クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

これは困った

2024-04-23 13:04:22 | なんでもレポート
これまで運転練習で多くの人と接してきました。

上手い運転を伝えるのは簡単なことではない、というのは重々承知しているのですが、
一瞬にしてその考えをリセットせざるを得ないことが起きました。

近くの合流地点まで付き添いの人が運転してこられて
いよいよ当人が運転席へ、私が助手席に、付き添いの人は後席に。

さあ行きましょうか、と声をかけるも走り出さない⋯

まずエンジンがかかっているかどうかが分からない。
エンジンスタートの方法も分からない。

液晶のメーターパネルを見ても今がどんな状況か、
そのクルマのオーナーでないとにわかには読み解けません。

スターターボタンはこれです⋯と言いかけて、その前にフットブレーキを踏みましょう⋯

となるとフットブレーキとエンジンスタートのつながりも説明が要ります。

AT車はPかNでしかエンジンがかからないので、エンジン始動と同時に走り出す心配はありません。

なのにブレーキペダルに足を乗せないとダメなのは、エンジンをかけようとしている人が
運転席に座っていることを検知するため⋯?シフト操作解除の為?

さてエンジン始動の次はシフトレバーをDに入れるのですが、触ってもびくともしません。

どちらの方向に動かすのかまず絵を探すところから⋯

ここで安易にシフトロックボタンを押しながらと説明してしまうと、単純に操作手順として記憶してしまいます。

*ブログで説明しました。ミサイル発射の解除ボタンと同じ⋯

シフトロックボタンの意味と、ボタン操作なしで動かせることの説明が必要です。

次にシフトレバー操作をしてもレバーは元の位置に直立します。

正しくシフトされたかどうかはメーターパネルで必ず確認。

これもわかりずらいことこの上なく、シフト操作のたびに間違い探しゲームをやらされている気分になります。

次はパーキングブレーキ解除。

Pマークが描かれたメカスイッチを探して、赤ランプが付いているのを確認、
それを消せばいいのですが、押し込むのか持ち上げるのかがわかりません。

さらに操作しても、ランプが消えるまでの間合いにもどかしさがあります。

スイッチ操作を受け付けたら点滅、ウイッとモーターが動いてパーキングの解除できたら消灯に
してくれればいいのにと毎回思います。スターターボタンも同じです。

電気信号のやり取りなのにクルマが考え込む!黙り込む・・・

Pランプが付いていてもDレンジで発進してもいいです。自動解除が働きます⋯

Pスイッチでも解除できるがしなくてもいい⋯???

これはもう正しい説明の仕方がわかりません。

駐車の時はシフトレバーのPスイッチ一つでパーキングブレーキが自動的に掛かるクルマもあれば、
当たり前にスイッチ操作するクルマもあります。

ほぼ初めてこのクルマを発進させる人(もちろん免許証は持っています)を目の当たりにした時に、
現代のクルマ作りは安全便利とはかけ離れた、ミスリードの操作系で固められていることに
改めて気付かされます。

さらに操作系の手応え足応えも無いと言っていいほどTVゲームより。
故に間違えて操作しても気が付かなくて当然。

ブレーキペダルを踏んでいるのに加速するのはどうして?

民家を突き抜けて裏口に頭を出すまで頭の中でグルグル。


モーターファンイラストレーテッド

2023-12-12 13:35:20 | なんでもレポート
           * モーターファンイラストレーテッドNo206号より *
 

レーシングカーエンジニアの方が書かれているページがあります(連載中)
今回の話題はNo205号とNo206号に書かれている内容。

あくまでレーシングカーの限界走行時に起きていることです。

どのクルマであれアンダーステアーに仕上げるのがセオリー。

アンダーステアー、オーバーステアーの明確な線引きというのはないのですが、
安定姿勢を保てるのがアンダーステアー、何かのキッカケですぐに不安定姿勢になるのを
オーバーステアーとイメージしてもいいかもしれません。

定常的にリヤが流れっぱなしになるとか、ハンドルを切っても切っても曲がらないと言った
とんでもないセッティングではなく、前後バランスが常識範囲に収まっている中での話です。

エンジニアの方はアンダーステアー、つまり安定姿勢の時はリヤタイヤを使い切っていない可能性がある⋯

リヤタイヤに対してフロントタイヤが先にCFマックスになるので、
ドライバーはそれを感知して旋回速度と走行ラインをコントロールしている。

この瞬間に、リヤタイヤに余力が残っていることに着目して、フロントタイヤの容量を上げれば、
リヤタイヤを使い切ることができてタイムアップにつながる可能性があると、提案されています。

