クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ヒストリックモンテ 5

2010-07-22 15:47:54 | イベントレポート
フロントストラットAssyと小加工を加えたリヤショック。
前後共に減衰力可変のちょっとぜいたくな競技向けのサスペンションができあがった。
これから梱包して出荷、8月にはテスト走行ができるハズだ。
テスト走行をしていない今から言えないが、車高出しが順調に行ってくれれば、モンテカルロラリーはもちろんのこと、超ハイスピードラリーで知られる、タルガタスマニアラリーも走れるサスペンションになるハズである。
実走行が楽しみだ。

G-BOWL 26

2010-07-21 14:18:44 | G-BOWL
G-BOWLを車に積んで走る事で、運転が見えてくる。
そしてもう一つ、車が見えてくる・・・というお話。
0.4Gを上限に設定しているG-BOWLなので、ピンポン球を落さないように、
つまり0.4Gを越さないようコントロールすれば、落さないで走れるようになる。
これが第一段階。

次は0.4G以下を守るだけではなく、自分で0.3Gを出してみようとか、0.4Gを出してみよう。
または、これくらいの強さは0.2Gいや、0.3Gと、Gを出した後G-BOWLでGの強さを確かめる。
ア~ッ、ボールが落ちそうとか、多分いま落ちたな・・・と、Gが読めるようになる。
第二段階。


そして難しいのが、Gを例えば0.4G上限として、減速から旋回、旋回から加速へと
“Gを連続させる”操作だ。
ブレーキ・ハンドル・アクセルを“タイミング良く”“適量”に使いこなす事で
Gをうまく連続させる事が出来る。・・・・・第三段階。

そして、自分の車だけでやっていると、なかなか見えてこないのだが、車を変えてトライしてみると
(車に対する慣れ、と言うのも影響があるが)Gコントロールがスムースに行なえる車と
なかなかやりづらい車があることに気が付く。

ハンドル操作1つを取っても、Gコントロールが繊細に出来る仕上げの車両もあれば、
ハンドルセンター付近に感度の高い動きが密集していて、やたら神経質な反応になるといった車両もある。
ブレーキ・アクセルも同じく、扱いやすく、その操作がわかり易いのか、と言った事の積み重ねで
Gの管理、或いはコントロールが可能になるのだ。

乗りやすく感じる車は、相応の仕上げが出来ていて、何だか乗りづらいと感じさせる車は、
いくら慣れてもうまくは走らせられない。
こういった事も、G-BOWLを床において走れば見えてくる。
・・・・・と言うのを知るにはやはり運転手のスキルアップが必要だ。

ボールが落ちて落ちて、どうもうまく運転できないと思っている人は、一度車を変えてみましょう。
車を変えても変えても落ちる様だったら、疑いようがありません。
問題なのは、運転です。ハイ・・・。

G-BOWL 25

2010-07-20 18:46:50 | G-BOWL
G-BOWLを販売し始めてもう少しで一年になる。
購入してもらったドライバーからは、様々なコメントが帰ってきている。
当たり前だけど、本人中心のコメントだ、誰しも自分自身のスキルアップを望んでいるからに他ならない。
じゃ本当のところどうなの?を知る方法の一つに助手席の人に聞いてみる、というのがある。
検証バランススロットルの参加者の一人の奥様に聞いた。
“彼の運転変わりましたか?”
“変わりました!”と質問の意味を即座に理解し、間髪いれずの返事だ。
“どんな風に変わりましたか?”
“やさしい運転になりました”
“それはいつ頃から?”
“G-BOWLが助手席に来てから”
あっそう・・それはよかったですねー!
“私、酔わなくなりました”
えっ
“自分で運転していても時々気持ち悪くなることがあったので、自分は車に弱いのかと?!”
と話がややこしいので彼女の話はこれくらいにして。
そのあと。
何がいけないのかが最近になって少しづつわかりかけてきたのが、うれしいんですよ、と今回の話の当人が話しに加わった。
G-BOWLの意味もわかるし、ボールを落としてはいけないのもわかる、けれども自分の運転の何がいけないのかはよくわからない。
といったことでけっこう長い間、もんもんとしていたのだ、G-BOWLを手に入れたからといって、運転が即うまくなる訳ではない。
まずは自分の運転を知る事からスタートし、一年近くたった今、何となくわかってきたという訳だ、まだ先は長い。
でもG-BOWLが来たその日から家族にもわかる程、運転が変化するのも面白い。
Gを目で見て確かめられる、というのが即効性を生むのだ。
子供が酔いやすい、家族が自分の運転を恐がる、これらの検証もG-BOWLを積めばたちどころに明らかになる。
自分のヘタサ加減に、G-BOWLに当たりたくなるかもしれないし、やっぱり彼女の前ではG-BOWLをグローブボックスの中にしまい込んでしまうのか、自分の運転ははたしてどうなのかを人知れず、知るよい方法はG-BOWLを手に入れる事・・・かも・・・。

