クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

新車のはてな?

2013-04-28 21:17:13 | 試乗レポート
先おととい、新型車2台を試乗した。
30分を2回。
1時間ほどの間を置いてのその2台は同じ車種、同じグレード、タイヤも同じ。
広報車は1グレードしか用意されていないので、要はボデーカラー違いということだ。
ナゼ2台乗ったかはさておいて・・・。
同じ車に乗ったのなら同じ評価になる、と私自身も思い込んで乗り込んだ。
しかしなぜかこの日の2台は明らかに印象の違いがあった。
それも重箱の隅をつつくようなカンタンには見つけられないかもしれないけど
俺はここに気が付いたぜ!といった話でもない。
アクセルフィール、ステアーフィール、シフトフィール、乗り心地、といった
走りの印象の柱となるところだ。
新車の試乗会に出かけていって、ズラリと並べられている新車の列の
“グレード違い”を乗り比べれば、個々に違うのは当たり前のことだが
この日のそれは同じ車両だけに気になった。
理由として考えられるのは、フロントアライメントの違い。
一方の車両はステアリングを少しだけ動かした時に、車両の反応が大げさに出る。
そのことに連動して、EPSのアシストの介入が不安定で気になった。
ロールのスピードも速い。
ツインクラッチのATだから発進の仕方に差は無いハズが、発進のシャクリが出たり
変速ショック(実際にはクラッチのつながり)がハッキリとしていたりと、
個体差で片付けるには無理な範囲の違いがあった。
例えば前者は長い船旅(輸送)で船底にガッチリと縛り付けられていたせいで
新品のブッシュが変形したまま、あるいはアライメントがどうにかなったか。
後者は広報車を走らせる人たちによって乱暴な扱いを受けたかな、といったことが考えられる。
が、確かめた訳ではないので憶測の域を出ない。
もちろん、感じのよい車の方を、その車の評価とした。

NB6C ロードスター用スポーツアクセルワイヤー

2013-04-22 21:59:06 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
女性の客観的コメント

朝方、電話を取ると
「ロードスター用のスポーツアクセルワイヤーの交換をやって欲しいのですが」と、
作業の依頼があった。
電話の声は男性、ほどなくして彼女と共に来社。
スポーツアクセルワイヤーは、赤と黄色の2色を用意しているので
どちらにしますか?と見せると
「私、赤がいい」と、彼女が即答。
ロードスターを運転するのは彼女なので・・・。
ということはアクセルワイヤーに不満を持ったのは彼女?
そこを聞いてみた。すると・・・
「スタートの時にアクセルに触ると、回転が思った以上にハネ上がって、
 少し戻すと今度はストールしそうになる、回転キープがむつかしく
 スムースな発進がやりづらい・・・。」と、彼女。
そこでインターネットを調べていったら、スポーツアクセルワイヤーに行き着いた、
ということらしい。
以前にも同じ意見を女性から聞いたことがある。
この方の車には、すでにスポーツアクセルワイヤーを装着してもらっている。
どんなウンチクを言われようがダメなものはダメ。
操作の仕方が良いとか悪いとか関係なし。
ズバリ、客観的判断そのものだ。
自動車の個々の特徴をとらえた女性の一言を、これまで何度も耳にしている。
無論、評価用語で語られることはないにしても、特徴のド真ん中を気持ちイイくらいに突く。
そう言えば、彼女(奥さん)の一言にドキッとさせられた事、あるんじゃないですか?
ちゃんと耳を傾けましょう。
客観視がヤロウよりも冷静にできる人が多いかも。

追突事故

2013-04-20 13:55:11 | なんでもレポート
                  

この冬に雪道での連鎖した追突事故の話を書いたばかりだが、ここのところTVのニュースで
高速道路で何台かがからむ事故の様子が流れた、しかもタテ続けに・・・。
森ケイタ氏のメルマガに“エアバッグ”の話を書いてもらったところなので、
余計に気になるニュースだ。