すでにギリギリのタイヤ選択がなされていれば効果が望めないのはもちろんですが、
今現在の自車のバランスを確かめる意味でも、考え方も含めてとても良いヒントかなと。

ここのところ仲間内で、このリヤタイヤを使い切る話でやりとりしています。

車両運動は物理現象なので、共通の理解が得られそうなんですが。

これに運転する"人"が加わって話が横展開⋯どう走らせているのかを紐解く必要があります。
サスペンションセッティングの話がまだ出ていないので、整理できるまでにはまだ時間がかかりそうです。


データシート その2

2023-11-22 10:12:10 | なんでもレポート
ホイールアライメントテスターで見れるのは。

・タイヤキャンバー角
・キャスター角
・スラスト角
・セットバック
・トータルトー

といった項目だったと思います。

必ず純正サスペンションであること。
そのクルマの基本情報がテスターにストックされていること。
タイヤホイールに損傷がないことなどが前提です。

ホイールアライメントテスターは最強、高精度のイメージがあるのですが
"ホイール"を測定しているので、車体の傾きとか車高の判定はできません。

なのでレーシングカーでは、フロアー下の高さ、車両姿勢、車高を整えるので、
ホイールアライメントテスターは使えません。

ではレーシングカーのアライメント調整はどうしているのかというと、
キャンバー角キャスター角は測定ポイントがあり、さらにはホイールハブに専用治具をセットして
"車体"を中心に車高が測定できるようになっているのです。

さて、ホイールアライメント調整と言えば、タイヤの整列のことなので理解しやすいのですが、
車高を測定、調整する意味は?

見た目が変わること以外、何かが変わることは分かるけど確かなことはわからない⋯

四輪のタイヤが地面に立っていて、サスペンションを介してボディーが地上高さを保ちます。

そのサスペンションはボディーの取り付けポイントを中心にして動くので、
この取り付けポイントの位置で車両姿勢が決まり、サスペンションの可動範囲が決まります。

そうなると個々のクルマごとに適値がありそうですが⋯

心配いりません。

飛行機の重心点と主翼の関係のように、
サスペンションの動的中心と車両運動はどのクルマも共通しています。(レーシングカーも)

アーチハイト、スタンディングハイト、ステップハイト、ホイールストローク⋯

レーシングカーでなくても、サスペンションが交換されていたり車高が違っていれば、
基本情報を採取するところから始めます。

それを記録するのがデーターシートです

データシート

2023-11-14 13:20:19 | なんでもレポート
サスペンションセッティング作業に欠かせない記録用紙(データシート)が
残り少なくなってきたので、何年ぶりかに作ります。

せっかくなので、直感的になんの数値を表しているのかが
わかるようにイラストを加えました。

これまで、遠くの方とやりとりする際、
メモ書きを渡してサスペンションの寸法を教えてもらうのですが、
新しい記録用紙なら説明が少なくて済みそうです。

うちに見えたお客様との会話も、たとえばこのダンパーキットのストロークバランス云々とか、
アンダーステアーを強く感じたらここの数値を何ミリ調整してください⋯
こういった説明もしやすくなります。

それと新たに追加した項目に「Standing Height」スタンディングハイトがあります。

ロワーアームの下反角(アンチロール角)のことで、スタンディングハイトは
1950年代のロールス・ロイス社の広報資料からの引用。

我が社のクルマはロワーアームが地面に対して水平より下がった(バンザイ)状態で出荷されることはありません。
とどの部分の寸法なのかイラスト入りで記されています。

この時代すでにロールス・ロイス社のエンジニアがロワーアームの角度に着目していたことが分かります。

でもそこには皆んなが知っているロールセンター理論が出てこないので、
おそらく口うるさい人たちはこれじゃあ根拠がわからないとか言って無視したのかもしれません。

その後にアーム角の話が出てこないことからも世間の理解を得られなかったんでしょうね。

もう70年以上前の話です。

この情報を見つけたのは森慶太氏。

ということで新作の記録紙の見本ができあがりました。


サスペンションセッティング

2023-11-01 15:39:32 | なんでもレポート
サスペンションセッティングの参考になる⋯はたまた迷わせるだけかもしれませんが、
サスペンションセッティング+タイヤの話をオートスポーツ誌に、
お茶飲み話的に載せていただきました。