ヒストリックモンテ 4

2010-07-17 13:35:30 | イベントレポート
探していたTE27用のリヤショックが、やっと入手できた。
それまでは社内で手配できる限り、あれやこれやと、取り付けられるものなら“ナンデモ”みたいな探し方をしてみたが、結局見つからなかった。
最後の手段で、長いおつきあいの某社に相談、担当の方の気の利いた手配で、うれしいニュースと一緒に品物も届いた。
TE27用そのものではなく、他車種のものを小加工で流用となったが、ひとまずこれでショックアブソーバーの前後が揃った。
ストラットケースも一度、サビと塗装を落として化粧直しをしようと、暑い最中にサンドブラストを掛けた。
色塗りと、ハブ廻りを組み付ければ作業は終わりだ、来週にはTE27の元に・・・。

EyeSight

2010-07-16 12:44:20 | 試乗レポート
“画像は世界一安全なボディーを持つレガシー”

スバルの安全と題された、試乗会に行ってきた。
テレビCMを見ていないので、実際に自分の目で見るまで、何が何やらの先入観ゼロで車に乗り込んだ。
助手席に説明員の方が乗り、操作方法を聞いて即スタート、教習所の1時限目ののりだ!!
ハンドルのスイッチだけでスタートするクルーズコントロールは、アクセルペダルも(触っても良いが)、ブレーキも触らない、まずは頭の切り替えがいる、前走車のいない広場ならいざ知らず、すぐ目の前にいる車の後を、足離し?で車を動かすのにはずい分と抵抗感がある。
安全とわかっていても、すぐに信用するわけにはいかないのだが、今回はとにかくお試しだ。
“自動停止”にブレーキを掛けっぱなしにしてくれるのはありがたい、スイッチONでスタートの時の加速も実におだやかだ、スムーズな発進の見本を見せてくれているようだ、渋滞の中では人がアクセルを操作するよりも、オートクルーズで走らせた方が燃費も良いとのこと。
プリクラッシュブレーキアシストの試乗も同時に試した。
これが多分、TVCMで流れているそれかな、車が判断してブレーキ操作を行い減速してくれる、というもの。
ぶつからないようにブレーキを掛けてくれる訳ではないから、誤解しないで欲しいのだが、これはノーブレーキでぶつかるよりも、少しでも減速すれば事故の大きさを軽減できるというアシスト装置だ。
これだと、通常(日常)運転では顔を出さない(介入しない)から、まったくじゃまにならない(常にSW ON)ブレーキの定番となったABSと同じような登場のしかただ。
どちらもこの装置が働いた時は心臓バクバクで済むか、ガシャンの音が聞こえるかのどちらかだ。
いずれも開発に10数年の年月を要したもので、よく考えられていて、その機能も確認できた。
懸念されるのは、機能を正しく理解する事、使いこなす事、が決して容易でないこと。
安心を自分の気のゆるみ、責任の低減に充当できる訳ではないという覚悟を持てるかである。

ホンダ S2000

2010-07-15 13:49:50 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ホンダ S2000が入庫している。
今頃S2000!?・・・で何?

今までにも何台かのS2000を見てきたが、今回はサーキットに持ち込み、走らせたいという
希望に対して“ゆっくり流れるリヤ”をテーマにチューニングを進める事になった。

まずは、足回りの採寸(データ採り)を行なった。
キャンバー変化、トレッド変化、バンプステアー、ショックレバー比、スタビ剛性、
車高にダンパーストローク、ストローク分配にバンプタッチストローク・・・・・
コーナーウエイト、バネ上重量・・・やるなら徹底的にだ。
丸裸にして見えてくる、又は走りがイメージできる部分がたくさんある。
知らなければ、ある意味やみくもチューニングになり兼ねない。
全ての車両を調査している訳ではないが、気になる車両はデータを残している。
無論、3日掛かりの費用をお客さんに請求できるわけではないが、良い足を今後作っていく上で
必要なデータ採りと割り切っている。
しかしS2000は、○○○○○○○だ。

本庄サーキットに持ち込んでサーキットでのテストも行なった。
動的ストロークの測定だ。
同時に、限界特性も確認し、途中雨で路面ウェットの折、私しかコース上にいないのを確かめて
思い切りスピンもさせてみた。
ゆっくり流れるリヤ(充分にコントロール出来るの意)のイメージ通り、何とかまとまった。
取材も同時に行なったので、サーキットの様子はREVSPEEDで。

チューニングパワーズ

2010-07-10 17:37:49 | イベントレポート
明日は、何年か続いているチューニングパワーズに出掛ける。
車が好きで、改造が好きで、エネルギーにあふれている人達の集まりだ。
誰でもいらっしゃい!!といった雰囲気ではないので、友達の誰にでも気楽に声を掛けられないが、中身はギュウギュウにつまった面白いイベントだと思う。
エンジン関連、車体関連が主でサスペンションについての出展が少ないのが残念だが、それはそれで仕方ないが、毎年違ったテーマで30分ほどの持ち時間の中で2~30人程を前にしてしゃべっている。
明日は、運転の話で“Gコントロールについて”がテーマだ。
皆が興味を持ってくれると良いのだが・・。
AM11:00~からしゃべります。