最近の乗用車は衝突安全を謳っている。
これはある速度域(一般道のスピードレベル)での、正面からのゴツンに対して
生存空間が残るかも、という最低限の強さを満たしているに過ぎない。
これは考えようだが、ケガの程度が少しだけ軽症の方向になるだけのことで、
安全を勘違いしてはいけない。
ましてや高速道路上のスピードでは、どうぶつかっても危ない(命の保障などまるでない)事に
変わりはない。
薄い剛板を膨らませて、人が乗り込めるだけの空間を持つ乗用車のカタチは、トラックとトラックの間に
挟まれた追突事故などでは一瞬にして紙クズのようにクシャクシャになる。
乗用車に乗っていて、事故にあっても安全などとは夢々考えないことだ。

トラックにハジキ飛ばされて助手席の人がガードレールを越えて彼方まで行ってしまった話しとか
“部品集め”をする事故処理後の人の話を聞くと、速度というそのエネルギーの大きさを
否応なく考えさせられます。

“エアバッグ”の話とはハンドル中央に付いている、ドカン・パッのエアバッグと同じ目的、意味です。
“ハンドルのエアバッグはドライバーの為”。
“車間距離(車間時間)をキチンと取りましょうと言うのは自動車(自車)の為”。
だから、前走車と自車との空間に、見えないけれどエアバッグがあるとイメージする。
大きければ、ゆとりがあって、もしブツかってもケガは浅いだろうと考えることができます。
小さなエアバッグ(空間)では余裕もなく、事故の確率はグンと高くなって、ケガも大きいことは
容易にわかります。
そしてそのエアバッグの大きさは“自分で意図もカンタンに変えられる”(安全運転のキモのところです)。

前方のエアバッグがもっとも重要だが、側方にも後方にもエアバッグが欲しい、しかも安全なサイズの・・。
これを確保するのがドライバーの役目。
安全なエアバッグのサイズを自分で選びなさい、と言われて、どうしようもない程小さなモノを
手にする人はいない・・・ハズなんだけどね~。

車間時間=エアバッグの大きさ。
イメージできるでしょうか?

映画のスタントマンがビルから飛び降りるシーンで、下に置かれているエアーマットも似たようなもの。
あれが煎餅布団だったら・・・。
今日から自動車のエアバッグ、少しふくらませましょう!

工作の時間 7 Z33用コレクタータンク

2013-04-16 12:51:37 | なんでもレポート
サーキット走行時に起きやすい燃料の片寄りによる息つき防止の為の
コレクタータンク Z33用を現在開発中。
今日、その試作品が出来上がってきた。
左側が形状サンプル、右側が商品試作。
すでにZ34用は商品化していて、その効果は確認済み。
Z33も同じように行ってくれるといいが・・・。
商品が出来上がってきたら次の段階は装着テスト。
それが出来たら実車走行テスト・・・と続く。
と思っていたら、Z33用のコレクタータンクありませんか?とメールの問合せが・・・。
不思議なタイミングだ。
出来上がりはオリジナルボックスHPで。

気になる物

2013-04-14 13:09:48 | なんでもレポート
見た通り栓抜き。
どこかの温泉旅館に泊まった時、夕食の席でビンジュースだったか
ウーロン茶を頼んだら、一緒にこの栓抜きがついてきた。
使ってみたら、何だか使い勝手が良い。

宿の人に、
私「この栓抜きどこで手に入りますか?」
宿「お向かいの酒屋さんに・・・。」

次の日の朝、その酒屋さんに。
私「えーと、栓抜きは?」とお店の中をキョロキョロ。
隅っこのほうにありました。
でも値札が付いていない。
売り物じゃない?