必要なところを読み取っていただければと思います。

現在販売中の12月号。

ドライビング特集で読み応えがあります。

タイヤの話は横浜ゴムのスーパーフォミュラー用タイヤの元開発担当者。

空気圧とタイムの関係など興味深い話を教えていただきました。

サーキットアタックのタイムはタイヤ依存。
サスペンションの寄与度は?の話も出てきます。

サーキットに乗り込む時にはバネレートを高くする、減衰を高くする、
車高を下げられるだけ下げる。

これは四輪の自由度を拘束して車体と同化させる方向です。

サスペンションが動いてしまうとコントロール不能の状態に陥りやすいことが
わかっているからです。

この不安定な動きの元はといえば、
サスペンションストローク、減衰値、バネレートの固い柔らかいではなく"アーム角"です。

ロワーアームの角度のことで、地面との相対角のことです。

両サイドのタイヤを川の両岸に立てた柱とすると、
市販車をローダウンするとロワーアームはバンザイ(上反角)状態になり、
吊り橋の真ん中に車体を吊るしているのに似ています。

この状態で柱が内側に押されるとロープが緩んで車体がポチャっと川に落ちます。

これはタイヤに横力が入ると車体の上下動に影響を及ぼすということです。

次にアーム角が下反角状態の場合は突っ張り方向で支える"アーチ橋"と考えることができます。

横力を受けて柱が内側に押されると中央に置かれた車体は
川面から持ち上がる方向の力を受けて突っ張り合うことから
車体の沈み込みにくさ、傾きにくさが生じます。

つまりこの時のロワーアーム角をアンチロール角として考えるのはもちろん、
他にもいくつかの動きに影響をもたらすことから、
セッティングの最重要項目として扱います。

フォミュラカー、GTカーなどレーシングカーとして設計されているサスペンションは
例外なく下反角がついているかほぼ地面と並行に近いはずです。

格好が優先のローダウン車両は、強い上反角のせいで必ず"吊り橋川ポチャ仕様"になります。

それを知ってか知らずか水面に落ちないように必死で固めるんです。

市販車であっても、
ロワーアームに下反角のついたセッティングが走行安定性の元になることは、
世界中のクルマがそうなっていることからもうかがえます。

純粋なレーシングカーも市販車も、
安定性を得るためサスペンションセッティングの基本は同じということです。

最近のクルマで思うこと

2023-10-24 14:18:27 | なんでもレポート
エンジンの掛け方がわからない!

私だけかと思っていたら時々一緒に仕事をしているMFI誌の編集長もうんうん。

まずエンジンスタートボタンを指差ししながら探します。

すぐ見つかることもあれば、ハンドルの影に隠れて手が届きずらかったり。

でスターターボタンをポチッとやっても・・・音沙汰なしのクルマ、一呼吸おいてブルンのクルマ。

記号だらけのメーターパネルは間違い探し状態。

発進できる状態か否か・・・説明なしでは無理です。

続いてパーキングブレーキをリリースします⋯これもクルマごとに操作方法がまちまち。

シフトレバーのPポジションと連動しているクルマもあって、パーキングブレーキに関しては
ドライバーに操作を求めないクルマもあります。

だとしてもPランプがついたまま発進させる違和感は拭いきれません。

シフト操作をしてもレバーの位置からはどのギヤに入ったかの判断ができず、
メーターパネルで都度確認の必要があります。
前後にクルマを動かす度にです。

走り出すまでに全ての操作に煩わしさを感じます。

運転に自信のない人が「新しいクルマは安全だ」と思い込んで選んでしまうと⋯

毎日同じニュースを見ているかのような、お年寄りによるコンビニダイブに代表される事故で
MT車とかうんと古いクルマは見かけません。

お年寄り✖️新車比率が高いからというだけかもしれませんが、運転手にとって何が安全なのかの考え方が
あらぬところへきてしまっているのでは。

と、スタートボタンを探すたびに思います。

陶器市

2023-05-23 11:04:17 | なんでもレポート
近所で開かれている陶器市に出かけました。

緑の季節に開かれる・第22回藤野ぐるっと陶器市

展示会場が10ヶ所!