扱いにくいATとは

2010-07-09 13:09:27 | なんでもレポート
飛び出すATと書くと“元気が良い”ととられそうだが、コントロールした発進ができない、という意味だ。
そして一旦スピードを上げたあと、流れに乗って走らせた時のスピードコントロールも非常にやりづらいというのもある。
高速道路の流れの中にいても、速度が安定していて、良いペースを持続している車がめったにいない事も上げられる。
ノロノロと走っているから追い越して前に出ると。
今度はすごい勢いで追い抜いていく。
で、再度ペースが落ちて追い抜くハメに・・・・。
高速道路での速度の振れ巾は±20km/hといったところだろうか、おそらく本人の意志ではなく、ATが主原因であろう。
アクセル操作で思うように、加速も減速もできないATなら充分にありうる話だ。
一応全ての和物ATがダメな訳ではないので断って置きたいが、次の項目の一つでも混入していれば、扱いづらいATの仲間入りだ。
・ズルズルのトルクコンバーター
・低速トルクがスカスカのエンジン
・実用とは無縁のシフトプログラム
・アクセルフィールのなっていないエンジン制御
先日の取材でお会いした人も“ATが嫌いで”と言われていた、しかし年も取り、仕方なく昨年の暮れにインプレッサの“AT車を”購入、御年80才にして初のAT車だ。
嫌う理由は人それぞれかもしれないが、それにしても80才になるまで、嫌われてしまうATとは・・・・・正直な人だ!

取材

2010-07-08 13:48:44 | 試乗レポート
MFi誌の取材で出掛けた。
サスペンションウォッチングのページに、以前から取り上げたかった車の一台である、
スバルFF-1の取材だ。

40数年前の車のどこにそんな魅力が・・・?
それはフロントサスペンションの、特に注目すべきは、転舵軸の配置。
センターピボットと呼ばれる実装転舵軸を持ち、素直なハンドルの感触は、
これぞ正しい転舵軸!と、手応えで実感する事が出来る車なのだ。
一度味わってしまえば、他の多くのサスペンション形式のそれは、
何らかの大切なものが「引かれている」か、良くない動きを「足したもの」になっているのがわかる。
転舵軸設計の原器とも言えると思う。
世界に一台と言いたいところだが、FF-1の前にシトロエンDSがある。
が、スバルが40年以上も前にこれを作ったのだ。
現存する車は数少ないながらも、今回試乗が出来た。
直進性、操舵感、走らせている実感など、どれをとっても現代の車から失われてしまっているものを持ち、
“手が喜ぶ”ハンドルそのものである。

リフトアップして見たサスペンション回りの設計、パーツに無駄はなく、
軽量でいて必要な剛性の確保が一目でわかるなど、エンジニアの考えが伝わってくる力作である。
サスペンションを見る限り、“古さ”はみじんも無い。

くわしい内容は、次々号MFi誌で・・・。


ATはDレンジだけじゃない

2010-07-02 13:36:10 | なんでもレポート
Dレンジに“入れっぱなし”で走るドライバーが圧倒的に多いと思われているが、
いつでもどこでもDレンジと言うのは、運転管理者(運転手)として
いささかサボリ過ぎではないかと思う。
前後に車が走っていなくて、マイペース走行ができるシーンなら問題ないが、
車の流れの中に居て、車間の管理・速度の管理を行ないながら走らせている時は
状況に応じたギヤを選択すべきだ。
例えば高速道路上で渋滞の中にいて、加速減速を繰り返す時(これは街中走行にも言える)、
前走車の加減速のタイミングに極力合わせる走りをする必要がある。
テキパキ行動するには、一段ないしは二段低いギヤを選びたい。
Dのままだと待機しているギヤがハイギヤのことが多く、加速のスタートが遅れる。
次にスピードが出すぎてブレーキ、といったギクシャク運転になり易い。
この運転は追突の原因にもなるし、アコーディオン現象の元になるもので、
渋滞を招き、いつまでも渋滞が続く原因の一つだ。
更にDレンジに入れっぱなしのドライバーが多いせいで、速度の管理が甘くなり
高速道路の上り坂で渋滞が起きる。
“ドライバー渋滞”又は“AT渋滞”と言えよう。
もう一つ気になるのは時々見かける、信号停止でPに入れる人。
Pはエンジンを切って完全停止する時に入れるポジションで、運行時は入れない。
信号停止はDレンジのままフットブレーキをしっかりと踏んで止まれば良いし、
赤信号以上に長く停まるなら、Nにしてフットブレーキ又はサイドブレーキを
しっかり掛けて待つのが安全だ。
Dレンジのみで事足りるなら、他のレンジは要らない事になるが、DだけのATは無い。
必要だから他のレンジが設定されているのだし、使い方が判らなくてDレンジのまま
走っている人にならないようにして欲しいものだ。
おうちゃく者のAT走りはいただけない。
Dレンジ以外もうまく使う工夫を!