルはない》と言われて久しく、
いわゆる「小劇場系」の作家が老舗の劇団に書き下ろしたり、
いわゆる「新劇団」の役者が、若いカンパニーに出演するのが
日常茶飯事な今日この頃・・・。

それでも、守備重視の4-4-2のチームのサイドバックが
攻撃重視の3-5-1-1に行けば、
当然サッカーのスタイルが変わるように、
確かに同じ芝居でも「言語」は異なることは否めない。
言うまでもなく、ここで言う「言語」は単なる言葉でなく、
あらゆるスタイルを指します。。。
で。
    今日のブログのタイトル「シグナル」ですが、
    辞書によれば・・・signal/名詞
    ①印、合図  ②信号(機)

つまり冒頭で書いたような「新たな試み」が、
この公演の意図(シグナル)するもので、
勿論、大きな演劇界の中で言えば、
小都市のローカル線の踏切で鳴る踏切のシグナルほどの
「カン、カン、カン、カン」かも知れないのだけれど・・・
それでも、そこを渡る人々には必要なように、
東演が、いよいよ五〇周年を前に、
これまでの伝統を活かしながらも、
新たな演劇世界へも積極的にチャレンジする!
・・・そんな舞台に、なった・・・かな???

   恐らく『大地のカケラ』をご覧になった方には
   この拙文の中に込められた兆候(シグナル)が
   お解りのことと思います。

でもあと1ステージあるので、
謎解きは、すべて終わったあとで・・・

おっと。みんな帰ってきたよ

   すっかり秋めいて、まだ六時前なのに、真っ暗
   きっと明日もいい天気?
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カレンダー~大地の八日目

2006年10月07日 | 東演
台風一過を思わせる真っ青な空の下
『大地のカケラ』は八日目を迎えました。
       昨夜はあのような天候にも関わらず
         客席は寂しくなく、この場を借りて
         改めてお客様には感謝申し上げます。

 さて。
 ワイドショーでは来年のカレンダーの話題が。
 電車中吊りでは伊東屋の手帖の広告が…。
ええ、もう猪年の話?

 『大地のカケラ』が15年前の話に引っ掛かる若者
 (30代前半でもそう呼ぶなら)を描いているせいか、
 おいおい時計の針をズンズン進めないでよ!
 と思ってしまう。

     と言いつつ、劇団はこの公演と並行して
     来年、再来年の準備にはいっているし、
     オシムジャパンは四年後を睨んで
     新しい戦力を試している…。
     プロ野球では高校ドラフトが終わったばかり。
     田中は楽天、堂上は中日、大嶺はロッテ…。

どこでもOKと言い放った男は、
これからきっと強くなるだろうチームに。
あるいは希望が叶った者、叶わなかった者…。

時間の針は刻一刻、未来に向かって、
否、未来に向かってのみ動いている。
                     
   確かに『大地』に登場する、
   若者に限らない全ての登場人物が、
   それぞれの“荷物”を抱えながらも、前進していく。

“上品な謎物語”はまた、
“希望に満ちたサスペンスファンタジー”でもあります。

さらに言えば、劇団の未来を担う俳優達が、
    大きな配役に、悩みながらも明確な課題と自信を掴む
    成長譚だ!

『大地のカケラ』は、そんなお芝居です。




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