どうやらビール1ケースに1ヶ付いてくるそれらしい。
でもビールは飲まないし・・・。
どうしようかと思っていたら、“あげますよ”。いい人だ(いやお店が)。
タダでは悪いので別なお土産を買って、これはもらってきた。

ベタなデザインかもしれないし、作るのもカンタンそうだが機能はピカ一。
王冠のカシメがジワッと広がり始めるところの手応えを感じ、
引っ掛かりの凸を通過するあたりの力加減ができるのがうれしい。

サスペンションの話

2013-04-13 13:17:36 | なんでもレポート
オートスポーツ4/26号に「オトナのためのメカニズムの基礎知識」
手前ミソな紹介ですが、P30・・・「サスペンションって何だ」
あい変らずサスペンションの話ですが、お手伝いしています。

                   

今回は、もしも自動車にサスペンションが無くてボデーとタイヤだけだったらどうなるか、
といったところから話が始まっています。
こういった紹介のむつかしい所は、なるべくわかり易くと、極力かみ砕いて話を進めようとすると
“そんなことわかってるよっ”それよりも“どうすれば速くなるかを知りたい”と、
斜め読みされてしまうこと。
これまでもサスペンションの解説は、たくさん目にしてきたし、自分もそうだったりするのだが
そうは言っても、外せないところは外せない。
ていねいに解説すべきだろう。
どこかの行がセッティングの役に立つかもしれないし、読み物として頭の中で
車を走らせて見るのも面白いと思う。

しかし自動車のサスペンションは何も変わっていません。
変わったように見えるのは
工作技術が良くなった。
精度が上がった。
耐久性が向上した。
セッティングが細かくなされている。
タイヤの進化(動力性能も)と共にサスペンションの信頼性、強度が上がった。

一見大きく進化したように見えるが、実のところタイヤの動きを上下にのみ許容し
バネとダンパーを用いて乗り心地と走行安定性を得る・・・は、
昔も今も同じ・・・です。


工作の時間 6

2013-04-11 16:09:05 | なんでもレポート
久々に工作の時間。

少し前(もうだいぶん前か?)に手に入れたVIVIOの改造計画が、ゆっくりだが進んでいる。
オイル漏れのひどかったエンジンはO/Hしてきれいになった。
室内も余計なものを外して、アンダーコート剥がしも終わっている。
次の作業がロールケージの製作。
                 
競技に参加するにはロールケージが要る。
レギュレーションからパイプ径、肉厚の寸法を確かめて鉄パイプを準備し
いよいよロールケージ作り!
既製品のロールケージの取り付けだけなら、床に穴を開けてツケポンで終わるが
今回は“曲げ”から始める。いわゆるワンオフモノだ。
手間はかかる(型取りから始めて寸法合わせなど)けど、例えば運転席からの視界の確保は
フロントロールケージをAピラーと重ね合わせて取付ける、など細かな工夫ができる。
             
これでジャングルジムの中にいるような狭さを感じることもなく、前方視界もスッキリ。
ヘルメットとの距離が近かったりするのも気になるから、天井回りのパイピングにも注意を払う。
市販品との違いはこの辺りだろう。

ロールケージの製作が終われば、次はサスペンションのチューニングに取り掛かる予定だが
チューニングパーツが無いので苦労しそうだ。
まだまだ終わらないVIVIOの改造計画。

検証 バランススロットル 77

2013-04-09 16:39:16 | バランススロットル
広場を専有して行う運転練習は、自車のコントロールを覚えることです。
多少ライン取りにズレが生じても、ガードレールも側溝も無いので
即ダメージの心配はない(コースを仕切っているパイロンは倒すかも知れません)。

だから気を許して良い訳ではありませんが、一番の目的はよりよい運転技術の取得。
一般道ではなかなか試せないトレーニングです。

広場では“回りに動くもの”は無いので、自車の操縦に集中できるのですが
これがひとたび一般道に出ると、前後に車がいる、人もいる、障害物もある中で
信号停止あり、道も広くなったり狭くなったり、進路変更もあったりと
自車の走りを基本とするものの、周りの状況に瞬時に適応していく必要があります。