藤野のあちこちを巡りながら楽しめます。

篠原の里(小学校の跡地)。窯元。藤野芸術の家。日連神社の境内・・・

電車でこられる人向けには巡回バス、路線バス、タクシーがあります。

パンフレットには近くの協賛飲食店の紹介もあります。

一番遠い会場から回り始めて、お昼ご飯は自宅でとって午後に残りの会場へ。

途中、会場内のブランコで遊んでいる子供を見守る両親に見覚えがあると思ったらご近所家族。

あちこち見て回って、色で選んだ"青い"コーヒーカップと、花瓶、銘々皿それぞれ一点ずつ、
違う作家さんから手に入れました。

とことん遊ぶ

2022-12-25 11:21:46 | なんでもレポート
MFI誌サスペンションウオッチングの取材の折。

・・・そういえば少し前に四輪バギーの取材で試乗したところ、
オフロードでの乗り心地がびっくりするほど良かった、
とライターの方が雑談混じりに話してくれました。

そしてその日の夜に、バギー車に使われているダンパーの紹介サイトが届きました。

日本ブランドで北米で売られている四輪バギー、ダンパーも向こう製。

四輪バギーと聞いても身近なものではないのでフーンとしか返事ができなかったのですが、
乗り心地のいいサスペンションと聞くと仕事柄気になります。

その動画では、大きなギャップの連続するラフロードを、ほとんど空中を飛んでいて、
時々着地に見えるほどジャンプを繰り返しながらぶっ飛んでいるシーンが出てきます。

それでもマシンは常に水平飛行!

乗員も車体と一緒にゆったり揺れているのが動画でわかります。

一体どうすればこんな走りができるようになるんだろう。

そして装着されているダンパーの構造と作動状況をアニメーションで見ることができます。

これで構造と作動原理まではなんとなく理解できるものの、マシンと減衰値の組み合わせ方が見えません。

水平飛行とはバウンス挙動のことで、不連続なギャップでもピッチング挙動にならず
安定した姿勢を保ち続けられるのが不思議です。

しかし考えてみれば、砂漠の中の荒地をわざわざぶっ飛ばすだけの競技で、
どこまで進化しようが"遊び"に過ぎません。

そんな中にあって「必要から」優れた発想のダンパーが生まれてくる。

とことん遊ばないと"行きつけない"ところがあるってことです。

うらやましい!

サツマイモの便り

2021-11-20 12:43:00 | なんでもレポート
4種類のサツマイモが届きました。

収穫が遅くなったので早めに食べるようにとメモ書きがありました。

ちょうど薪ストーブの時期、焼き芋のシーズンでもあります。

早速いただきました。

4種類それぞれ個性があってどれもうまい。しかも冷めてもうまい。

その中の一つがなんだか懐かしい香りと甘味、サツマイモらしい少し柔らかめの歯応えと
ねばつく感じは、田舎にいた頃に食べていたものに似ています。

最近は甘味に特化した品種だったり、ホコホコの歯応えだったりと、大袈裟に言えば
和菓子として出されてもお茶が欲しくなる美味しさのものが売られているようですね。

美味しくいただきます、今年もごちそうさまでした。

サツマイモ

2021-09-29 13:40:16 | なんでもレポート
近所の畑で掘り立てのサツマイモを分けてもらいました。

二週間ほど前にも同じところで分けてもらって食べたのが美味しかったので,、今回は少し多めにお願いしました。

掘り起こすのを道路脇で待っていると、サツマイモを求めて他のお客さんが見えたので、
待っている間、ここのサツマイモおいしですよねと話しかけたら、
その人はもう6〜7年前から毎年通っているとのこと。(どうやら一部の人には名の知れた農園らしい)

土が手入れされているせいか柔らかく、道具を使わないで手だけで掘り起こしていきます。

サツマイモに付いている土を目の前で払いながら畑の主が色々話してくれました。

年金のこと、勤めのこと、近所の神社の総代のこと、お昼ご飯を食べていないこと。

38年目のシルビアの話、2年で走行700km走行の話、マフラーが破けている話、
車検の度に次は取れないからと言われたり、高速道路にのっちゃダメと言われた話。

畑の脇に止めてあったシルビアのエンジンをかけてボボボッと排気が漏れている音も聞かせてもらいました。

10年前にマフラー作ってもらったんだよ・・・

この間他のお客さんは待ちぼうけ。お先にサツマイモいただいてきました。