クルマのサスペンションと長いお付き合い

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減衰力調整式ダンパー あれこれ

2024-04-03 14:23:17 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
鈴鹿サーキットで2024のスーパーフォーミュラ公式テストが行われた日。
知人から電話。

内容は今年からスーパーフォーミュラに採用されるダンパーについて。

資料送るからさ。見といてよ⋯ということで内部構造をチェック。

減衰力の調整機構がダンパーの外部についていて、ピストン部をオイルが通過しないタイプ。

カチカチダイアルを回して減衰力を変えられる部分が、
単三電池半分ほどのカートリッジになっていて、
テーブルの上でダンパーを水平に寝かせて作業すれば、
オイルをこぼさずカートリッジに内蔵されたスプリングを入れ替えることができます。

組み立てる時は数滴オイルを足して、エアーを噛み込まないように
そっとカートリッジを組み込めばよく、現地作業ができるところが利点。

なんですが、このタイプそのものは以前からありました。

新しいところは低速域を強くしても、高速域の減衰が立ち上がり過ぎるのをコントロールできる様にしたこと。

昔、酒屋さんでは日本酒の量り売りをしていました。
一斗樽の下に刺さっている栓を慎重にひねって隙間を調整すると、トクトクお酒が流れ出てきます。
それをこぼさない様に漏斗で一升徳利に入れて持ち帰る⋯という話は置いといて。

先端に向かって細くなっているテーパー状の栓が、プランジャー(ポペットバルブ)の先端形状と考えて、
テーパー形状を変化させれば、ブローオフの量を変えられます。
構造は至ってシンプル。

*YouTube オーリンズTTR4ウエイダンパーの仕組み

先端形状の違うプランジャーが、何種類かラインナップされているようなのですが、
スーパーフォーミュラの規定ではチームは勝手に触っちゃいかん(ダンパーの分解不可)

ピットロードでは固そうに見えるのに、ストレートではビタッと路面に張り付いてヒョコつかない⋯
もしそうなっていれば、酒飲みが一斗樽の栓からヒントを得たそれが功を奏していることになります。

一昨年F1マシンが健康を損ねそうなほど跳ね回っていた対策の一環と考えればブローオフさせる意味もわかります。

そんなダンパーがスーパーフォーミュラに採用されたというお話し。

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