これも運転の内、操縦技術の内ではあるのですが、“回りを読む力”が問われます。
自車だけを走らせる時に比べ、この回りを読む力、判断力は数倍の神経を使う。
体で覚えたこととか、あるいは経験値も必要。
“尺を読む”“予知能力”といったものが、この時の判断力の元となることは言うまでもありません。

一般道、高速道路など走行時の安全を、より確かにする為のコツ、勘どころの話を
一昨日、森ケイタ氏と打ち合わせた。
メルマガ読者の皆さんには、あまり面白くない話になるかもしれませんが
そうはいっても、言われてみれば心当たりが・・・ないしは、そうかそう割り切れば良いのかなど、
安全走行のヒントになるハズです・・・お楽しみに。

検証 バランススロットル 76

2013-04-07 13:02:42 | バランススロットル
練習メニューをいくつか紹介してきましたが、文章だけの説明は
「運転練習ってなんだかめんどうだな~」とか
「あまり楽しくないのでは・・・」とかなりがちです。

運転操作を文字で表現するのはむつかしいし、その逆も然り(わかってますって)。
運転練習は走ってナンボ、グチャグチャ理屈を並べても走らなければうまくならない、と
言い放つ人もいます(結構多くの人が思っているかも)。
確かに運転には慣れの部分もあるので、走りこみも必要です。
タダヤミクモはね~、感心しません。

色々と紹介したメニューも、実は皆さんが既に、ほとんどが体験済みのもの、
未体験の部分はほんの一部。
大半はちょっとした“手足の配分”“タイミング”といったものを
知識も含めて勉強していきましょう、というものです。
だからジミといえばジミ。

検証バランススロットルの練習会を始めたばかりの頃、参加してこられた方が
ありがたいドライビングテクニックを期待して来られたのか、基本練習にあきたのか
次の会から参加されていない。

多くの皆さんが夢に描くドライビングテクニック!を学ぶような会で無いことは確かです。
しかしなぜか練習会が始まると、皆無口になり、アッという間に一日が終わる・・・。
秋の日でもないのに。

検証 バランススロットル 75 ニュートンブレーキをものにする

2013-04-05 13:00:49 | バランススロットル
・ブレーキトレーニングをするとみえてくるもの、確かめられるもの。

練習メニューの紹介の最後は「ニュートンブレーキをトレーニングする」です。
今回はパラレルレーンで3ヶ所設定予定にしていて、コース外周に沿って周回するので
同時に6台が入れる。
3ヶ所をハシゴしたら、元のスタート場所に戻ることができ、
待機している車がいなければ即スタート。
何度でも続けてトライできるから、ブレーキの整備を!?

減速強さ(G)と、その時の速度感(スピード)、そして停止までの距離感(尺)の直感的な割り出し、
これが備わっているといいのですが、それには正しい訓練が必要です。
簡単に身に付けるには、日頃の運転で踏力一定ブレーキを繰り返すこと。

それが踏力を途中で変えて(減速Gが一定でない)テキトー(テキトーと呼ぶしかありません)に
車を止めるのを繰り返していれば、そのまま身についてしまうのは当り前で、
いつまでたっても距離感と速度と減速Gの三つが曖昧なまま。
これでは安全な車両距離(時間)の判断も速度の管理の緊張感も生まれません。

今回のトレーニングではニュートンブレーキングの
「踏力の立ち上げ方(マイナスGの立ち上げ方)」
「一定踏力の維持」
「減速Gのバリエーション」
「目標停止」
「その修正方法」
「尺の身につけ方」
「繰り返し精度の向上」
「加速減速の切替え」
などのメニューをやっていきます。

車を止める技術を知る・・・最も大きなテーマです。
朝から夕方までニュートンブレーキに挑戦もありですよ。
減速側のコントロールが身に付けば、4つのラインなんて朝飯前?
いや、おにぎり片手でもできるようになります。
なんたって、ニュートンブレーキ・・・そこから始まります、運転の話は。
 (といって紹介が最後でしたが。)